営業力強化とは?コンサル会社が教える組織改革の流れと成功事例

営業力の強化に取り組む企業が直面する困難は少なくありません。弊社がお客様からの相談に乗ると、よく耳にするのが「戦略的な営業体制の構築方法がわからない」「特定の営業担当者のみが売上の大部分を占め、営業力に偏りが生じている」といった悩みです。しかし、基本的な原則を理解し実践すれば、これらの課題は克服可能です。
今回は、セールスマーケティング支援サービスを提供するシーラベルが、効果的な営業力強化の方法をご紹介します。営業力を強化したいがリソースに制限があるというお悩みを抱えている方は、ぜひ弊社までお気軽にご相談ください。

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[はじめに]営業力強化とは

営業力を強化するためには、まず「営業力」とは何かを正確に理解することが重要です。営業力とは、顧客に商品やサービスを購入してもらい、持続的な売上を生み出す能力のことを指します。
顧客に商品を購入してもらうには、顧客理解、提案力、関係構築力など多様な能力が必要です。これらを大きく分けると、「業務遂行力」「コミュニケーションスキル」「知識」「人間力」の4つのカテゴリーに分類されます。これらの能力を総合的に向上させることが、営業力強化と言えます。

業務遂行力 業務遂行の際に発揮される能力

  • 案件別に営業計画を立てる
  • 営業先の優先順位を立てる
  • 複数の案件を効率的に進めていく etc.
コミュニケーションスキル 顧客満足を高めるための営業スキル

  • 要望を聞き出すヒアリング力
  • お客様から同意を得るための交渉術
  • お客様と良好な関係を構築する関係構築力 etc.
知識 営業活動を行うために必要な知識

  • 顧客の業界に関する知識
  • 自社商品や競合商品に関する知識
  • 業務上で必要な知識 etc.
人間力 営業活動を行うための土台

  • お客様と良好な関係を築ける
  • 自分の役割を自覚して責任を持って行動できる
  • 営業目標を達成するために積極的に行動できる etc.

営業力強化に失敗する原因

営業力強化が上手くいかないと悩む企業は多いですが、主な原因は3つあります。

営業プロセスが属人化している

営業プロセスが属人化している状況は、多くの問題を引き起こす可能性があります。属人化とは、特定の担当者のみが業務の詳細や進行方法を把握し、他の人がその業務を代わりに行うことができない状態を指します。このような状況では、営業活動に関するプロセスやノウハウがチーム全体で共有されていないため、営業効率が低下し、一部の担当者に業務が集中してしまいます。特定の担当者に売上が依存している場合、その人が退職すると営業活動全体に影響が出るリスクがあり、特に注意が必要です。

属人化の営業プロセスでは、顧客対応の際に代替の担当者が適切に対応できないことが問題となります。担当者が直ちに対応できない場合、顧客の不満が高まり、結果的に失注に繋がることがあります。さらに、業務が標準化されていないことにより、担当者によって営業成績に大きなばらつきが生じるのも、大きな問題点です。

部門間連携が難しい

部門間連携がスムーズでなければ、複数の案件を効率的に進めることは難しくなります。部門間の連携が実現すれば組織全体の生産性を向上させることができますが、これは容易ではありません。なぜなら、異なる部門にはそれぞれの状況や考え方があるためです。さらに、他部門の人とのコミュニケーション機会が少なく、話し掛けること自体が困難であることも、主要な原因の一つです。

部門間連携を促進する際には、部署間の感情的な溝を生じさせないよう注意が必要です。そのためには、経営者や部門統括者が、従業員に部門間連携のメリットを明確に説明し、積極的な協力を促す必要があります。部門間連携が不十分なために、営業目標の達成に至らないケースも多く見受けられます。

顧客ニーズの把握が難しい

顧客のニーズを正確に把握できない場合、営業計画に沿って物事を進めるのが難しくなります。顧客ニーズとは、顧客が抱える具体的な欲求を指します。顧客が商品を購入する際に満たしたいと考えている欲求が、まさにそのニーズです。例えば、CRMシステムに興味を持つ企業であれば、彼らのニーズは「顧客管理の強化」「他のCRMシステムへの切り替え」「他のツールとの統合を通じた業務効率化」など様々です。このように、顧客ごとにニーズは異なります。

顧客ニーズの把握は簡単な作業ではなく、営業資料を用意しても顧客の興味や関心を引くことができないこともあります。このような不発に陥ると、営業計画が狂い、結果的に営業目標の達成が困難になることがあります。

営業力強化のための施策

営業力強化の施策を実施することで、失敗を防ぐことが可能です。そのため、効果的な営業力強化のための施策を知っておくことが重要です。

ITツールで営業プロセスを可視化する

CRM/SFAを導入することで営業活動や顧客情報を共有し、営業プロセスを可視化することが可能です。さらに、AI搭載型IP電話を活用することで、顧客との会話内容をデータとして保存し、トップセールスマンがどのような営業トークを行っているかを把握できるようになります。

営業プロセスは、アポイント獲得、初回訪問、ヒアリング、提案、クロージングという一連の流れを含みます。これらのプロセスを可視化することで、躓いている箇所を特定し、改善やトレーニングを効果的に行うことができます。
また、営業活動や顧客情報を共有することで部門間連携を強化できるのも大きなメリットです。

ベストプラクティスを共有する

営業プロセスを可視化することにより、ベストプラクティスを共有し、業務を標準化することが可能になります。担当者間でノウハウを共有する際は、必要な情報にすばやくアクセスできることが重要です。情報の取り出しに手間がかかると、ノウハウを参照する人が減少する可能性があります。

そのため、検索性に優れたナレッジマネジメントツールを使用してノウハウを共有することを推奨します。また、再現性が高く実践的なノウハウを中心に共有することで、各担当者が自発的に学び、スキルアップを図るようになります。

営業トレーニングを実施する

ベストプラクティスを共有することにより、担当者は自己学習を進めることができますが、それだけでは不十分です。自己学習に加えて、実践的な営業トレーニングも重要です。
各担当者が苦手としているシチュエーションを想定し、ロールプレイを通じて営業力を強化することが効果的です。これにより、実際の営業場面での対応力が向上します。社内に十分な営業トレーニングのリソースがない場合は、外部の専門機関に委託することも検討しましょう。

目標を設定する

部門間連携を強化するためには、共通の全体目標を設定することが欠かせません。全体目標を明確にすることで、各部門は他部門の動向に気を配り、連携と連帯感が自然と生まれます。特に営業活動における目標設定では、「The Model」を参考にすることが効果的です。
「The Model」とは、マーケティング、インサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセスなどの様々な部門が協力し合う連携の枠組みを指します。このモデルを活用し、全体目標の設定方法を学び、実践することで、部門間連携の強化を図ることが可能です。

部門 目標
マーケティング部門 Web来訪者数×顧客獲得率=見込み顧客数
インサイドセールス部門 見込み顧客数×商談化率=商談数
営業部門 商談数×受注率=受注数
カスタマーサクセス部門 受注数×継続率=継続数

MVVを策定する

MMVは、「Mission(使命・果たすべき役割)」「Vision(将来像)」「Values(価値観)」の頭文字を取ったビジネス用語で、企業の行動指針を意味します。MMVを明確に策定することで、企業の使命や将来の目標達成に向けての行動方針が理解しやすくなり、社員間の団結が促進されます。さらに、社員には行動の基準となる指標が提供され、彼らがより主体的に行動するための指針となります。

既存顧客データを分析する

SFA/CRMを活用して既存顧客のデータを分析することで、自社商品を購入している顧客の属性や、どのようなニーズが商品購入の動機となっているかを把握することができます。この分析には、顧客の売上貢献度をグループ化するデシル分析や、季節や他の要因による売上の変動を調べる行動トレンド分析などのフレームワークが有効です。これらの高度な分析手法を利用することで、より深い顧客理解と効果的なマーケティング戦略の構築につながります。

インテントデータを解析する

2022年頃から、日本国内でもインテントデータの活用が可能になりました。インテントデータは、ウェブ上での顧客の行動を通じて興味や関心を把握するためのデータです。このデータを活用することで、潜在顧客が検索しているキーワードや閲覧しているサイトなどを特定できます。
これにより、顧客が何に興味を持っているのかをより具体的に理解することが可能になります。インテントデータ解析に興味がある方は、セールスインテリジェンスツールの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

営業力強化に取り組む際の流れ

営業力強化のための施策をご紹介しましたが、取り組み方の流れを把握しておきましょう。

1.営業組織の課題を洗い出す

営業組織の課題を洗い出すプロセスでは、経営者視点と現場視点の両方を持つことが重要です。まずは、現場で働く営業担当者に話を聞き、彼らが直面している課題を把握しましょう。
さらに、営業力の低下は市場や競合といった外部環境によって影響を受けることもあります。このため、市場動向や競合他社の分析を行い、自社が劣っている領域を特定することも重要です。課題を明確にしたら、それを基に効果的な営業戦略を立案していきます。

2.営業プロセスを可視化する

次のステップとして、営業プロセスを把握するために情報を共有していきます。SFA(Sales Force Automation)ツールを利用して情報を蓄積し、営業プロセスを可視化します。これにより、営業組織や個々の営業担当者がどのような点で躓いているかを明確にします。
現状と理想の状態のギャップを理解した上で、達成すべき具体的な目標を設定しましょう。また、設定した目標を達成するために必要な施策を検討し、それらに取り組んでいきます。

3.営業ノウハウを仕組み化する

目標の設定と施策の検討を完了したら、次は営業ノウハウを体系化していきます。営業マニュアルや資料を作成し、全員がアクセス可能な状態に保ちます。これにより、営業担当者が必要な情報をいつでも参照できるようになります。さらに、優れた営業実践例(ベストプラクティス)を共有することで、自己学習を促進できます。
営業成績に課題を抱える担当者がいる場合は、具体的にどの部分で困難を感じているかを把握し、その上で効果的な営業トレーニングを実施しましょう。営業スキルを向上させるための環境を整えることで、全体の営業力を強化できます。

4.営業支援ツールを導入する

営業力強化の際には、データ分析が重要な役割を果たします。そのため、自社のニーズに合った営業支援ツールの導入を検討しましょう。これにより、営業活動に関するデータの収集と分析が容易になり、より効果的な営業戦略の立案が可能になります。

SFAツール 営業活動に関する情報を蓄積して分析する
CRMシステム 顧客に関する情報を蓄積して分析する
音声解析ツール 電話営業の音声データからトーク術を解析する
ナレッジマネジメントツール 営業ノウハウを瞬時に取り出せるようにする
セールスインテリジェンス 顧客ニーズを高度に分析する

営業力強化に取り組む企業事例

営業力強化に取り組んで成果を出している企業が、プラスエンジニアリング株式会社です。
プラスエンジニアリング株式会社は、精密・特注部品加工を通して「日本のものづくり」を支える企業です。同社は属人的な営業活動を続けてきたため、営業プロセスの可視化が難しく、優秀な営業担当者に大きく依存をしていました。このままでは、若手社員が育たないのではないかと危機感を抱くようになり、営業部門全体の力を底上げするための基盤作りに取り組みました。
BtoBセールス支援を提供するシーラベルと共に、営業プロセスの可視化から取り組み始めています。Salesforceを活用して営業フェーズを管理して、どこにウィークポイントがあるかを特定できるようになり、営業改善のスピードが格段に速くなりました。また、ナレッジの蓄積を進め、従業員が自己学習できる環境を整えることで、営業力の強化に成功しています。

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BtoBセールスの成長を伴走支援する「シーラベル」とは

営業力強化が失敗する原因と対策を正しく理解し、適切な手順で進めれば、営業力の標準化を実現できます。営業プロセスを可視化することで、ウィークポイントを特定し、具体的な改善策を講じることが可能になります。
しかし、営業力強化に取り組む過程で、「営業トークに関するノウハウがない」「社内の意見がまとまらない」といった悩みが生じることもあります。このような状況に直面した場合は、BtoBセールス支援を提供し、豊富な事例や経験を持つ「シーラベル」にご相談ください。お客様に寄り添い、取り組みやすい営業強化方法の提案をして伴走支援します。

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