メルマガの運用には一定のリソースやノウハウを要するため、メルマガ代行に外注するケースが少なくありません。メルマガ代行を検討する際、気になるのは料金ではないでしょうか。本記事では、メルマガ代行の料金相場のほか、依頼できる業務内容やメルマガを外注するメリット・デメリット、代行会社を選ぶポイントについて解説します。
メルマガ代行に依頼できる業務内容
メールマガジン(メルマガ)は顧客との関係性構築に有効な施策ですが、自社での運用が難しい場合はメルマガ代行を利用する方法があります。
メルマガ施策にまつわる業務は「制作」と「配信」の2つに大別され、メルマガ代行は下記の3パターンに分けることができます。
- 制作のみ代行
- 配信のみ代行
- 制作から配信までまとめて代行
具体的な支援内容を見ていきましょう。
メルマガの制作代行
メルマガの制作代行では、配信するコンテンツの作成に関わる業務を代行します。主な業務内容は下記4つです。
①コンテンツの企画
メルマガを運用する目的やターゲット、テーマなどの方針をまとめる企画工程です。メルマガの目的は「自社サービスへの理解促進」「自社に対するロイヤルティ向上」など多岐にわたり、それによってコンテンツの訴求内容も変わってきます。メルマガを運用したいものの、「どんな情報を発信すればいいかわからない」「ターゲットが決まっていない」など方向性が定まっていない場合は、企画業務から代行してもらうことが可能です。
②テンプレートの作成
メルマガの形式は、「テキスト形式」と「HTML形式」の2種類があります。一般的なメルマガ代行はどちらの形式にも対応可能ですが、それぞれの料金や訴求力の違いを踏まえて依頼する必要があります。
2つの形式の違いを以下にまとめました。
テキスト形式 | HTML形式 | |
特徴 | 文字列のみで作成する | 文字の装飾や画像・動画の挿入など自由にカスタマイズができる |
訴求力 | 低い | 高い |
料金 | 比較的安い | 比較的高い |
開封率の計測 | できない | できる |
適した用途 | コストをかけずにメルマガを量産したい場合 | 訴求力の高いメルマガを配信したい/効果を測定してPDCAをまわしたい場合 |
③原稿作成
設定したテーマに沿って顧客へのヒアリングや情報収集を行い、メルマガの本文やタイトルを作成します。メルマガ代行会社にはプロのライターが在籍しており、施策の方向性やターゲットを考慮して構成・執筆を行います。
④画像制作
HTML形式で作成する場合、内容に合った画像を制作・挿入することで訴求力を高めることができます。画像制作はスキルや時間を要するため、自社での対応が難しいケースが少なくありません。メルマガ代行に依頼すれば、Webデザイナーが適切な画像の制作や編集まで対応してくれます。
メルマガの配信代行
メルマガの配信を請け負うサービスでは、主に「配信設定」「テスト配信・本番配信」「分析・レポーティング」の3つを代行します。
具体的に見ていきましょう。
①配信設定
メルマガを配信する際は、あらかじめ配信先のメールアドレスを収集・整理してリストを作成する必要があります。基本的に配信リストは顧客側が用意しますが、リストのメンテナンスやメール配信システムへの登録作業などはメルマガ代行に依頼することが可能です。
また、メルマガの配信方法は、すべてのリストに同じコンテンツを配信する「一斉配信」と、属性別にコンテンツを分けて配信する「セグメント配信」の2パターンがあります。顧客の関心事や検討度合いによってアプローチ方法を変えたい場合は、リストを分類した上で配信します。メルマガ代行によっては、セグメント配信まで支援してくれるところもあります。
②テスト配信・本配信
メルマガの配信準備が終わったら、テスト配信を行います。誤字・脱字はないか、画像やレイアウトが崩れていないか、送信者の情報や配信解除の案内が明記されているか、などをチェックして問題がなければ本配信を行います。
メルマガを配信するタイミングは、ターゲットの行動特性に合わせて決めるのがセオリーです。メルマガ代行に依頼すれば、配信先の属性をもとに開封されやすい曜日・時間帯に配信してもらえます。
③分析・レポーティング
メルマガ代行によっては、配信したメルマガの効果測定やレポーティングまで対応しているところもあります。
効果測定の主な指標を以下に挙げます。
- 開封率
- クリック率
- コンバージョン率
- エラー率
- 購読解除率
- 直帰率
送りっぱなしではなく効果測定まで行うことで、「コンテンツがターゲットのニーズに合っているか」「コンバージョンに至らない原因やボトルネックがどこにあるのか」などが明確になり、施策の改善につなげることができます。
以下の記事も参考にしてください。
メルマガの分析方法|効果測定の基本指標7つと代表的な分析ツール
メルマガの企画・作り方|成果を生み出す企画・読まれる書き方のポイント
メルマガ代行の料金相場
メルマガ代行の料金相場は、委託先が「企業(代行会社)」か「個人」かによって変わってきます。それぞれの料金相場を紹介するので、検討時の目安として参考にしてください。
代行会社に依頼する場合
メルマガ代行を請け負っている企業に依頼する場合、料金相場は以下の通りです。
制作代行 | 月額6,000円~10万円程度 |
配信代行 | 月額5万円~ |
制作から配信まで代行 | 月額20万円~ |
企業に依頼する場合、企画段階から入ってもらうのか、テキスト形式かHTML形式か、1ヵ月あたり何本制作・配信するのかによっても料金は大きく変動するため、幅のある費用感となっています。
一般的には個人より高めに設定されていることが多いですが、ライティングからデザイン、コーディング、配信まで幅広く対応できる支援体制とノウハウがあるため、一定以上のクオリティが期待できます。
料金の詳細を公表していない会社が多いので、まずは問い合わせをして見積もりを依頼しましょう。
個人に依頼する場合
クラウドソーシングサービスなどで個人にメルマガ代行を依頼する場合、料金相場は以下の通りです。
簡易的なメルマガの制作 (低価格のBtoC商材など) |
1記事あたり500円~2,000円程度 |
難易度が高いメルマガの制作 (高価格のBtoB商材など) |
1記事あたり5,000円~3万円程度 |
低価格のBtoC商材を紹介するメルマガや、定型的な短文メールで事足りるような難易度が低い案件の場合、1記事あたり1,000円前後で依頼できます。一方、高価格のBtoB商材を扱うメルマガや、専門知識を必要とする内容の場合、1記事あたり1万円前後が目安となります。
メルマガで発信する情報量が毎回異なる場合は、時給や文字単価で報酬を設定することも可能です。時給の場合は1時間あたり1,000~2,000円程度、文字単価の場合は1文字あたり1円~5円程度が目安となります。基本的に料金は難易度に応じて変動しますが、企業に比べて費用を抑えることができます。
ただし、不特定多数の人が登録しているクラウドソーシングサービスにおいて、自社が求める人材を見つけることは容易ではありません。依頼後に連絡がとれなくなる、納期が守られないといったトラブルが起こることもあるため、実績や過去の評価などを確認して慎重に見極める必要があります。
メルマガ代行を利用するメリット・デメリット
メルマガ代行を検討する際は、メリットとデメリットを確認しておくことも重要です。具体的に見ていきましょう。
メリット①自社にリソースやノウハウがなくても運用できる
メルマガを適切に運用するには、ライティングやコーディング、メルマガ配信ツールに関する知識やノウハウをもつ人材が必要です。メルマガ代行では、コンテンツの制作・配信に関して専門的なノウハウをもつプロが業務を代行するため、自社にリソースやノウハウがなくてもメルマガを効果的に運用することができます。
メリット②コア業務に集中できる
メルマガの制作・配信業務は工数が多く、継続的に運用するには多くのマンパワーを要します。メルマガの配信頻度が多い場合は担当者のリソースを圧迫し、他の業務との兼任が難しくなる場合があります。その点、メルマガ代行を利用すれば自社で対応する業務を減らすことができ、担当者の負担を軽減できます。空いた時間を活用してコア業務に注力することで、生産性向上にもつながります。
メリット③開封率やクリック率を改善できる
どんなに有益なメルマガを配信しても、メールを開封してもらえなければ顧客に届きません。
メルマガの開封率を高めるには、顧客の興味を惹くタイトル(件名)をつけることや、顧客が開封しやすい曜日や時間帯に配信すること、顧客の属性や状況に合ったコンテンツを配信することが重要です。
メルマガ代行には、開封率向上に役立つノウハウが蓄積されているため、顧客の興味・関心や検討度合いに合わせてコンテンツを制作し、「読んでみよう」と思わせる訴求力の高いタイトルをつけることができます。また、メール本文の構成やリンクの形式などを工夫してクリック率を高めることも可能です。
メリット④顧客を育成できる
メルマガは見込み顧客の育成(リードナーチャリング)に有効な施策です。顧客に役立つ情報を継続的に配信することで、自社に対する信頼を醸成し、少しずつ購買意欲を高めることができます。しかし、潜在層など検討度合いが低い顧客に対し、やみくもに配信し続けるだけでは逆効果になることがあります。
メルマガ代行を利用すれば、顧客の状況に合わせて適切なテーマ・内容・情報量のメルマガを配信してもらえます。読者の反応を分析し、必要に応じて配信リストやテーマを見直すなど柔軟な対応も可能なので、顧客の関心を高めながら自社とのつながりを強化することができます。
デメリット①社内にノウハウを蓄積できない
自社にリソースやノウハウが不足している企業にとって、メルマガ代行を利用するメリットは多いです。一方で、メルマガ業務を丸投げすると、社内にノウハウを蓄積できないというデメリットもあります。途中でメルマガ代行から内製に切り替える選択をした場合、ノウハウがない状態で運用することになるため、メルマガの質の低下による顧客離れも懸念されます。
将来的に自社で制作から配信まで行いたい場合は、その意向をメルマガ代行に伝えておきましょう。代行会社によっては、内製化に向けたアドバイスやノウハウ共有をしてくれるところもあります。
デメリット②コストがかかる
メルマガ代行を利用すると継続的にコストがかかります。委託先や依頼内容、難易度などで料金は異なりますが、制作から配信まで一気通貫で任せる場合は月額20万円くらい見込んでおく必要があります。
ただし、そのコストが高いか低いかは、自社にとってのメルマガ施策の重要度や費用対効果によって変わってくるため一概には言えません。メルマガ代行を利用しなかった場合の機会損失や、自社の人的コストのほうが大きい可能性もあります。コストがかかることだけに焦点をあてるのではなく、メルマガ代行によって得られるメリットを考慮して総合的に判断することをおすすめします。
メルマガ代行を選ぶときのポイント
メルマガ業務の委託先(企業)を選ぶ際に、チェックしておきたいポイントは次の3つです。
1.提供内容が自社のニーズに合っているか
メルマガ代行の提供内容は各社で異なるため、自社のニーズに合っているところを選ぶ必要があります。例えば、メルマガの方向性やターゲットの設定から支援してほしい場合は、企画やコンサルティングを強みとする代行会社が適しています。メルマガの原稿制作に特化した代行会社もあるので注意が必要です。メルマガ代行を選定する際は、代行してほしい業務内容を整理しておきましょう。
2.セキュリティ対策は万全か
メルマガ配信業務を委託する場合、代行会社に顧客情報(会社名・担当者名・メールアドレスなど)を提供する必要があります。情報管理やセキュリティ対策が甘い場合、顧客情報の流出やサイバー攻撃を受けるリスクが高まってしまうため、代行会社に対策状況を確認しておくことが重要です。
主なチェックポイントは以下の通りです。
- Pマーク(プライバシーマーク)を取得している
- 通信の暗号化に対応している
- 情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の認証を取得している
- アクセス権を制限している
3.マーケティングのノウハウがあるか
メルマガはマーケティング施策の一種です。その目的は、一方的に情報を発信することではなく、顧客の興味・関心を喚起して次の行動につなげることです。
具体的には以下のような目的があります。
- 商品・サービスの理解促進
- 自社に対する信頼の醸成・ファン化
- 新規購入
- 潜在顧客の掘り起こし
- 既存顧客のリピート購入
- アップセル・クロスセル
目的に応じて戦略的に施策を運用するには、Webマーケティングに関するノウハウも必要です。メルマガだけではなくマーケティング全般のノウハウがある代行会社を選定すれば、目的達成に向けて包括的に施策を提案してもらえます。
メルマガの運用に困ったときは「シーラベル」へ
メルマガを適切に運用すれば、顧客との関係性を構築して新規顧客獲得やリピート購入につなげることができます。しかし、自社に一定のリソースやノウハウがなければ内製化は難しく、継続的かつ効果的な運用は困難です。
BtoBのメルマガ制作・配信について、以下のような課題がある場合はシーラベルへご相談ください。
- どんな情報を発信すればいいかわからない
- 定期的にメルマガを制作・配信するリソースがない
- ライティングのスキルが不足している
- HTMLメールに対応するノウハウがない
- 自社でメルマガを配信しているが反応がほとんどない
シーラベルでは、BtoBマーケティングに精通したコンサルタントを軸に、経験豊富なディレクターとライター、デザイナーがチーム体制でメルマガの制作・配信を代行いたします。
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