リードジェネレーションとは、リード(見込客)を獲得するための一連の活動のことです。売上を拡大するには新規顧客を獲得し続けることが必要であり、リードジェネレーションはBtoB企業に必須の取り組みです。本記事ではリードジェネレーションとは何か、施策の具体例、成功のポイントまで解説します。
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リードジェネレーションとは
リードジェネレーションとは、将来的に自社の顧客になり得るリード(見込客)を獲得するための活動のことです。以下のような活動はリードジェネレーションです。
- WebサイトやWeb広告からの問い合わせ・資料請求による顧客情報の獲得
- 展示会・セミナーによる顧客情報の獲得
- テレマーケティングによる顧客情報の獲得
売上は新規顧客と既存顧客で構成されますが、リードジェネレーションは新規顧客を増やすためのファーストステップという位置づけになります。
リードナーチャリング・リードクオリフィケーションとの違い
リードナーチャリングとは、獲得したリードを育成する活動のことです。リードとの接触機会を持ちながら、自社商品・サービスに対する興味関心度合いや購買意欲を高めていきます。具体的には、以下のような方法があります。
- メルマガ配信
- セミナー・ウェビナーへの招待
- リターゲティング広告
- 無料トライアルの提供
リードクオリフィケーションとは、獲得・育成したリードの中から受注確度の高いリードを選別することです。選別する基準は企業によって異なりますが、主にリードの行動履歴や属性をスコアリングして見分ける方法がとられています。たとえば、メルマガ開封は1点、ウェビナー参加は5点、決裁権のある役職者の場合は5点のように設定し、スコアが高いほど優先的にアプローチすべき顧客という判断をします。
ここまでの説明からわかる通り、リードの獲得(リードジェネレーション)→育成(リードナーチャリング)→選別(リードクオリフィケーション)は一連の取り組みであり、これら3つのプロセスを「デマンドジェネレーション(需要創出)」と呼びます。
一般的にはマーケティング部門がデマンドジェネレーションを担い、受注確度の高いリードを営業案件として営業部門に引き渡すという流れになっています。
リードジェネレーションの種類
リードジェネレーションは、見込客の集め方によってアウトバウンド型・インバウンド型の2つに大別されます。
アウトバウンド型
アウトバウンド型とは、企業からのアプローチによってリードを獲得することです。たとえば、広告物やDM、テレマーケティングなどがあります。自社の商品・サービスの認知度が低い場合に有効な手法で、タイミングがあえば購入・契約につながりやすい点がメリットです。一方で、不特定多数へのアプローチとなるため、コストが割高になりがちというデメリットがあります。
インバウンド型
インバウンド型とは、見込客側からの接触を誘引することをいいます。アウトバウンド型が売り込み(push)であるのに対し、インバウンド型は見つけてもらう(pull)施策といえます。具体的にはメルマガやオウンドメディアなどのコンテンツマーケティングを行い、見込客が求める情報を発信することでアクションを起こしてもらえるよう促します。
インバウンド型のメリットは、狙い通りのターゲットを集めやすいということです。また、大きなコストをかけなくても実施できるという利点もあります。デメリットは、リード獲得までに時間がかかることが挙げられます。
アウトバウンド型・インバウンド型のそれぞれにメリット・デメリットがあるため、双方の特徴を把握した上で施策を組み合わせ、効果アップにつなげていくことが重要になります。
リードジェネレーションの具体例
リードジェネレーションの具体例をオンライン・オフラインに分けて見ていきましょう。
オンライン
コンテンツマーケティング
コンテンツマーケティングとは、読み手にとって有益な情報を発信することで見込客を獲得したり、既存顧客との接点を強化したりする手法のことです。リードジェネレーションにおけるコンテンツマーケティングの代表的な手法には、オウンドメディアやSNSなどがあります。最終的には問い合わせや資料請求などにつなげることでリードを獲得します。
コンテンツマーケティングのメリットは、自社の商品・サービスを認知していなかった潜在層にもアプローチできる点です。また、顧客にとって価値のある情報を提供することで信頼性やイメージが向上し、自社のファンづくりができるという利点もあります。
アンノウンマーケティング
アンノウンマーケティングとは、自社のWebサイトにアクセスしているものの、個人情報を得られていない未知のユーザー(アンノウン)にアプローチするマーケティング手法のことです。
リードジェネレーションではメールアドレスや企業名といった個人情報の獲得を目指しますが、一方で興味関心があってアクセスしたものの個人情報を入力する段階に至らない潜在顧客のほうが圧倒的に多く、これまではこうした層にアプローチすることができないという課題がありました。
アンノウンマーケティングはこの課題を解消するための手法で、行動履歴などの分析結果をもとに有効なアプローチを検討します。具体的には、Webサイト上にポップアップを表示したり、チャットボットで対応したりするほか、リターゲティング広告で再訪を促すという方法があります。
リードジェネレーションサイト
リードジェネレーションサイトとは、商品・サービスの資料ダウンロードや会員登録につなげることができる外部のサービス比較サイトのことです。ユーザーは複数社の比較をしたり口コミを確認したりして、問い合わせや資料請求などのアクションを起こします。
利用する際は掲載料などの費用が発生しますが、多くのユーザーの目に触れる機会を持てるというメリットがあります。IT系や製造分野、経営者向けなど各サイトによって特徴が異なるため、自社が狙うターゲットが集まるサービスを選ぶことがポイントです。
Web広告
Web広告を活用して自社のWebサイトやランディングページへの流入を図り、リードを獲得する手法です。リスティング広告やディスプレイ広告、SNS広告、動画広告など多様な種類があります。
Web広告のメリットは、短期間で集客でき、ターゲットを絞り込むことも可能である点です。ターゲットとする層が多く利用している媒体を選ぶことが効果を高めるポイントとなります。
ウェビナー
ビデオ会議システムを活用してオンラインでセミナーを開催し、顧客情報を獲得する方法です。リアルタイムで開催する場合は、チャットなどで質疑応答などのコミュニケーションをとることができます。当日の様子を録画しておけば、動画コンテンツとして二次利用することも可能です。
ウェビナーは、場所に関わらず参加者を集められる点が大きなメリットです。自社商品・サービスの魅力を伝えるほか、ターゲット層が求める知識・ノウハウを提供するなどして参加者の満足度を高めることがポイントです。
オフライン
展示会・イベント
展示会への出展やイベントを通じてリードを獲得する方法です。来場者の名刺やアンケートなどで顧客情報を取得します。一度に多くのリードを獲得できる点がメリットですが、比較的高額なコストが発生してしまうというデメリットがあります。
セミナー
自社商品・サービスや業界などに関するセミナーを開催し、名刺やアンケートなどからリード情報を集める方法です。わざわざ足を運んでくれるという点で、受注確度の高いリードを集めやすい手法といえるでしょう。ただし、多くの参加者を集めるには交通アクセスのよい会場を選んだり、興味関心度の高いテーマや登壇者を選定したりするなどの工夫が必要です。
DM
企業リストを販売するサービスや自社が保有する休眠顧客のリストなどを利用して、郵送またはFAXでDMを送ります。開封率を高めるためのコピーライティングやデザインを工夫するほか、無料トライアルやセミナーへの招待など、次のアクションにつなげるための仕掛けをすることでリードを獲得できます。
テレマーケティング
外部から入手したリストなどを活用し、荷電によってリードを獲得する方法です。また、DMと同様に自社が保有するリストを用いて休眠顧客に架電したり、既存顧客に他の商品・サービスを案内したりする方法があります。比較的コストをかけずに始められますが、一度断られると再アプローチが難しいというデメリットがあります。
リードジェネレーションを成功に導く5つのポイント
リードジェネレーションの成果を高めるための5つのポイントを見ていきます。
リードの質を担保する
リードジェネレーションでは見込客の獲得数最大化を目指しますが、最終的に自社の顧客となり得るリードを集められなければ意味がありません。そのため、やみくもに数だけを追いかけていてはリードジェネレーションに成功しているとは言い難いことに注意する必要があります。
たとえば、たくさんのリードを獲得できたとしても、自社商品・サービスを購入する予算がない企業が多くを占めていては取り組みが無駄になってしまいます。リードの質を担保するには、まず獲得すべきリードの要件をあらかじめ整理し、自社が求めるリードを集めるための施策を検討することが必要です。
マーケティング部門と営業部門の連携を強化する
一般的に、リードジェネレーションはマーケティング部門が担い、受注確度の高いホットリードとなったら営業部門に引き継ぐ形が多いでしょう。この引継ぎ段階で多く挙がる問題が「マーケティング部はホットリードといっているが、営業部からすると受注確度が高いとは思えない」という意見の食い違いです。こうした状態になると、双方のモチベーションが下がる上に業績にもつながりません。
この問題が起きないようにするには、はじめに営業部門と連携しながら受注につながりやすいリードの傾向を共有しておくことが必要です。両部門の目線が揃うことで、リードジェネレーションの精度を高めることが可能になります。
KPIを設定して取り組む
リードジェネレーションの施策の有効性を高めるためには、KPIを設定して効果検証と改善を繰り返すPDCAが重要です。リードジェネレーションのKPIは施策によって異なります。以下に一例を挙げるので参考にしてください。
施策 | KPI例 |
Webサイト | ・CVR(コンバージョン率) ・PV(ページビュー数) ・UU(ユニークユーザー数) ・セッション数 ・直帰率 ・回遊率 ・問い合わせフォームへの遷移率 |
Web広告 | ・CVR(コンバージョン率) ・インプレッション(表示回数) ・インプレッション単価 ・CT(クリック数) ・CTR(クリック率) ・CPC(クリック単価) |
ウェビナー・セミナー | ・申込数 ・参加者数 ・満足度 ・案件化数 ・案件化率 |
DM | ・CVR(コンバージョン率) ・レスポンス率 |
テレマーケティング | ・CVR(コンバージョン率) ・コール数 ・アポイント数 ・アポイント率 ・案件化数 ・案件化率 |
費用対効果とスピードの両方を意識する
リードジェネレーションは、オンライン・オフラインを含めた複数の施策を組み合わせながら継続していくのが一般的ですが、限られた予算・期間の中でいかに成果を高められるかが求められます。それぞれの施策の費用対効果を把握することで効率的にリードを獲得できている施策が明らかになり、優先的に取り組むべきことを判断できるようになります。
また、それぞれの施策は効果が出るまでのスピードが異なる点も考慮する必要があります。コスト面・スピード面を鑑みつつ、短期・中長期の両方の視点を持ちながら検討することをおすすめします。
ツールを活用して効率化を図る
リードジェネレーションを効率的に行っていくためにはツールの活用が欠かせません。多く用いられているのはMA(Marketing Automation)で、リードの管理や分析・スコアリング、シナリオ作成、ランディングページやフォームの作成機能などが備わっています。
また、顧客情報を管理するCRM(Customer Relationship Management)やネット上の様々なデータを一元管理できるDMP(Data Management Platform)などのツールも役立ちます。
営業活動までの一連のプロセスを視野に入れて取り組もう
リードジェネレーションはどのような業種においても売上を伸ばす上で必須の取り組みであり、継続して行っていく必要があります。まずはターゲットとなる見込客の要件を明確にした上で、多様な手法を用いながら戦略的に取り組んでいくことが重要です。リードナーチャリング・リードクオリフィケーション、また営業活動までの一連のプロセスを視野に入れた設計をすることで、成果の最大化が期待できます。
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