SEOに強いキーワードの選び方とは?選定手順や無料・有料で使えるツールを紹介

スマホを持たない人のほうが珍しくなった今、誰でも、いつでも、どこでも、何でも検索できるようになりました。その結果、検索結果上位に表示させるSEOは、どの事業者にとっても欠かせない戦略となっています。その際もっとも重要となるのが、対策するキーワードの選定です。

この記事では、キーワード選定からSEOに取り組みたいと考えている方に向けて、選び方や無料・有料で利用できるツール、自社で取り組むメリット・デメリットなどを解説します。

SEOキーワードとは?

SEOキーワードとは、ターゲットを自社サイトに誘導するために、検索結果での上位表示を目指す単語や語句を指します。SEOとはSearch Engine Optimizationの頭文字を取った言葉で、検索エンジン最適化を意味します。

ユーザーの購買行動の多くがインターネット上でおこなわれるようになった今、マーケティング施策を実施するうえで、検索結果の上位に表示されるように対策することは欠かせません。そのためには適切なSEOキーワードを選ぶ必要があります。まずはSEOキーワードの種類を確認しましょう。

SEOキーワードの種類

SEOキーワードは、主にGoogleでの月間検索ボリュームによって大きく3種類に分けられます。

キーワードの種類 月間検索ボリューム 具体例
ビッグキーワード 10,000以上 リフォーム(160,800)
ミドルキーワード 1,000〜10,000未満 リフォーム キッチン(2,800)
スモールキーワード(ロングテールキーワード・ニッチキーワード) 1,000未満 リフォーム キッチン 対面(384)

検索ボリュームが大きなキーワードで上位を獲得できると、サイトへ多くの流入が期待できます。しかしそういったビッグキーワードは多くのサイトが対策しており、上位に食い込む難易度は非常に高くなります。

そのため最初はビッグキーワードに関連するキーワードをプラスした、ミドルキーワードやスモールキーワードからの流入を図るのが一般的です。

とくにスモールキーワードは検索数が少ないことから対策する競合が少なく、上位表示させやすくなります。検索規模の小さなキーワードほどターゲットとなるユーザーの検索意図の解像度が高く、より顕在度の高いユーザーにリーチできるのもメリットです。

キーワードとクエリとの違い

キーワードと似た言葉に「クエリ」があり、両者は混同されがちですが明確な違いがあります。

キーワード サイトの制作者がSEOを前提に選定する単語や語句
クエリ 検索エンジンを使うユーザーが検索ウィンドウに入力する単語や語句

キーワードは、クエリを参考に選定することもあります。混乱しないよう、両者の違いを押さえておきましょう。

初心者でもできる!SEOキーワードの選び方

それでは具体的にSEOキーワードはどう選ぶのか、手順を解説していきます。

STEP1.軸となるキーワードを決める

まずは、以下の方法からサイト全体の軸となるキーワードを決めます。

獲得したいキーワードを軸に考える

軸となるキーワードは、基本的には事業に関連する1語のビッグキーワード、もしボリュームが数十万を超えるなど大きすぎる場合は2語のミドルキーワードを選ぶのが一般的です。

例えば不動産会社なら「不動産」が軸キーワードになります。しかし「不動産」は月間検索ボリュームが約97万と大きく上位をねらうのは困難です。そのため事業内容にあわせ、「不動産 買取(1.4万)」や「不動産 仲介(1.7万)」などを軸キーワードに選ぶとよいでしょう。(検索ボリュームは2023年11月時点のもの)

カスタマージャーニーマップでユーザーの悩みを考える

カスタマージャーニーマップとは、ユーザーが自社の商品やサービスを認知するところから、理解、検討、購入に至るまでのプロセスを、時系列で図にまとめたものです。各ステップでユーザーがどのような疑問や悩みを抱え、どのようなクエリで検索するかを想像して軸となるキーワードを検討するのも方法の一つです。

カスタマージャーニーマップについて詳しくはこちらをご覧ください。

競合の流入キーワードを調べる

競合がどのようなキーワードでサイトに流入を図っているかを調べるのも、軸キーワードを選ぶ方法の一つです。同じキーワードで競合よりも良いコンテンツを制作できれば、競合に流れていたユーザーの自社サイトへの流入を図れて効果的です。

STEP2. サジェストキーワードや関連キーワードを調べる

軸キーワードを決めたら、サジェストキーワードや関連キーワードを調べ、ミドルキーワードやスモールキーワードの候補を挙げていきます。サジェストキーワードとは検索ウィンドウに表示される候補キーワード、関連キーワードとは検索結果の下部に「関連性の高い検索」として表示されるキーワードです。

<サジェストキーワード>

<関連キーワード>

これらは実際に検索ウィンドウに対策キーワードを入力したり検索したりすることでも調べられますが、手間がかかります。そのため、次の章で紹介するようなツールを使うのがおすすめです。

STEP3. 検索ボリュームを調べる

キーワードの候補がリストアップできたら、それぞれの検索ボリュームを調べます。検索ボリュームは自力では調べられないので、次の章で紹介するツールを使用して調べましょう。

STEP4.検索意図が似たキーワードをまとめる

リストアップしたキーワード群のなかで、検索意図が似たものがある場合はまとめましょう。例えば「不動産 家 売却」と「不動産 戸建て 売却」は「家」と「戸建て」で言葉こそ違うものの、ユーザーが知りたいことは同じと考えられます。

同じサイト内に類似コンテンツがあると、アクセスが分散して評価が下がるため、似たキーワードをまとめて一つのコンテンツを作りましょう。

STEP5.優先順位をつける

対策したいキーワードを洗いだしたら、コンテンツ制作を進める優先順位をつけていきます。基本的にはコンバージョンに近いものを優先するケースが多いです。しかし、とくに市場が狭いBtoBにおいては、同時に認知を獲得する必要もあります。またトレンドや季節性も考慮し、シーズンを先取りするキーワードを優先するのもおすすめです。

SEOキーワードの選定に使える無料・有料ツール

ここではSEOキーワードの選定に使える、無料・有料のツールを4つ紹介します。

ツール名 費用 ボリューム調査 サジェストキーワード調査 関連キーワード調査 獲得キーワード調査
ラッコキーワード 無料 ×
(50回/日)

(50回/日)

(50回/日)
有料
キーワードプランナー 無料 × ×
Ubersuggest 無料
(3回/日)

(3回/日)

(3回/日)

(3回/日)
有料
Ahrefs 有料

ラッコキーワード【無料・有料】

ラッコキーワードは無料プランと有料プランがあり、回数制限(50回/日)はあるものの、無料でもサジェスト・関連キーワード調査や競合の獲得キーワード調査を利用できます。ただしキーワードのボリューム調査をおこなうには、440円/月からの有料プランの申込が必要です。

キーワードプランナー【無料】

キーワードプランナーは、Googleが提供しているGoogle広告の運用ツールです。無料でキーワードのボリューム調査や関連キーワード調査ができますが、広告を出稿していない場合はキーワードボリュームは1万〜10万などと曖昧な数字しか表示されません。また利用するにはGoogle広告アカウントの作成が必要です。

Ubersuggest【無料・有料】

Ubersuggestは、無料・有料で使えるSEOツールです。ただし無料の利用では、キーワードのボリューム調査など各機能は1日3回しかできないなど制限されます。有料プランは2,999円/月からのサブスクリプションと、29,990円からの買い切りプランがあります。

Ahrefs【有料】

Ahrefs(エイチレフス)は、月額12,500円から利用できる有料のSEOツールです。キーワードのボリュームは1回につき最大1万個まで調べられるため、システマティックにキーワード選定を進めたいときには便利です。実際にそのキーワードがどれだけクリックされるのかを示す「クリック指標」なども調べられます。

キーワードの適切な入れ方や注意点は?

選定したキーワードで上位表示を目指すには、キーワードの使い方にも注意が必要です。具体的な入れ方を3つ紹介します。

タイトルやディスクリプションの前半に入れる

SEOキーワードは、タイトルやディスクリプションの前半に入れましょう。パソコンやスマホに表示されるタイトルやディスクリプションの文字数には制限があり、後半に入れてしまうとユーザーの目にとまらない可能性があるためです。またGoogleのクローラーは、テキストの初めのほうにある単語は重要なキーワードと認識することも理由です。

見出しや本文には不自然にならないように入れる

SEOキーワードがどれだけページに含まれるかを示す「出現率」が高いほど、有用なコンテンツと評価されていた時代がありました。しかし今ではキーワードは、多ければ多いほどよいわけではなく、不自然に詰め込むとかえってGoogleの評価が下がります。見出しや本文にキーワードを入れ込むときには、不自然にならないように気を付けましょう。

画像のALT属性にも入れる

SEOキーワードは、コンテンツ内の画像のALT属性にも入れることをおすすめします。そうすることで、ユーザーが画像検索したときの検索結果に表示されやすくなり、コンテンツへの流入が期待できます。

SEOキーワードの選定を自社でおこなうメリット・デメリット

SEOキーワードの選定を自社でおこなうことには、メリットもあればデメリットもあるので、確認しましょう。

メリット

SEOキーワードの選定を自社でおこなうもっとも大きなメリットは、外注コストがかからないことです。もちろん自社でリソースを割く必要があり、最初は時間がかかるかもしれませんが、慣れるに従いスムーズに進められるようになるでしょう。またその結果、ノウハウが自社に蓄積されていきます。

デメリット

SEOキーワード選びを自社でおこなうデメリットは、メリットでもお伝えしたように、時間がかかることです。人的コストもかかるうえ、効率化を図るには有料ツールの導入も必要になり、外注するよりもコストがかさむ可能性があります。またそれだけ時間をかけてキーワードを選定しても、適切なキーワードを選べなければコンテンツを作っても成果がでず、かけた時間が無駄になるかもしれません。

失敗したくないなら外注も検討しよう!成功事例をご紹介

SEOキーワードの選び方をご紹介してきました。「自社ではリソースが足りない」「失敗したくない」とお考えなら、外注を検討してみてはいかがでしょうか。

例えばシーラベルでは、課題の整理から戦略設計、施策の運用・制作まで、キーワード選定も含む一貫した伴走支援が可能です。

ここでは、弊社が支援した、複数の店舗を抱えておられる企業様のケースを一部ご紹介します。

【支援前の課題】

  • 競争が激しい地域での多店舗展開で、新規リード獲得が難しい
  • 社内でコンテンツ制作を実施していたが、ノウハウがないためリード獲得に繋がらない

【支援後の成果】

  • 社内でのコンテンツ制作ではCVR0.85%であったが、シーラベルにコンテンツ制作を依頼したことでCVR1.3%まで改善
  • LINEでの問い合わせ数は約11倍に改善し、支援開始から1年半で投資の回収ができる目処が立った

支援のポイント

こちらの企業様のサポートで重要だったのが、SEO地策における地域系のキーワードの扱いです。

一般的にローカルでリードを獲得するには、「SEO対策したいキーワード×地域名」でのキーワード対策が重要といわれています。しかし実際ユーザーがGoogleで検索するときには位置情報が使用されているのが一般的です。そのためコンテンツ制作時に、地域系のキーワードまで含む必要はないケースがほとんどです。

そのことを念頭に置き、以下の対策を実施しました。

  1. 【SEO対策したいキーワード】でコンテンツ制作
  2. 地域名の対策は、サイト内で実施

その結果、【SEO対策したいキーワード】×【地域名】の複数の組み合わせで1位を獲得できるようになりました。

支援の費用対効果

外注に際しては、「成果が出るとしても、費用対効果が気になる」と二の足を踏む方も多いのではないでしょうか。

今回のケースでは、1年半後には弊社への依頼を含む投資にかけた費用よりも累計獲得価値が上回りました。

SEOは長期的な施策であるため、結果が出るのには時間がかかるのは事実です。しかし一度良い結果が出れば、継続的な流入とCVが得られることがメリットです。

シーラベルなら、お客様個々の課題にあわせ、さまざまなノウハウを持ったコンサルタントやプロクリエイターによる支援が可能です。ぜひお気軽にお問い合わせください