BtoBセミナーの準備|企画・開催の流れを4つのフェーズに分けて解説

BtoBセミナーを成功させるには、準備を入念に行うことが重要です。しかし、「どんな内容にすればいいだろう」「やり方がわからない」という方も多いようです。本記事では、BtoBセミナーの企画からアフターフォローまでの流れについて、4つのフェーズに分けて解説します。

セミナーを企画・開催する流れ

セミナーの開催は、BtoBマーケティングに欠かせない施策のひとつです。近年はオンラインセミナー(ウェビナー)の活用が進んでいますが、アフターコロナにおいてオフラインのセミナーを強化する企業も増えています。

しかし、セミナーを成功させることは容易ではありません。セミナーのゴールは「参加者の行動変容を促すこと」であるため、やみくもに開催するだけでは「そもそも参加者が集まらない」「参加者に満足してもらえなかった」といった残念な結果を招きかねません。

セミナーを成功させられるかどうかは、事前の準備や開催後のフォローアップを怠らないことがポイントとなります。セミナー開催においてやるべきことは多岐にわたりますが、大まかには下記のような流れに沿って進めていきます。

  1. 企画立案
  2. 当日までの準備
  3. 当日の運営
  4. フォローアップ

各フェーズにおいて具体的に何を行うのか、次章以降で詳しく解説します。

【1】企画立案

セミナーの開催にあたり、最初に行うのが企画立案です。企画とは「何のために・誰を対象に・どのようなセミナーを開催するのか」を明確にするプロセスのことで、これにより施策全体の方向性が決まります。準備や集客に要する期間をふまえると、企画内容は3ヶ月前までに固めておくことが望ましいです。

企画段階で決めておきたい項目について、具体的に見ていきましょう。

セミナー開催の目的

セミナーの企画で最も重要な項目は、目的を明確にすることです。BtoB企業がセミナーを開催する主な目的は以下の通りです。

<セミナーの主な目的>

  • 新規リード(見込み顧客)の獲得
  • リードナーチャリング(見込み顧客の育成)
  • 商品・サービスの認知度向上
  • 既存顧客との接点強化・満足度向上
  • 既存顧客のアップセル・クロスセル

目的が曖昧だとターゲットやテーマもブレてしまうため、自社の課題や顧客の状況に応じて検討・整理しましょう。目的に対する達成度を測るために、「申込人数」「有効リード数」「商談獲得数」などのKPIを設定することも重要です。

ターゲット

セミナーの目的が決まったら、ターゲットを設定します。ターゲットはできる限り具体的に設定することがポイントです。目的がリードナーチャリングの場合、過去にお問い合わせや資料請求をしたすべての見込み顧客をターゲットにする方法もありますが、同じ見込み顧客でも検討状況や情報ニーズは異なります。

そのため、ターゲット設定時は以下のような項目を検討し、セミナーに来てほしい企業や担当者のペルソナ(典型的な顧客像)を整理することをおすすめします。

<ターゲット設定時の検討項目例>

  • 業界・業種
  • 企業規模
  • 部署
  • 役職
  • 検討状況
  • 抱えている課題
  • 興味関心

セミナーのテーマ・構成

次に、セミナーのテーマや大まかな構成を検討します。あらかじめターゲットのペルソナが整理されていれば、課題や関心事項などに沿ってテーマを絞り込むことができます。例えば、検討段階がまだ浅い人には「業界のトレンド情報」や「課題に対する解決の方向性」を紹介するセミナーが適しています。反対に、検討がある程度進んでいる人には「具体的な解決策として自社サービスを紹介する」「サービスの活用事例を紹介する」など一歩踏み込んだコンテンツが有効です。

テーマと合わせてセミナー全体の構成も考えておきましょう。一般的なBtoBセミナーの所要時間は60~90分程度で、以下のような流れで実施します。

<60分のセミナーの構成例>

  1. 挨拶・概要説明(5分)
  2. イントロダクション・登壇者の紹介(10分)
  3. メインテーマ(30分)
  4. 質疑応答(10分)
  5. クロージング(5分)

セミナーの開催形式

目的やターゲット、テーマなどの大枠が固まったら、開催形式を決めます。主な検討項目は以下の通りです。

<開催形式の検討項目>

  • オフラインセミナーかオンラインセミナー(ウェビナー)か
  • オープンセミナーかクローズドセミナーか
  • 自社セミナーか「共催セミナーか
  • 講演会形式、ワークショップ形式、パネルディスカッション形式など

例えば、自社の認知度向上やブランディングを目的としている場合は「講演会形式のオープンウェビナー」や「パネルディスカッション形式の共催セミナー」、検討度合いの高い見込み顧客にアプローチする場合は「商品説明やデモを行うクローズドセミナー」などが適しています。

開催日程・スケジュール

セミナーの開催日程は、ターゲットが参加しやすい曜日や時間帯を考慮して決めましょう。法人を対象とするセミナーは、土日・祝日ではなく平日に開催することが一般的です。オフラインセミナーの場合、時間帯はセミナー終了後に帰社できる午前中か、就業後(18時~20時くらい)が参加しやすいでしょう。

開催日程が決まったら、段取りやタスクを整理してスケジュールに落とし込みます。どのタスクを誰が担当するのか、といった役割分担も明確にしておきましょう。

集客方法

セミナーの集客にはオンライン・オフラインのさまざまなチャネルを活用できます。

<セミナーの集客方法>

  • コーポレートサイトやサービスサイトに掲載(お知らせページなど)
  • プレスリリースに掲載
  • SNSの企業アカウントや社員の個人アカウントで告知
  • ターゲットへのメール配信
  • Web広告(リスティング広告やFacebook広告)
  • 営業やインサイドセールスによる案内

100名以上の規模で幅広い層に参加を促したい場合は、Web広告やSNS、メールなど多様なチャネルを駆使して周知します。既存顧客などにターゲットを絞ったクローズドセミナーの場合は、メールや営業による案内が有効です。

【2】セミナー当日までの準備

企画が終わったら、セミナーの内容やスケジュールに沿って準備を進めていきます。セミナー運営はタスクが多いので、抜け漏れがないよう進捗管理を行うことも大切です。

ここでは、主な準備項目を6つ紹介します。

登壇者の選定・打ち合わせ

自社セミナーでは社員が講師を務めるケースが多いですが、テーマや開催形式によっては外部の専門家などに依頼することもあります。外部の登壇者は、テーマに精通していることに加えて業界における実績や知名度、発信力がある人を選定することをおすすめします。知人の伝手などの人脈がない場合は、候補人材のSNSやYouTube、インタビュー記事などをチェックしたうえで選定・打診しましょう。

確実にスケジュールを押さえてもらえるよう、企画が固まった段階で速やかに選定を進めることが大切です。登壇者が確定したら話してもらう内容や段取りについて打ち合わせを行い、プレゼン資料などの準備を進めてもらいます。

会場の選定

BtoBセミナーの開催場所として、以下のような選択肢があります。

  • 自社の会議室
  • 共催企業の会議室
  • 外部の貸し会議室やレンタルスペース
  • ホテルの会議室やイベントホール

一般的には自社の会議室で実施しますが、参加人数によっては外部の貸し会議室などを利用します。外部の会場を選定する際は、キャパシティや料金、設備、利用可能な時間を確認しましょう。また、開催場所は集客を左右するため、アクセスしやすいエリア・立地の会場を選定することも重要なポイントです。

セミナー開催の告知・集客の実施

セミナーの告知・集客を始める時期の目安は、開催日の1ヶ月~1ヶ月半くらい前です。告知が早すぎると予定を立てづらいうえ、忘れられてしまう可能性もあります。反対に、直前での告知は予定調整が難しくなるため、遅くとも3週間前には1回目の告知を行いましょう。

セミナーのテーマに関心が高い人は、告知直後から申込む傾向があります。一方、他の予定との兼ね合いを見て参加可否を判断する人も多いため、メールやSNSで告知する場合は、開催日まで数回に分けて配信し、継続的に興味喚起を行う必要があります。

運営マニュアルの作成

セミナーの運営を円滑に進めるために、当日のタイムテーブル(進行表)やスタッフの役割分担などをまとめたマニュアルを作成・共有しておきましょう。

<運営マニュアルの項目例>

  • タイムテーブル
  • 司会用の台本
  • タスク別の役割分担
  • 会場の見取り図や連絡先
  • 登壇者のプロフィールや連絡先
  • 備品や機材のチェックリスト
  • 注意事項、緊急時の対応方法

配布物の準備

参加者に配布する資料やテキストなどを準備します。他にも以下のような配布物が挙げられます。

<配布物の例>

  • 当日使用する資料、テキスト
  • 自社商品のチラシ、パンフレット
  • アンケート
  • ノベルティ
  • 飲み物

セミナーの満足度や参加者の属性・課題などを把握するために、必ずアンケートを配布しましょう。Webアンケートを活用するのも一案です。

申込者へのリマインド

セミナーに申込みをしてもうっかり忘れてしまう人もいるため、セミナー開催日が近づいたらリマインドメールを配信しましょう。前日と当日の朝に送付することで、申込者のモチベーションを高めつつ確実な参加を促すことができます。早期に申込んだ人に対しては、1週間前にリマインドするのが効果的です。

特に無料セミナーでは、申込みをした人の関心が時間の経過と共に薄れる傾向があるため、参加率を高めるうえでリマインドメールは不可欠です。

【3】セミナー当日の運営

セミナー当日も、会場の設営や受付準備など、やるべきことは多くあります。具体的に見ていきましょう。

会場の設営・受付準備

セミナー開始の1時間前までには会場に入り、会場の設営を行います。参加人数に合わせてテーブルや椅子を配置し、参加者がセミナーに集中しやすい環境を整えましょう。参加人数が多い場合は、あらかじめ資料やアンケートを座席に配布しておくと受付がスムーズにまわります。リラックスした雰囲気を作るためにBGMを流すのもおすすめです。

受付には出欠確認用の名簿や配布物、参加者からいただいた名刺を保管するトレイなどを準備します。会場の規模が大きい場合は、受付のほかに座席への誘導係も配置しましょう。

打ち合わせ・リハーサル

タイムテーブル通りに進行できるよう、本番前に打ち合わせやリハーサルを行うことも重要です。以下のような項目について、関係者全員で最終チェックを行いましょう。

<会場で確認しておきたい項目>

  • セミナー全体の流れに調整すべき箇所はないか
  • 登壇者の立ち位置は適切か
  • プロジェクターやマイクに不具合はないか
  • スライドが見づらい席はないか

セミナーの進行

開始時間になったら タイムテーブルに沿ってセミナーを進めます。予定通りに進まない場合もあるため、時間が押しそうな場合は項目を調整するなど柔軟に対応しましょう。ただし、質疑応答の時間は確保してください。

また、ホームページやSNSへの掲載用に、セミナーの様子を撮影しておくことも忘れずに。参加者の顔が映らないよう、会場の後方から撮影しましょう。質問をしそびれた人のために、セミナー終了後に個別の質問タイムを設けるのもおすすめです。

【4】アフターフォロー

セミナーが終わったらすべて終了ではなく、アフターフォローまで抜かりなく行うことが重要です。アフターフォローの主なタスクを4つ紹介します。

お礼メールの配信

セミナー終了直後は、提案内容や自社サービスに対する参加者の関心が高まっているタイミングです。「もっと詳しい話を聞いてみたい」「今日の話を自社のケースに落とし込むと、どうなるだろう」など、さらなる情報を求めている可能性があるため、機を逃さずにアプローチする必要があります。

まずは、当日中または翌日にお礼メールを配信しましょう。アンケートの回答内容から、特に関心が高まっている人には電話で個別にフォローするのも有効です。

欠席者へのメール配信

セミナーに参加しなかった人へのフォローも行います。やむを得ず参加できなかった人も一定数いるはずですから、「次の機会にぜひお越しください」など前向きなメッセージを送りましょう。今後の開催予定が決まっている場合は、その内容を添えることで参加意欲を高めることが可能です。

アンケート集計・効果測定

参加者に回答してもらったアンケートを集計し、効果測定を行いましょう。獲得した商談数や成約数などを合わせて分析することで、施策の成否や次回に向けた改善策を検討・判断しやすくなります。

ホームページやSNSへの掲載

セミナーの様子や内容について、後日ホームページやSNSに掲載しましょう。参加者の声などを添えて写真と共に報告することで、セミナーの臨場感や有用性をわかりやすく伝えることができます。セミナー参加のハードルを下げる効果もあるため、省略せずに対応することをおすすめします。

BtoBセミナーの企画や集客でお困りなら「シーラベル」へ

BtoBセミナーの準備は多岐にわたり、開催後も適切なアフターフォローが必要です。セミナーを適切に企画・運営するにはマンパワーやノウハウが必要となるため、内製が難しい場合はアウトソーシングするのも一案です。

セミナーの企画や集客でお困りのことがあれば、シーラベルにご相談ください。BtoBマーケティングの実行支援型コンサルティングを行うシーラベルでは、お客様のビジネス状況に合ったセミナーの企画や集客をご支援することが可能です。定期的に自社セミナーも主催しているため、実践的なノウハウを保有しております。

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BtoB マーケティングコンサルティング