Web広告は細かなターゲティング設定が可能で、少ない広告費から始められるというメリットがあります。しかし、種類が多いため、自社に最適な手法の選び方や効率的な運用方法に迷うケースが多いでしょう。本記事では、主要なWeb広告の種類・特徴・課金方式と運用のポイントを解説します。
Web広告の種類と特徴・課金方式
Web広告とは、インターネット上のメディアで配信される広告全般を指します。代表的なWeb広告の種類は次の通りです。
- リスティング広告
- ディスプレイ広告
- リターゲティング広告
- SNS広告
- 動画広告
- 純広告
- アフィリエイト広告
- ネイティブ広告
- 記事広告
- デジタル音声広告
それぞれの特徴と課金方式、費用感について一つずつ見ていきます。
リスティング広告
リスティング広告とは、ユーザーがGoogleやYahoo!などの検索エンジンにキーワードを打ち込んだときに、検索結果ページの上部や下部に表示される広告のことです。検索連動型広告とも呼ばれます。
キーワードの人気度合いによって入札金額が大きく変動しますが、予算に応じて上限を設定することが可能なため費用対効果の高い運用が可能です。
特徴 |
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課金方式 | CPC(クリック課金) |
費用感の目安 | CPC:100円前後から数千円まで幅広い |
※CPC(Cost Per Click):1クリックあたりの費用
ディスプレイ広告
ディスプレイ広告とは、Webサイトやアプリに設置されている広告枠に表示される広告のことです。テキストのほか、画像や動画を使って視覚的に訴求力を高めることができます。
ディスプレイ広告は、複数のWebサイトにまとめて配信できるアドネットワーク広告のシステムが活用されることが多く、GoogleのGDN(Googleディスプレイネットワーク)やYahoo!のYDA(Yahoo!ディスプレイアドネットワーク)がよく知られています。
特徴 |
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課金方式 | CPC(クリック課金)、CPM(インプレッション課金)など |
費用感の目安 |
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※CPC(Cost Per Click):1クリックあたりの費用
※CPM(Cost Per Mille):広告が1,000回表示されるごとにかかる費用
リターゲティング広告
リターゲティング広告とは、自社のWebサイトに訪問したことがあるユーザーが他のWebサイトを閲覧したときに表示される広告のことです。テキストやバナーの形式で配信することができます。
自社に興味を持ったユーザーを追跡して繰り返しアプローチできるというメリットがありますが、頻繁に表示するとユーザーに敬遠される恐れがあるため最適な頻度を検討することが重要です。
特徴 |
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課金方式 | CPC(クリック課金)、CPM(インプレッション課金)など |
費用感の目安 |
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※CPC(Cost Per Click):1クリックあたりの費用
※CPM(Cost Per Mille):広告が1,000回表示されるごとにかかる費用
SNS広告
SNS広告とは、Facebook・Twitter・Instagram・LINEなどのSNS上に表示される広告のことです。タイムライン上に自然なカタチで表示できるなど、ユーザーに受け入れられやすい広告展開が可能という利点があります。広告効果を高めるには、ターゲットが普段からよく利用しているSNSを選定することがポイントです。
特徴 | ●Facebook広告 属性や行動特性、興味関心など細やかなターゲティングが可能でBtoBでも多く利用されている●Twitter広告 リツイートなどの拡散力に特徴があり、ユーザーにインパクトを与えられれば広告の二次拡散も期待できる●Instagram広告 写真投稿がメインとなるため、視覚効果を高めやすい商材やブランドイメージの定着に効果的●LINE広告 アクティブユーザー数が多く、潜在層にもリーチを広げやすい |
課金方式 |
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費用感の目安 |
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※CPC(Cost Per Click):1クリックあたりの費用
※CPM(Cost Per Mille):広告が1,000回表示されるごとにかかる費用
※CPE (Cost Per Engagement):「シェア・いいね・クリック」などのエンゲージメントによる課金
※CPV(Cost Per View):動画広告1再生あたりの費用
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動画広告
動画広告には様々な種類がありますが、大きくはインストリーム広告とアウトストリーム広告の2つに分類されます。
- インストリーム広告:YouTubeなどで動画コンテンツの前後や再生中に表示される動画広告
- アウトストリーム広告:WebサイトやSNSなどの広告枠で表示される動画広告
動画広告は、テキストや静止画の広告よりも短時間で多くの情報を伝えられる点が大きなメリットです。ただし、クオリティの高い動画制作にはノウハウが必要であり、他の広告と比較して制作コストが高額になる点に注意が必要です。
特徴 | 音声+映像によって印象・記憶に残りやすい広告展開ができるため、認知拡大や見込客獲得・育成、販促、ブランディングなど多様な目的に活用できる |
課金方式 | CPV(視聴課金)、CPC(クリック課金)、CPM(インプレッション課金)など |
費用感の目安 | YouTubeのインストリーム広告の視聴課金は2円程度~ |
※CPV(Cost Per View):動画広告1再生あたりの費用
※CPC(Cost Per Click):1クリックあたりの費用
※CPM(Cost Per Mille):広告が1,000回表示されるごとにかかる費用
純広告
純広告とは、特定のメディアの広告枠を買い取り表示させる広告のことです。テキスト広告やバナー広告、タイアップ広告など様々な種類があります。純広告を提供しているのは、圧倒的な集客力を誇るWebサイトです。TVCM・新聞・雑誌などのマス広告をイメージするとわかりやすいでしょう。
純広告は期間契約が主流であり、掲載期間によって広告料金が決まっているため運用の手間がかからない点がメリットです。一方で、期待した効果が出なくても費用が発生するというデメリットがあります。
特徴 | 多くのユーザーの目に触れることで認知拡大やブランディング効果が期待できる |
課金方式 | 期間保証型やインプレッション保証型など |
費用感の目安 |
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アフィリエイト広告
アフィリエイト広告とは、アフィリエイター(サイト運営者)が運営しているアフィリエイトサイトに広告を掲載してもらう形式のものを指します。個人が運営するブログから専門ジャンルに特化したサイト、ランキング・比較サイトなど多様な掲載先があります。
通常は、ASP(アフィリエイト・サービス・プロバイダ)と契約して広告出稿します。アフィリエイト広告の多くはコンバージョン数に応じて費用が発生する成果報酬型のため、費用対効果を高めやすいというメリットがあります。
特徴 | バナー広告のほか、記事内で第三者の目線から商材を紹介する形式など多様な手法が用いられており、認知拡大やコンバージョンの向上が期待できる |
課金方式 | 成果報酬型 |
費用感の目安 |
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ネイティブ広告
ネイティブ広告とは、Webサイトのコンテンツに溶け込むような形で表示される広告のことです。通常コンテンツと同様の形式で表示するインフィード型をはじめ、ユーザーの閲覧履歴に応じて出し分けるレコメンドウィジェット型など様々な種類があります。
ネイティブ広告はいわゆる広告色を抑えながらコンテンツの一つとして訴求する手法ですが、ステルスマーケティング(広告であることを隠して消費者を惑わす宣伝)とは異なり、「広告」「PR」などの文字を表示して広告であることを明確にします。
特徴 | 一見広告に見えないため、ユーザーがコンテンツを見る中で自然に自社の商材をPRできる |
課金方式 | 期間契約、CPC(クリック課金)、CPM(インプレッション課金)など |
費用感の目安 |
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※CPC(Cost Per Click):1クリックあたりの費用
※CPM(Cost Per Mille):広告が1,000回表示されるごとにかかる費用
記事広告
記事広告とは、Webメディアとタイアップする形で掲載する記事コンテンツ型の広告のことです。タイアップ広告と呼ばれることもあります。ネイティブ広告の一つで、ユーザーを自然に誘導できるというメリットがあります。
記事広告の効果を高めるには、自社がターゲットとするユーザーが多く訪問するメディアを選定することがポイントです。ただし、コンテンツとしての面白さが足りないと効果につながらないため、テーマやクリエイティブにこだわることも重要になります。
特徴 | ユーザー数が多く信頼性の高いWebサイトに掲載することで、認知拡大やコンバージョンの向上、ブランディング効果が期待できる |
課金方式 | 期間契約、CPC(クリック課金)、CPM(インプレッション課金)など |
費用感の目安 | 記事1本につき数十万円~ |
デジタル音声広告
デジタル音声広告とは、音楽配信サービスやインターネットラジオなどの音声媒体で配信される広告のことです。代表的な例として、Spotifyやradiko、Voicyなどがあります。
従来のラジオ広告は不特定多数へのPRとなっていましたが、インターネットを介することで細かなターゲティングができるようになりました。また、デジタル音声広告は動画と違い、スキップされにくいという利点もあります。
特徴 |
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課金方式 | 音声広告を聴いたユーザー数によって変動 |
費用感の目安 | 純広告:50万円程度~ |
Web広告の効果を高める運用のポイント
ここでは、Web広告の効果を高めるために押さえておきたい運用のポイントを紹介します。
目的に合わせてWeb広告の種類を検討する
Web広告には様々な種類があるため、まずは「どのような効果を得るためのWeb広告か」という観点から目的を明確にし、最適な手法を選ぶことが重要です。
たとえば、認知拡大が目的の場合、潜在層にもアピールできるネイティブ広告や動画広告、記事広告などが有効です。情報収集中の見込客に向けて購買促進したい場合は、リスティング広告やリターゲティング広告が効果を発揮しやすいといえます。
はじめに目的を明確にすることで、Web広告の特性を踏まえた効果的な選定がしやすくなります。
ターゲットに合致する媒体・Web広告を選ぶ
Web広告に限らず、広告を展開する際に重要となるのが「ターゲットにしっかりリーチできるか」という点です。自社が狙うターゲット層を明確にした上で、ターゲットが多く接触するメディアや効果的にアプローチできるWeb広告を選定します。
また、Web広告では細やかなターゲット設定が可能なものが多くなっていますが、裏を返せば、ターゲットが不明瞭なまま進めると成果につながりにくいということです。ターゲットの解像度を高めたいときは、ペルソナを作成してみるとよいでしょう。
広告クリエイティブの精度を上げる
広告クリエイティブとは、広告物に使われる素材のことです。Web広告のクリエイティブは、以下の要素から構成されます。
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当然ながら広告クリエイティブは効果に大きく影響するため、しっかり練る必要があります。広告クリエイティブの制作において、留意しておきたいポイントは次の通りです。
- 効果的な訴求軸を用いているか
例)ベネフィットの訴求、限定感の訴求、品質・機能の訴求、比較による訴求など
- ターゲットに響く表現ができているか
例)画像・イラスト、キャチコピー、配色・デザインなど
- 商材・ブランドとクリエイティブのイメージが統一されているか
広告クリエイティブに正解はないため、試行錯誤する中でブラッシュアップしていくことが重要です。ABテストを実施して、複数のクリエイティブの効果を比較検証するのもおすすめです。自社にとっての勝ちパターンを見つけることができれば、効果的な運用を実現できます。
LP(ランディングページ)を用意する
LPは広告をクリックしたユーザーが最初に目にするページであり、いわばWeb広告の着地点です。訴求軸やターゲットに合わせたLPを用意しておくことで、コンバージョンの向上が期待できます。
LPを制作する際は、以下の点に注意します。
- ファーストビューで訴求ポイントをしっかり伝えられているか
- ユーザーの課題に対する解決策を提示できているか
- 商材の魅力・強みが伝わるか
- CTAの位置や文言・ボタンは適切か
- 入力フォームにユーザーにとっての障壁はないか
LPも広告クリエイティブと同様に、ABテストを行いながら精度を高めていくことが重要です。
PDCAを回して改善する
Web広告は定量的な効果測定がしやすいという利点があります。以下のようなKPIを確認しながら、メディア選定の見直しや広告クリエイティブ・LPのチューニングを行いましょう。
- CPA(Cost Per Action):CV1件あたりの顧客獲得単価
- CPC(Cost Per Click):1クリックあたりの費用
- CPM(Cost Per Mille):広告が1,000回表示されるごとにかかる費用
- CVR(Conversion Rate):訪問ユーザーのうちCVしたユーザーの割合
- CTR(Click Through Rate):広告表示回数のうちクリックされた割合
Web広告は出稿後も設定を柔軟に変えられるものが多いため、PDCAを回しながら成果を高めていくことが大切です。
プロのノウハウを自社に取り入れてWeb広告運用を最適化
Web広告は認知拡大やリード獲得・育成、ブランド力の強化において、業種を問わず成果が見込める手法です。しかし、効果的に運用するにはターゲット設定やメディアの選定、広告クリエイティブ制作のためのリソース・ノウハウが必須です。
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