メルマガを長期的かつ効果的に運用するには、定期的に効果測定・分析を行ってPDCAをまわし続けることです。しかし、「何を測定すればいいかわからない」「どのように分析すればいいのだろう」とお困りの方もいるでしょう。本記事では、メルマガの効果測定で用いる7つの指標と代表的な分析ツールについて詳しく解説します。
メルマガの効果測定を行う重要性
メルマガはメールマーケティングの代表的な手法のひとつです。自社商品のブランディングや顧客との関係構築に有効な施策であるため、BtoC/BtoBを問わず多くの企業が取り組んでいます。
その一方で、メルマガを継続的に配信することが目的になってしまい、「どのくらい読まれているか」「次のアクションや購入につながっているか」などの効果を検証できていないケースも多く見受けられます。
メルマガの成果を高める上で重要なのは、配信したメールの効果を測定・分析して施策をブラッシュアップしていくことです。効果を測定すれば以下のようなことも明確になり、施策の改善につなげることができます。
- 配信内容が読者の属性やニーズに合っているか
- コンバージョンに至らない原因やボトルネックがどこにあるのか
- メルマガの反応が良かった要因は何か
PDCAをまわすことで、メルマガ施策を効果的かつ長期的に運用しやすくなります。
メルマガの効果測定で押さえておきたい指標7つ
配信したメルマガの効果測定では、主に以下のような指標が用いられます。
- 到達率・エラーメール率
- 開封率
- クリック率(CTR)
- コンバージョン率(CVR)
- 解約率(配信停止率)
- リンク先ページの直帰率
- ROI(投資対効果)
ひとつずつ見ていきましょう。
到達率・エラーメール率
到達率とは、配信先のメールサーバーにメールが正常に届いた割合のことで、以下の式で算出します。
到達率=メール到達数÷総配信数×100 |
反対に、メルマガが届かなかった割合に着目して「エラーメール率」で表す場合もあります。
エラーメール率=エラーメール数÷総配信数×100 |
メルマガは一斉配信したからといって相手に確実に届くとは限りません。エラーで不達となる場合、原因としては以下のケースが考えられます。
- スパムメールと判定されメールサーバーに拒否された
- メールアドレスに誤りや変更があった
- 受信側のアドレスが削除された
- 受信側のメールボックスの容量オーバー
- メールのサイズがオーバーしている
不達メールが多いと機会ロスにつながり、顧客管理もしづらくなります。継続的に送信エラーとなるアドレスを配信リストから外す、送信ドメイン認証を行うなどの対策をとり、到達率は95%以上を維持できるようにしましょう。
開封率
開封率は、届いたメールのうち相手が開封した割合のことで、以下の式で算出します。
開封率=開封されたメール数÷メール到達数×100 |
メルマガでどんなに有益な情報を配信しても、開封されなければ意味がないため、開封率は特に重要な指標のひとつです。メルマガの平均開封率は業界や配信対象者との関係性などで変わりますが、一般的には20%前後と言われています。10%以下の場合は、自社に対する興味や関心が低く、配信対象者との関係性が希薄であることが考えられます。
メルマガの開封率を上げるには、以下のような方法が有効です。
- 簡潔で興味を惹くタイトル・件名にする
- 開封されやすい曜日・時間帯に送る
- 同じ曜日・時間に定期配信する
- 送信元のメールアドレスに送信者名(社名・送信者名など)を設定する
- マルチデバイスに対応したデザインにする
クリック率(CTR)
クリック率は、メール本文に記載したURLをクリックした人の割合です。「クリックスルー率」や「CTR(Click Through Rate)」とも呼ばれ、以下の式で求めます。
クリック率=URLがクリックされた数÷メール到達数×100 |
クリック率を測定すると、「見込み顧客や既存顧客がどのようなコンテンツに興味をもっているか」「メルマガの内容がニーズに合っているか」などを把握することができます。クリック率は配信数やメルマガの内容などで変動しますが、平均値は1~2%、開封率の10分の1くらいが目安となります。
クリック率は以下のような工夫で改善することが可能です。
- クリックしてほしいURLを1つに絞る
- ファーストビューとメルマガの末尾にURLを設置する
- URLの表示方法をボタン形式やアンカーテキストにする
コンバージョンにつながる指標でもあるため、クリック率が低い場合は対策を講じましょう。
コンバージョン率(CVR)
コンバージョン率は、メルマガ内のURLを経由して会員登録やお問い合わせ、商品購入など目標とするアクションに至った割合のことです。計算式は以下の通りです。
コンバージョン率=目標達成数÷メール到達数×100 |
コンバージョン率の平均は1%程度で、クリック率の10分の1程度が目安となります。クリック率は悪くないのにコンバージョンにつながらない場合、原因の多くはリンク先のWebサイトにあります。主な原因を以下に挙げます。
- メルマガで案内された情報がリンク先のページで見つからない
- Webサイトの内容が顧客のニーズに合っていない
- 申し込みフォームや登録フォームの場所がわかりづらい
- フォームの入力項目が多い/入力しづらい
また、配信対象者の属性に対してハードルの高いコンバージョンを設定している場合も、コンバージョン率の低下につながります。例えば、まだ検討度合いが低い層に対して商品購入を促すような目標設定は適切ではありません。
コンバージョンはメルマガ施策の本来の目的であるため、必ずチェックして改善に役立てましょう。
解約率(配信停止率)
解約率は、購読者がメルマガの登録を解除した割合のことです。「配信停止率」や「オプトアウト率」とも呼ばれ、以下の式で算出します。
解約率=解約数÷メール到達数×100 |
メルマガの解約は、メールの最下部などに記載されている解約方法(配信停止方法)に沿って行われます。解約率の平均値は0.2~0.3%程度で、主な解約理由としては以下のようなケースが挙げられます。
- メルマガの内容に興味がない
- 期待した情報が得られない
- 配信頻度が高すぎる
- 情報量が多すぎる/少なすぎる
解約率が高い場合は、メールの内容や配信頻度を見直す必要があります。
リンク先ページの直帰率
直帰率とは、メール本文のURLをクリック後、リンク先のページで何もせずに離脱した(ページを閉じた)人の割合です。以下の式で算出します。
直帰率=直帰数÷URLクリック数×100 |
直帰率が高い場合は以下のような原因が考えられます。
- メルマガで案内された情報がリンク先のページで見つからない
- 申し込みフォームや登録フォームの場所がわかりづらい
- リンク先のページの読み込み速度が遅い
- リンク先のページがスマートフォン表示に対応していない
URLのクリック率が高くても、ページ遷移後にすぐに離脱されてしまうとコンバージョンに至りません。購読者の属性やニーズをふまえたスムーズな導線づくりが重要です。
費用対効果(ROI)
メルマガを運用する際は、コストに対してどれくらいの利益が得られたかを表す費用対効果(ROI:Return On Investment)を測定することも重要です。
ROIの計算式は以下の通りです。
ROI=利益金額(粗利)÷費用×100 ※利益金額=売上-売上原価-費用 |
メルマガ施策では、主に以下のような費用がかかります。
- 配信リストの整備にかかる費用
- メルマガの作成や配信、管理にかかる人件費
- メール配信システムの利用料金
メルマガは比較的低コストで運用できるマーケティング手法ですが、すぐに効果が表れるとは限りません。長期的に取り組むうちにコストが膨れ上がることもあるため、費用対効果は定期的に確認しましょう。
メルマガの効果測定・分析に役立つツール
上記で紹介した指標は、ツールを活用することで効率的に測定できます。
メルマガの効果測定に役立つツールは下記3つです。
- Googleアナリティクス
- メール配信ツール
- MA(マーケティングオートメーション)
ひとつずつ見ていきましょう。
Googleアナリティクス
Googleアナリティクスは、Google社が提供するWebサイトのアクセス解析ツールです。メルマガの効果測定に活用することも可能で、主に2つの指標を分析できます。
- メルマガの開封数
- URLのクリック数
それぞれの測定方法を解説します。
開封数を測定する方法
メルマガの開封数を測定する際は、Googleアナリティクスに直接データを送信する「Measurement Protocol」という仕組みを使用します。Measurement ProtocolのURLを、HTMLメール内の画像タグに設置することで測定できるようになります。
具体的な手順は下記の通りです。
- GoogleアナリティクスのHit Builderにアクセス
- デフォルトのパラメータを設定
- Add parameterで開封数の測定に必要なパラメータを追加
- 生成されたURLをHTMLメールに挿入
- Googleアナリティクスの「行動」→「イベント」で開封数を確認
計測した開封数をメール到達数(有効配信数)で割れば、開封率を算出できます。
URLのクリック数を測定する方法
メルマガ内のURLのクリック数を測定する際は、GoogleアナリティクスのURL生成ツールを使用します。Webサイトへのアクセスのうちメルマガ経由のものを判別するために、ダミーパラメーター付きURLを設定することがポイントです。
手順は以下の通りです。
- GoogleアナリティクスのURL生成ツールにアクセス
- 必要事項を入力し、ダミーパラメーターを含んだURLを作成
- ダミーパラメーター付きURLをメルマガに貼り付けて配信
- Googleアナリティクスの「集客」→「キャンペーン」でメルマガ経由の流入数を確認
なお、Googleアナリティクスによる効果測定は、HTMLメールが対象です。テキスト形式のメルマガの効果測定には使用できない点に注意してください。
メール配信ツール
メール配信ツールはメールマーケティングに特化したツールです。メールの作成、配信から効果測定まで一元的に管理することができ、メルマガの分析にも役立ちます。
搭載されている機能はツールごとに異なりますが、一般的なメール配信ツールでは以下のような指標を自動的に測定することが可能です。
- 到達率
- 開封率
- クリック率
- コンバージョン率
また、ツールによっては以下のような機能が備わっており、幅広い切り口でメルマガの効果を分析することができます。
- Googleアナリティクス連携
- 配信エラー解析・配信リストからの自動削除
- A/Bテスト配信・比較分析
- 曜日別・時間別分析
- ドメイン・デバイス分析
MAツール(マーケティングオートメーション)
MAツールはマーケティング業務全般を自動化・効率化するツールです。集客から見込み顧客の育成・選別まで一元管理することができ、以下のようにメルマガの配信・分析を支援する機能も備わっています。
- 見込み顧客の管理
- HTMLメールの作成
- メルマガの自動配信
- メルマガの効果測定(到達率、開封率、クリック率など)
MAツールではWeb上のさまざまな顧客データを収集・管理できるため、属性や行動履歴をもとに顧客を詳細に分類し、質の高い配信リストを作成することができます。また、SFAやCRMなど他システムと連携できるものが多く、多角的にメルマガを分析したい場合に適しています。
メルマガの運用・分析でお困りの方は「シーラベル」へ
メルマガの効果を測定する指標は多岐にわたりますが、Googleアナリティクスやメール配信ツールで分析することができます。しかし、定期的に効果測定を行いながらメルマガ施策のPDCAをまわし続けるには多くのマンパワーを要しますし、ツールを使いこなすノウハウも必要です。
メルマガの運用や分析について、以下のような課題がある場合はシーラベルにご相談ください。
- メールマーケティングの経験・ノウハウがない
- メルマガを配信するだけで手一杯
- メルマガに対する顧客の反応を把握できていない
- 現在配信しているメルマガの内容が適切かわからない
- 自社で分析ツールを使いこなす自信がない
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