インサイドセールス立ち上げの5ステップ|失敗を避けるポイントをわかりやすく解説

新たにインサイドセールスを立ち上げるときは「営業プロセスの全体設計」「KPI設定」「シナリオ設計」「体制構築・人材教育」「ツール選定と仕組み化」というステップを踏む必要があります。本記事では、インサイドセールスを立ち上げるときの5ステップと、失敗を防ぐためのポイントを解説します。

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インサイドセールスの組織形態とは

インサイドセールスを立ち上げる目的として多く挙がるのが営業活動の効率化です。もともとは米国で生まれた手法ですが、ITツールの進化やコロナ禍におけるリモートワークの加速をフックに、多くの企業がインサイドセールスの導入を検討するようになりました。

一方でインサイドセールスの役割を見ると、テレアポと混同されていたり、フィールドセールスとの線引きが曖昧になっていたりするケースもあり、組織運営がうまくいかない要因となっていることが少なくありません。

インサイドセールスの立ち上げを進める前に、まずは日本でインサイドセールスが注目を浴びるきっかけとなった「THE MODEL(ザ・モデル)」の考え方と、反響型「SDR」と新規開拓型「BDR」の組織体制の違いについて理解を深めておきましょう。

営業の分業体制「THE MODEL(ザ・モデル)」とは

「THE MODEL(ザ・モデル)」とは、セールスフォース・ドットコムが提唱している営業プロセスモデルのことです。従来の営業組織の課題として挙がることの多い非効率性や属人化、PDCAの形骸化を解消するとともに、目まぐるしく変化する現代の購買プロセスにスピーディに対応できる分業化の組織体制として注目されています。

同社ではTHE MODELを「お客様の成功と共に、売上を拡大する仕組み」と置き、顧客満足度を高めながら成果につなげています。THE MODELの大きな特徴は、以下の通りです。

  • 営業プロセスを分業化
  • 各プロセスにおける情報を数値化・可視化
  • 各プロセスの担当部署がスムーズに連携できる仕組み化

THE MODEL の4つの営業プロセス

THE MODELでは営業プロセスを次の4つの段階に区切り、各部門がスムーズに連携できる仕組みを作ります。担当部門とそれぞれの役割、目標設定を以下表に整理しました。

  プロセス1 プロセス2 プロセス3 プロセス4
部門 マーケティング インサイドセールス フィールドセールス カスタマーサクセス
役割 見込客の獲得 商談化 受注 活用の支援
目標 来訪者数×獲得率

=見込客数

見込客数×案件化率

=案件数

案件数×受注率

=受注数

受注数×更新率

=契約継続数

上表からわかる通り、各プロセスの目標は次のプロセスに引き継がれていきます。

たとえば、プロセス1の目標である見込客数が達成できなければ、プロセス2の案件数を達成することが難しくなります。また、案件数を達成できなければ、プロセス3の受注数をクリアすることは困難です。

したがって、それぞれの部門が着実に目標をクリアすることがTHE MODELの成功ポイントとなっています。

反響型「SDR」と新規開拓型「BDR」の組織体制の違いとは

インサイドセールスの組織体制は、反響型といわれる「SDR」と新規開拓型「BDR」の2つに大別されます。それぞれの特徴を見ていきましょう。

反響型のインサイドセールス組織「SDR」とは

SDR(sales development representative)とは、問い合わせや資料請求などを受けた見込客に対してアプローチし、フィールドセールスにつないでいくインサイドセールスの組織体制です。マーケティング部門がウェビナーやコンテンツ配信などを実施して見込客を獲得し、インサイドセールスが商談化するという流れが一般的です。能動的なアクセスをした見込客に対してアプローチしていくことから反響型と呼ばれています。

現在はこの組織体制のインサイドセールスを取り入れる企業が多くなっていますが、テレアポとは異なり、有効商談につなげることが目的である点に注意が必要です。そのため、単にアポイントを獲得するのではなく、見込客の課題・ニーズや予算、購入時期などをヒアリングした上で、購入意欲の高い見込客を獲得できるようにすることが理想です。

新規開拓型のインサイドセールス組織「BDR」とは

BDR(Business Development Representative)とは、自社がターゲットとする見込客を発見して能動的にアプローチしていくインサイドセールス組織の作り方です。新しい顧客を見つけることが目的のため、新規開拓型と呼ばれます。

BDRでは、電話やメール、SNSなど様々な手段で見込客との接点をつくり、商談化に向けてアプローチしていきます。そのため、適切なターゲット設定と商談化のためのシナリオ設計が成功の鍵を握ります。自社の強みを活かせる見込客を選定できれば、大きな成約につながる可能性を秘めているというメリットがあります。

インサイドセールスを立ち上げるときの5ステップ

インサイドセールスを立ち上げるときの基本となる手順を5ステップに分けて解説します。

ステップ1:営業プロセスの全体設計

はじめに、インサイドセールスを含めた営業プロセスの全体像を設計します。基本的にはTHE MODELのように分業体制をとるケースが多いと考えられますが、インサイドセールスが担う役割・業務範囲は、事業内容や営業戦略、商材によっても適切な形が変わってきます。自社にとって最適な営業プロセスと、それを実現するための組織体制を検討するのがファーストステップです。

関係者間で目線がズレるなどの混乱を避ける上でも、次の事項を明確にしておきます。

  • インサイドセールスを立ち上げる目的・解決したい課題
  • 営業プロセスと各部門が担う役割・業務範囲
  • 対象とする商材・サービス
  • 全体スケジュール

ステップ2:KPIの設定

インサイドセールスのKPIは、自社の目標や状況に照らし合わせながら設定します。大きく分けると、成果に対するKPIと活動量におけるKPIがあります。

主なKPIの例を以下に挙げます。

<成果のKPI>

  • 商談数・商談率
  • 有効商談数・有効商談率
  • 送付メールに対する開封率や返信率
  • 受注数・受注率(フィールドセールスに質の高い見込客をつないでいるか)
  • 受注額(フィールドセールスに質の高い見込客をつないでいるか)

<活動量のKPI>

  • 荷電数
  • 荷電時間
  • メール送付件数
  • 問い合わせ対応件数
  • 資料送付件数

クロージングまで担当しないインサイドセールスの場合は成果が曖昧になりがちなため、うまく機能させるためには適切なKPIの設定が極めて重要です。インサイドセールスによって得られている成果を明瞭にするためにも、売上への貢献度がわかるKPIを検討します。

注意したいのは、商談化の件数のみを追いかけていると受注確度の低い見込客まで無理にアポイントを取ってしまい、フィールドセールスの非効率を生んでしまうというケースです。見込客の質を維持できるかという観点からも検討するとよいでしょう。

ステップ3:シナリオ設計

インサイドセールスが果たす役割を踏まえて、どのような道筋で目標達成に向けて活動していくのか、シナリオを設計します。具体的には次の事項を決めます。

インサイドセールスがアプローチする対象を決定

次の例のように、インサイドセールスがアプローチする対象を定めます。

例)ウェビナー参加者、資料請求した見込客、マーケティング部が獲得した見込客リスト など 

見込客の状態をスコア化するなどして優先順位についても明確にしておくと、より効率的に成果につなげやすくなります。

トークスクリプトを用意

属人化を防ぎ均質的な営業活動ができるよう、トークスクリプトを用意します。インサイドセールスはテレアポとは異なり商談化が目的となるため、見込客の課題・ニーズや商談化の可能性をヒアリングできるように設計することが重要です。

インサイドセールスの役割やターゲットとする見込客によって内容は変わりますが、基本的な構成要素の例を以下に紹介するので参考にしてください。

例)トークスクリプトの構成

  内容例
1.目的を説明 ・冒頭に会社名・氏名を伝えて挨拶
・「○○についての提案・案内のため」など目的を伝える
2.会話の許諾を得る ・先方の都合を確認する
・ヒアリングの許諾を得る
3.ヒアリング ・課題・ニーズの有無や内容を確認
・現状の対策や検討内容、導入時期を確認
・予算や決裁者を確認
・自社商材についての認知や興味関心度合いを確認
4.クロージング ・アポイントや商談の打診
・スケジュールを調整

ステップ4:体制構築・人材教育

続いて、インサイドセールスの体制構築と人材教育を行います。それぞれのポイントを見ていきます。

 体制構築のポイント

体制構築では、まずインサイドセールス部門の責任者を決めます。とくに立ち上げ段階では、各部門との調整やKPI設定など重要な業務にあたってもらうことになるため、調整能力や目標設定力、マインド面において適した人材を配置することが重要です。フィールドセールスとスムーズに連携できる体制を作りたい場合は、フィールドセールスで活躍している人材の中から抜擢するというやり方もあるでしょう。

インサイドセールスのメンバーに求められるのは、非対面でのコミュニケーション力やヒアリング力、目標達成意識の強さなどです。人材確保については、社内異動や新規採用のほか、アウトソーシングを利用するという方法があります。

フィールドセールス部門の人材を異動させる場合は、商材インプットなどの教育期間を短縮できるというメリットがありますが、経験者を確保するのが難しい場合が少なくありません。未経験者であっても、教育体制をしっかり整備すれば活躍してくれることも多いため、立ち上げまでのスケジュールも加味した上で検討しましょう。

人材教育・マネジメントのポイント 

人材を配置したら教育を行います。業界・商材に対する知識や見込客とのコミュニケーションといった基本スキルを身につけてもらうほか、以下の点を意識してマネジメントします。

<情報共有を徹底>

分業体制において重要となるのが迅速な情報共有です。どのタイミングで誰に何を共有するのか、ルールを定めて運用します。

<KPI・目標管理の徹底>

数字に対する意識を高めることも、インサイドセールスのチームを活性化させるポイントです。個々のメンバーが意欲的に活動できるようマネジメントします。

<フィードバックの徹底>

プロセスと結果を振り返りフィードバックすることで、ノウハウが身につき営業活動の質を向上できます。現在はビデオ会議でのやり取りが録画できるなど便利なツールが多数提供されているので、良い点・不足している点をこまめにフィードバックしたり、ベストプラクティスを共有したりして、スピーディにチームを進化させることが大切です。

ステップ5:ツール選定・仕組み化

円滑な運用を実現するためのツールを選定して仕組み化します。インサイドセールスを立ち上げるときは、日々の活動内容・進捗状況・見込客の管理などの情報を他部門とスムーズに連携するための仕組みが不可欠です。

多く用いられているツールには、以下のものがあります。自社に適したものを選定しましょう。 

<MA(マーケティングオートメーション)>

MAの基本機能は、見込客の基本情報の管理、セグメントメール配信、キャンペーン・イベント管理、見込客のスコアリングなどです。マーケティング部門からインサイドセールスに見込客情報を連携する場合に便利なツールです。

<SFA(営業支援システム)>

SFAの基本機能は、顧客管理・商談管理・活動内容の管理・予実管理などがあります。インサイドセールスとフィールドセールスで顧客情報や進捗状況、商談内容を共有したい場合に役立ちます。

<CRM(顧客関係管理)>

CRMの基本機能は、顧客の基本情報や購買履歴、問い合わせ履歴などの管理、メール配信、顧客分析などです。顧客との関係性を良好に保つことで契約継続につなげたいという場面で本領を発揮するツールです。フィールドセールスとカスタマーサクセス部門の連携に役立ちます。

インサイドセールス内製化でよくある失敗例と防ぐポイント

インサイドセールスの内製化で多く見られる失敗例と、回避するためのポイントを見ていきましょう。

【失敗例1】部門間の連携がうまくいかない 

これまでフィールドセールスが担当してきた業務を分業化した場合に多く見られる失敗例が、部門間の連携がうまくいかず混乱を招いてしまうというケースです。要因として多いのは、各部門の役割分担が曖昧になっている、情報共有のルールが不明瞭なため正確に伝わらない、情報共有のためのツールが使いにくいなどが挙げられます。

こうした失敗は、プロセスや役割の設計、ツール選定を入念に行うことで回避できます。分業プロセスを設計する際に、各部門の担当者をアサインして多角的な視点から運用ルールを決めるのも良い方法です。

【失敗例2】有効商談につながらない

インサイドセールスを立ち上げたものの、有効商談数が増えないという失敗例も多く見られます。要因として、インサイドセールスとテレアポを混同してしまっていることが挙げられます。

アポイントを獲得することに終始してしまい見込客の質という観点が抜け落ちると、有効商談数が増えないだけでなく、フィールドセールスのリソースを浪費してしまうことになります。この状態に陥ると、分業化への不信感からモチベーションが下がるなどの悪循環を招くこともあるため注意しなければなりません。

これを回避するためには、見込客の質をキープするためのKPIを検討するほか、トークスクリプトのヒアリング項目を見直す、フィールドセールスにつなぐべき見込客の基準を決めるという方法があります。また、マーケティング部門と連携して、商談化の可能性が高い見込客(ホットリード)を数多く獲得・育成することもポイントの一つです。

立ち上げた後も改善を繰り返して進化させていく

営業活動を効率化するインサイドセールスを取り入れる企業は、今後さらに増えていくことが想定されます。しかし、導入したもののうまくいかないという企業と、着実に成果を出している企業に分かれているのが現状です。失敗を防ぐためには、立ち上げる前の入念な準備はもとより、立ち上げた後も改善を繰り返しながら進化させていくことが重要です。

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