【サンプル付き】オンライン時代の営業資料の作り方|55の改善ポイント

営業活動のオンライン化が進む中で、営業資料のクオリティは受注率に大きく影響する要素の一つとなっています。本記事では、非対面の見込客にも訴求力のある営業資料を作るためのポイントをサンプルとともに解説します。基本構成の考え方、各スライドに入れるべき要素、デザイン・レイアウトのチェックポイントまで紹介するので、ぜひ参考にしてください。

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オンライン時代に有効な営業資料は従来と何が違うのか

従来、営業資料はフィールドセールスのトークを補完して説得力を高める役割のほか、提案力の標準化を図る目的で活用されてきました。しかし、コロナ禍をきっかけに多くの企業がオンラインでの営業活動に注力するようになり、営業資料が果たす役割がますます重要になっています。

大きくは、以下の3つの役割が期待されています。

「オンライン商談における視覚的な訴求力」
「見込客の理解・納得・共感を得られるストーリー設計」
「見込客の社内稟議・社内調整への活用度」

これらを踏まえると、オンライン時代に有効な営業資料には次の3つの要素が重要になっているといえます。

視覚的に簡単に理解できる

対面営業では顧客の反応や温度感を確認しながらニーズに合わせて説明内容を調整できるため、場合によっては営業資料をほとんど使わずに受注に至るケースもあるでしょう。しかし、オンライン商談の場合は、営業資料を画面共有しながら進行するケースがほとんどです。そのため、これまで以上に視覚的にわかりやすく、インパクトを与えられる営業資料が求められます。

また、一目で商材の魅力・有効性が伝わるストーリー設計にこだわることで、見込客の信頼・共感を醸成しやすくなります。

強み・特長・メリットが数字で明確になっている

数字を効果的に用いている営業資料には説得力があり、見込客の記憶に残りやすいという効果も見込めます。たとえば、「多くの顧客が解約率を改善」という表現を「80%の顧客が解約率を10%以上改善」のように数字を用いた表現に置き換えることで、説得力の高い営業資料になります。

数字に置き換えられる要素として、次のものがあります。

  • 効果(コスト削減、生産性向上、業務効率化、売上拡大、品質向上 など)
  • 時間(最短〇日 など)
  • 回数(年間〇回のアップデート など)
  • 人数(プロクリエイター〇名のネットワーク など)
  • 導入実績(〇社の導入実績 など)
  • 顧客満足度(総合満足度〇% など)

営業資料では抽象的な表現はできるだけ避けて、強み・特長・メリットが具体的に伝わる表現を意識しましょう。

見込客の社内稟議・社内調整に必要な情報がある

営業資料が果たすもう一つの大切な役割は、見込客の社内稟議・社内調整に役立つかという点です。営業が商談をうまく運んだとしても、その後、相手先の社内稟議や社内調整においては営業資料をもとに検討されるケースが多くなります。そのため、決裁者や他の担当者が見たときに納得できる営業資料にすることも重要なポイントの一つです。

具体的には、以下のようなページが効果的です。

  • 導入による効果
  • 他社比較やポジショニングマップ
  • 導入事例
  • FAQ(よくある質問)
  • 機能
  • 導入費用・プラン など

これらの情報は比較検討フェーズにある見込客の背中を押す情報であり、先方の社内から挙がる疑問・不安を解消する上でも有効です。先方の窓口担当者が社内説明で手間取ることがないよう、わかりやすく整理しましょう。

【サンプルで解説】営業資料の作り方・55のチェックポイント

営業資料を作成・改善する際のチェックポイントを見ていきます。

営業資料の基本構成

営業資料の基本構成は次の通りです。

  スライド 役割
1 表紙・タイトル 営業資料の主旨を一言で伝える
2 商品・サービスのコンセプト 自社商材が提供する価値を伝える
3 顧客が抱える課題 よくある課題を提示して視点を合わせる
4 提供するソリューション 商品・サービスの活用によって何が解決されるのかを提示し、メリットを具体的にする
5 導入による効果 得られる効果を提示して訴求力を高める
6 選ばれる理由 自社ならではの特長・強みを提示して競合と差別化を図る
7 導入事例・導入実績 実際に導入した場合のメリット・活用イメージを具体化するほか、導入企業を一覧化して信頼性を高める
8 商品概要 商材の概要や料金プランを紹介する
9 導入の流れ 導入・運用のフローを説明する
10 よくある質問 顧客の疑問・不安を解消する
11 会社概要 会社に対する信頼感を醸成する
12 CTA(問い合わせ・資料請求などへの導線) 顧客が次に取るべきアクションを明示してコンバージョンにつなげる

上記の構成は、内容がすっと頭に入りやすく、かつ顧客の態度変容(興味関心→購買意欲)を起こしやすい基本的な流れです。基本構成を参考にしてスライドを作成したあと、以下のチェックポイントを参考にしながら順番やページの増減を精査するとスムーズです。

<チェックポイント>

1 スライドの順番に違和感がないか、ストーリーがわかりやすいか
2 不要なスライド、足りないスライドはないか
3 分割したほうがよいスライドはないか
4 1枚にまとめたほうがよいスライドはないか

1.表紙・タイトル

表紙・タイトルは、営業資料の主旨を伝えるページです。わかりやすく端的に表現することに加え、顧客に興味を持ってもらえるタイトルを意識することも重要です。

表紙は文字のみで構成する場合と、画像やイラストを用いてデザインする場合があります。いずれにおいても、自社のブランドイメージがブレないようにビジュアルや配色に留意して作成します。

<チェックポイント>

5 資料の主旨が端的にわかりやすく表現されているか
6 顧客が「知りたい」と思える表現になっているか
7 企業や商品のイメージに合ったビジュアルか
8 WebサイトやLPのイメージとテイストがずれていないか

2.商品・サービスのコンセプト

誰に向けてどのような価値を提供するのか、商品・サービスのコンセプトを紹介します。いわば“結論ファースト”の役割を果たすページと考えるとわかりやすいでしょう。

この後に続くスライドにスムーズに導くことを意識しながら、「どのような商品・サービスなのか」をわかりやすく簡潔にまとめます。箇条書きやフロー図、実際のデモ画面、イラストなどを効果的に用いて、一目でコンセプトが伝わるように工夫しましょう。

<チェックポイント>

9 誰に向けて、どのような価値を提供するのか明示されているか
10 商品・サービスの概要が一目でわかるか
11 箇条書きやフロー図などを用いてわかりやすく整理できないか
12 画像やイラストを使ってイメージ訴求できないか

3.顧客が抱える課題

業界や顧客が抱えている課題を提示するページです。この後に紹介するソリューションの紹介に向けて、あらかじめ視点を合わせておくことが目的です。顧客が自分事と捉えられるよう、「誰が・どのような場面で・どんな課題に直面しているのか」を具体的にします。

どのように整理すればよいのか迷ったときは、営業担当者にヒアリングして実際の営業現場で交わされる会話からヒントを得るという方法があります。

<チェックポイント>

13 商品・サービスの活用によって解決できる課題になっているか
14 担当者・関連部署・決裁者にとって納得感がある課題を提示しているか
15 顧客が「自社に当てはまる」とリアルに感じられる表現になっているか

4.提供するソリューション

顧客の課題に対して、自社が提供するソリューションを紹介します。商品・サービスを活用することで「何を解決できるのか」「その根拠となる機能・特長はどのようなものか」を具体的かつ簡潔に示します。

<チェックポイント>

16 先に挙げた顧客の課題に対応している解決策を提示しているか
17 解決するための商品・サービスの機能・特長をわかりやすく提示しているか
18 一目でソリューションの内容がわかるコピーになっているか

5.導入による効果

前ページで紹介したソリューションによる効果を具体的に伝え、商品・サービスに対する興味関心度合いを高めます。数字やグラフを用いることで視覚的にわかりやすくなり、かつインパクトを与えることができます。

コスト削減、生産性向上、業務効率化、売上拡大、品質向上などの観点から数字で効果を提示できるのが理想的です。

<チェックポイント>

19 数字・データを使って客観的に効果を示せているか
20 グラフを用いて視覚的にわかりやすく表現されているか

6.選ばれる理由

「選ばれる理由」のページには、競合と差別化できる自社ならではの特長・強みを入れます。実際の商談で受注につながっている理由や、顧客に評価されている要素を把握した上で整理するとよいでしょう。

また、競合比較表やポジショニングマップのページを追加して、競合との違いを視覚的にわかりやすくするという方法もあります。

<チェックポイント>

21 競合他社と差別化できる特長・強みが提示されているか
22 数字でアピールできないか

例)顧客満足度、導入社数

7.導入事例・導入実績

導入事例を入れることで、「○○社が導入しているなら信頼できる」「自社での活用イメージがわいた」「自社と同じ課題を解決しているので効果に期待できる」など、多くの効果が見込めます。

したがって、これらの読後感を得られることを意識しながら、2〜3パターンの導入事例を紹介すると効果的です。あらかじめ複数の導入事例を作成しておき、商談相手に合わせて差し替えるのもおすすめです。導入実績をアピールしたい場合は、導入企業を一覧化して信頼性を高めるという方法があります。

<チェックポイント>

23 見込客の興味関心を惹きつける事例か

(知名度が高い企業、ターゲットと同規模・同業種の企業、同じ課題を持つ企業の事例など)

24 企業情報が記載されているか(社名・業種・規模など)
25 導入前の課題と導入後の効果・メリットがわかりやすく記載されているか
26 活用方法がわかりやすく記載されているか
27 制作物があるときは実際の画像を入れられないか
28 実際に活用しているユーザーの声を入れられないか

8.商品概要・料金

仕様・機能一覧などの商品概要および料金プランを紹介します。複数のプランがある場合は、内容の違いが一目でわかるように一覧表を作成するとよいでしょう。料金は検討の最終段階における重要な情報となるため、簡潔にまとめつつも、できるだけ不明瞭な点を残さないことが大切です。

<チェックポイント>

29 料金に含まれるもの、オプションとなるものが明確になっているか
30 プランを複数提示する場合は、内容の違いがわかりやすく整理されているか
31 利用人数・機能などで料金が変動する場合は、コスト試算の例を提示できないか
32 金額を提示できない場合は、参考として費用感の目安を提示できないか

9.導入の流れ

導入・利用までにいくつかのステップがある場合は、フロー図を用いるなどして顧客が全体の流れやスケジュール感を把握できるようにします。

<チェックポイント>

33

導入・利用の流れが一目でわかりやすいか
34 導入・利用に要する期間がわかりやすいか
35 各ステップで顧客にとってほしいアクションが具体的になっているか

10.よくある質問

商談時によく質問されることや顧客からの問い合わせで多い質問を洗い出して、優先度の高いものを記載します。営業資料にこのページを設けることで、商談に同席しなかった関係者の疑問・不安の解消にもつながります。質問内容はビジネス環境の変化に応じて変わるものなので、随時見直してアップデートしましょう。

<チェックポイント>

36 検討・導入・利用の各フェーズで多く挙がる質問を記載しているか
37 回答内容は顧客の疑問・不安を解消できているか
38 質問・回答の文章は簡潔にまとまっているか

11.会社概要

会社概要を記載します。信頼性をアピールできるように意識しながら、企業情報を提供しましょう。

<チェックポイント>

39 社名・所在地・代表者名・設立・従業員数・事業内容など、信頼性を確認できる情報が記載されているか
40 メディア掲載歴や受賞歴、代表者の経歴などアピールできる情報がないか

12.CTA

営業資料の最後にCTA(Call To Action)を入れて、顧客に期待する次のアクションを促します。具体的には、問い合わせ先の電話番号やメールアドレス、問い合わせフォームへのリンク、見積請求、資料請求などがあります。

<チェックポイント>

41 CTAボタンを設置して顧客が迷わずアクションできるようになっているか
42 リンク先は正しく設定されているか
43 受付時間や期間が決まっている場合は明記されているか

デザイン・レイアウトのチェックポイント

営業資料は、内容だけでなく視覚的な印象によっても顧客の理解度や信頼度に影響を与える点に注意しなければなりません。デザイン・レイアウトにこだわることで「読みやすさ」「わかりやすさ」「要点のつかみやすさ」が向上し、かつブランドイメージの定着につなげることができます。

<フォントのチェックポイント>

44 読みやすいフォントの種類、大きさになっているか
45 見出し・本文の文字に強弱(サイズ・太さ・色)をつけて視覚的に読みやすくなっているか
46 読みやすい行間をとっているか

<配色のチェックポイント>

47 企業やブランドのイメージに合った配色となっているか
48 色を使いすぎていないか(ベースカラー・メインカラー・アクセントカラーの3~4色程度に抑えるとバランスをとりやすい)

<要素のチェックポイント>

49 箇条書きを効果的に使って理解しやすく整理しているか
50 グラフを効果的に使ってアピールしたい数値がわかりやすくなっているか
51 図表を効果的につかって情報を構造的にわかりやすく見せているか
52 画像・イラスト・アイコンを効果的に使ってテキストを補完しているか

<レイアウトのチェックポイント>

53 1スライド1メッセージになっているか
54 1ページのテキスト量は適切か
55 余白をとって読みやすくしているか

受注率を高める営業資料のポイントは“顧客視点”

オンライン時代の営業活動では、非対面の見込客に対しても高いアピール力を持つ営業資料が求められます。これを実現するには、徹底した顧客視点を持つことが必須です。また、いち早く顧客の理解・納得・共感を得るための視覚的な訴求力も重要となります。

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