近年、ユーザーに価値があるコンテンツを継続的に提供し、検索結果の上位に表示させて流入を図る「コンテンツSEO」が注目されています。この記事では、コンテンツSEOが重要な理由や取り組むメリット、効果が出るコンテンツの作り方などを解説します。
コンテンツSEOとは
冒頭でお伝えしたように、コンテンツSEOとは「ユーザーにとって良質なコンテンツを継続的に提供し、検索エンジンに上位表示させることで流入を図る取り組み」です。
コンテンツSEOのSEOとはSearch Engine Optimizationの略語で、「検索エンジン最適化」と訳されます。具体的には、Googleなどの検索エンジンに高く評価されるよう、以下のような取り組みをおこないます。
- クローラー(検索エンジンがWebの情報を収集する自動巡回ロボット)が内容を理解しやすいよう階層を整える
- サイトの読み取り速度を最適化する
- 内部リンクを設定し巡回しやすくする
- 外部サイトからの被リンクを獲得する
- ユーザーにとって価値がある質の高いコンテンツを制作する
コンテンツSEOは、これらのうちとくに「コンテンツの質」に着目した施策を指します。
コンテンツSEOが重要な理由
近年コンテンツSEOが注目を集めているのには、どのような理由があるのでしょうか?
ユーザーの購買行動の起点は検索であるため
そもそもコンテンツSEOが重要視されているのは、ユーザーの購買行動は検索を起点とするケースが多いことが理由の一つです。
5Gをはじめとする高速通信網の整備が進み、スマホが人々に普及すると同時に、ユーザーの購買行動はインターネット上でおこなわれるようになりました。この記事を読んでいる人のなかにも、何かを購入するときに「まずは検索エンジンで情報を収集する」という人は多いのではないでしょうか。
実際、ナイル株式会社が2022年12月に実施した調査によると、オンライン購入を決めるまでに製品やサービスを調べた手法として「検索エンジンを利用した」と回答した人は46.5%にもなります。
しかしいくらコンテンツを制作しても、検索結果の上位に表示されないとユーザーの流入は見込めないのが現実です。自社サイトの検索順位を監視するツールを提供している企業Advanced WEB RANKINGの2023年9月のデータによると、Organic検索(自然検索=広告以外の検索結果)検索1位のクリック率は46.07%であるのに対し、2位は11.91%、3位は7.23%にしかなりません。
4位以下になると5%以下になることを考えると、検索結果の少なくとも3位以内に入らなければ、大きな流入は望めないとわかります。
製品・サービスへの興味関心や購買意欲が高いユーザーの目にとまるためには、検索結果の上位に表示させる取り組みが、もはや欠かせないのです。
Googleはコンテンツの質を重視しているため
検索結果の上位に表示されることの重要性はわかりましたが、それでは数あるSEOの取り組みのなかで、とくにコンテンツSEOが注目されているのはなぜなのでしょうか。
それは近年Googleが、とくに「コンテンツの質」を重視していることが理由です。
ひと昔前まで、Googleでは「被リンクが多いコンテンツは優秀」「キーワードが多く含まれたコンテンツは専門性が高い」と評価していたこともありました。それはGoogleの当時の技術力では、サイトを機械的に評価するしかなかったことが理由です。その結果、多くの価値がないコンテンツが検索結果上位に表示されることとなりました。
しかしそれはGoogleが目指す「ユーザーファースト」にはそぐいません。そのためGoogleはよりユーザーのニーズに応えるコンテンツを上位表示できるよう、さまざまなアップデートを繰り返してきました。
その結果、「キーワードを詰め込む」「モバイルフレンドリーにする」といった、テクニカルSEOを駆使するだけでは、上位表示は難しくなりました。そして今、多くの企業は「ユーザーのニーズにいかに応えるか」という原点に立ち返り、コンテンツの質を重視するコンテンツSEOに注目するようになったのです。
コンテンツSEOに取り組むメリット・デメリット
コンテンツSEOに取り組むことには、どのようなメリットがあるのでしょうか?またデメリットはないのでしょうか。
メリット
コンテンツSEOに成功し、検索結果の上位に表示されるようになると、アクセスが増え集客効果が持続します。
「検索結果の上部に表示させるなら、広告を打つのが近道なのでは?」と思う人もいるかもしれません。確かに広告を打つと、その日から検索結果の上部に表示されるようになります。しかしそのためには広告費を払い続けなければなりません。その点コンテンツ自体の力で上位表示を実現すれば、広告費をかけることなく流入が見込めます。つまりコンテンツSEOは、費用対効果がとても高い施策なのです。
またコンテンツSEOでは、製品やサービスに関係するキーワードで検索する人をターゲットに記事を制作します。自社の製品やサービスに関心が高い見込み客に効率的にアプローチできることも、コンテンツSEOのメリットです。
デメリット
効果が出れば低コストで長期的に集客が期待できるコンテンツSEOですが、デメリットもあります。それは効果が出るまでに時間がかかる、中長期的な施策であることです。
広告であれば、出したその日から検索結果の上部に表示され、ユーザーの流入が期待できます。しかしコンテンツSEOでは、いつ検索上位に表示されるかわからず、最悪Googleに評価されずに下位に沈んだまま、まったく流入がないことすらあり得ます。
どのような結果が出るかわからないなかコンテンツを作り続けるのは、気力と労力が必要です。そのため「がんばっても効果が出ない」と感じ、あきらめてしまうケースも少なくありません。
効果が出るコンテンツの作り方
Googleに評価され検索結果上位に表示されるには、ユーザーのニーズを意識したコンテンツ制作、つまりコンテンツSEOが欠かせません。それでは効果が出るコンテンツは、どのように制作すればよいのでしょうか?
STEP1. 現状を分析する
ユーザーのニーズに応えるコンテンツとは、ユーザーが抱える悩みや疑問に応えるコンテンツです。そのためまずは、ユーザーがどのようなタイミングで、どういった悩みや疑問を持つのかを明らかにする必要があります。
そのために有効なのが、「カスタマージャーニーマップ」の作成です。カスタマージャーニーマップとは、ユーザーが商品やサービスを認知・理解・検討し、商談・購入に進むまでの各プロセスにおいて、どのようなことを考え行動するのかを視覚化したものです。ユーザーの心理状態を把握し、求める情報を差し出す適切なタイミングを検討するときに役立ちます。
STEP2. キーワードを選定する
カスタマージャーニーマップが完成したら、ユーザーがどの段階でどのような疑問を持ち、どういったワードで検索するかを考え、制作するコンテンツのキーワードを検討します。
その際、キーワードプランナーなどのツールを活用し、キーワードのボリュームを見ることが重要です。検索1位のクリック率が約45%であることを考えると、検索数が月に10万を超えるようなビッグキーワードは、1位を獲得すれば単純計算で月に4.5万もの流入が見込めることを意味します。
しかしそのようなキーワードは多くの競合企業がしのぎを削っており、割って入るのは簡単なことではありません。そのためまずは、ユーザーの疑問や悩みをより細分化し、複数の単語からなるスモールキーワードを選定するのがおすすめです。
例えば「沖縄 旅行」だと検索ボリュームは約24万6千にもなりますが、「沖縄 旅行 プラン」だと約3千にまで下がります※。検索ボリュームが少ないキーワードは期待できる流入数が少ないことから注目する競合が減るため、上位獲得を目指しやすくなるでしょう。
※2023年10月20日時点の検索ボリューム
STEP3. コンテンツを制作する順番を検討する
ユーザーの悩みや疑問を表すキーワードを選定したら、コンテンツを制作する順番を検討します。基本的には、商品やサービスの購入やお問い合わせなど、期待する結果により近いキーワードのコンテンツ制作から取りかかるケースが多いようです。
しかしコンテンツには、カスタマージャーニーマップのステップごとに、「認知を拡大する」「ユーザーを育成する(興味・関心を育てる)」などさまざまな役割があります。まずは現状集客のボトルネックとなっているステップを見極め、そちらのコンテンツ制作を優先すると、現状の改善には効果的です。
STEP4. コンテンツを制作する
制作するコンテンツの順番が決まったら、実際に制作に取りかかります。
その際、いきなり記事を書き始めるのではなく、まずはコンテンツのアウトライン(構成)を考えることから始めます。ユーザーの検索意図から、求めている情報をすべて提供できる内容を考えましょう。良質なコンテンツになるかどうかはアウトラインでほぼ決まるため、妥協せずに作り込む必要があります。現状Googleから高い評価を得ている上位記事のアウトラインを参考にしつつ、独自の視点や見解も盛り込みオリジナリティと専門性の高いコンテンツにすることが重要です。
アウトラインを作成したら、記事本文を書いていきます。あわせて適度に画像も挿入しましょう。画像には、テキストではわかりにくい内容を理解しやすくするほか、ユーザーが疲れることなく最後までコンテンツを読み進める役目もあります。
また、いくら「コンテンツの質がもっとも重要」とはいえ、クローラーが理解しやすい構造にしたり、内部リンクを最適化したりといったテクニカルSEOを無視していいわけではありません。わかりやすい階層にする、適切なタグを用いるなどの対応は、コンテンツSEOの成功にも必要です。
STEP5. 効果測定し改善を繰り返す
コンテンツを制作したら、公開して反応を見ます。コンテンツの検索順位や実際どれくらいクリックされたのかなどは、Googleが無料で提供しているGoogle Search ConsoleやGoogle Analyticsなどの分析ツールを利用するとよいでしょう。
コンテンツの結果が出るまでの期間は、キーワードのボリュームなどにもよりますが、3ヶ月程度かかるのが一般的です。そのぐらい時間がたっても順位が低迷する場合には、コンテンツの内容の見直しが必要です。想定していた流入キーワードと実際の流入キーワードに差異がないかを確認し、ユーザーニーズとのズレを把握し内容を再検討することをおすすめします。
このようにコンテンツSEOは、コンテンツを制作してそれで終わりではありません。Googleに評価される、つまりユーザーにとって価値があるコンテンツになるよう改善を繰り返すことこそが、コンテンツSEOの本質なのです。
コンテンツSEOを成功させるなら外注も検討しよう
コンテンツSEOは、機能すれば低コストで継続的な集客が見込める施策です。しかし見てきたように、成功させるには現状分析やキーワードの選定など、一定の知識のもと適切な手順を踏んだうえで、改善を繰り返す必要があります。
また同時にテクニカルSEOも欠かせません。知識がないままコンテンツを量産しても、結果的に成果を得られなければ、制作にかけた時間と費用がムダになってしまいます。
そのような事態を避け、コンテンツSEOの成功を目指すなら、外注を検討するのもおすすめです。たとえば「シーラベル」なら、貴社の現状分析から戦略立案、コンテンツ制作、効果測定まで一貫して支援が可能です。コンテンツSEOによる集客を外部に任せれば、自社では製品・サービスの改善や顧客対応に注力できるので、ぜひご検討ください。
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