【BtoB】動画制作の費用相場は?依頼前の準備や用途別・工程別の費用内訳を紹介

BtoBマーケティングや採用活動に動画を取り入れることを検討中で「費用の相場がわからない」「どんな費用がかかるのだろう?」と疑問に感じている方は多いのではないでしょうか。本記事では、動画制作を外部に依頼する際の基本的な流れや、費用の相場・内訳を紹介します。用途別・工程別にまとめているので、予算策定時の参考にしてください。

動画制作は外注が基本!依頼から制作までの流れ

近年はマーケティングにおける動画の需要が高まっています。BtoBでも動画マーケティングに取り組む企業が増えており、幅広い用途・媒体に活用されています。

用途の例 主な媒体
  • 広告/販促
  • 会社紹介/ブランディング
  • 採用
  • 展示会/セミナー
  • 営業ツール
  • 研修/マニュアル作成
  • インナーブランディング
  • コーポレートサイト/サービスサイト
  • Web広告
  • OOH広告(デジタルサイネージ、交通広告など)
  • SNS(YouTube、Instagramなど)

動画を活用するメリットには以下のものが挙げられます。

  • 短時間で伝達できる情報量が多い
  • 訴求力が高く、記憶に残りやすい
  • 他社との差別化を図りやすい
  • 営業効率を高められる

しかし、動画を制作するには専門知識・スキルに加えて多くのマンパワーを要するため、外部の制作会社やフリーランスに委託するのが一般的です。

動画制作の流れ

動画制作を外注する場合、一般的には依頼から制作・納品まで2〜3ヶ月程度かかります。

基本的な流れは以下の通りです。

1.打ち合わせ・ヒアリング

まず、動画制作会社が依頼内容についてヒアリングを行い、「何のために・どのような動画を・いつまでに制作するのか」といった企画の土台をすり合わせます。

詳細は後述しますが、事前に依頼内容をまとめておくとスムーズです。

2.企画立案

ヒアリング内容をもとに、動画制作会社が企画を立案します。提案内容は各社で異なりますが、主に以下の項目が含まれます。

  • 動画の方向性・コンセプト
  • 動画の長さ
  • 制作スケジュール・納期
  • 見積もり

自社の要望と異なる点や疑問点、不明点がある場合は、この段階で確認してクリアにしておきましょう。

3.シナリオ・絵コンテの作成

企画内容について合意したら、動画制作の設計図となるシナリオや絵コンテの作成に入ります。絵コンテとは、各シーンの構図や尺(長さ)、セリフ、ナレーションなどを細かく書き起こしたものです。

制作意図や訴求したい内容が正しく反映されているかを確認し、問題点や要望がある場合は修正を依頼します。承認後の大幅な変更依頼は制作スケジュールに大きな影響を与えるため、この段階でしっかりと精査しましょう。

4.撮影準備

シナリオや絵コンテが完成したら、撮影場所の下見・手配やキャスティング、機材の準備などを行います。準備期間は動画の内容や長さにもよりますが、目安は2週間~1ヵ月程度です。

5.撮影

スケジュールおよびシナリオに沿って撮影を行います。短尺で撮影する素材が多くなければ、撮影は1~2日間程度で終わることが多いです。撮影時は細かな確認や調整が必要な場面も出てくるため、依頼主として撮影現場に立ち合うことも大切です。

6.編集

撮影後は動画の編集作業を行います。撮影した動画素材の編集のほか、テロップやBGMの挿入、ナレーションの収録・挿入などの工程があり、一般的には2〜3週間程度かかります。

7.納品

制作された動画を確認し、必要に応じて修正作業を依頼します。完成した動画は、用途に応じたデータフォーマットで納品してもらうことが可能です。制作会社によっては、アップロード作業までサポートしてもらえるところもあります。

動画制作を依頼する際の事前準備

先述の通り、動画制作の指針となるのは依頼時のヒアリング内容です。企画にあたってさまざまな項目についてすり合わせる必要があるため、自社でも事前に準備しておくことが重要です。

ここでは、依頼前に準備しておきたいことを「必須項目」と「推奨項目」に分けて紹介します。

【必須】依頼前に決めておきたい項目

最低限必要な項目は「目的」「予算」「納期」の3つです。

目的

動画の用途は多岐にわたるため、まずは「動画によって何を実現・達成したいのか」といった目的やゴールを明確にする必要があります。

BtoBにおける動画制作の目的は大きく3つあります。

  • 認知拡大
  • ブランディング
  • 集客・販売促進

例えば、新サービスの認知拡大を狙う場合は、短尺で社名やサービス名を印象づける動画が効果的です。販売促進が目的であれば、サービスの特徴やメリットをわかりやすく伝えることに重きが置かれます。

目的があいまいだと動画の方向性や戦略の精度が落ちてしまうため、社内で検討・整理しておきましょう。

予算

動画制作会社は依頼主の予算を考慮して企画を立てます。基本的に、動画制作の費用は作業内容に応じた人件費や企画・撮影・編集に要する諸経費を積み上げて算出されるため、予算がわかれば「これくらいの動画が作れるだろう」と見込みを立てることができます。

用途や目的が同じ動画でも、数十万円で制作できる内容と数百万円で制作できる内容は大きく異なります。予算があいまいだと、企画の方向性がブレて制作費の高騰につながることがあるため注意が必要です。

動画制作の予算の見当がつかない場合は、後述する費用の相場を参考にしてください。

納期

動画の納期も決めておきましょう。納期に応じて制作スケジュールや動画の内容、クオリティが変わってくるからです。特に、展示会やイベントなど動画を使用したい日程が確定している場合は、より厳密な納期設定が重要になります。

動画制作では予期しないトラブルや修正が発生し、当初のスケジュール通りに進行しないケースもあるため、できる限り早めに依頼しましょう。

【推奨】制作会社の提案の質を高める項目

必須項目に加え、下記4つの項目を決めておくと制作会社の提案の質を高めることができます。

ターゲット像(ペルソナ)

「動画をどんな企業・人に届けたいのか」というターゲット像(ペルソナ)を明確にしておきましょう。動画の訴求内容や適した配信媒体は、ターゲット像によって変わってきます。

例えば、ターゲットが「課題やニーズをまだ自覚していない潜在層」の場合と「課題を自覚していて解決方法を探している顕在層」の場合では、動画の方向性は大きく異なります。訴求内容は企業の規模や業種、訴求対象の役職などにも左右されるため、制作会社の提案精度を高めたいならターゲット像をできる限り具体化しておくことをおすすめします。

イメージに近い参考動画

動画制作会社と企画の方向性をすり合わせる際、イメージに近い参考動画があるとスムーズです。制作したい動画のイメージを言葉だけで伝えるのは難しいですし、認識のズレも生まれやすいです。その点、「目的は企業ブランディングで、このような動画を作りたいです」と参考動画を提示すれば、方向性やテイストを共有しやすくなります。

配信する媒体・用途

動画を配信する媒体や用途も検討しておきましょう。前述の通り、動画はさまざまな媒体・用途で配信することが可能ですが、どの媒体が適しているかは動画制作の目的やターゲットなどで変わってきます。納品時の適切なデータ形式や解像度、撮影機材も媒体ごとに異なるため、「大きな会場で開催する新製品発表会で流したい」「サービスサイトとInstagramに投稿したい」など、主要な媒体・用途を伝えておくことが望ましいです。

動画の長さ

訴求できるメッセージの量は、動画の長さ(尺)によって変わります。例えば、60秒以下の動画で伝えられるメッセージは2~3つです。あれもこれもと、多くのメッセージを詰め込んでしまうと、訴求内容がぼやけてターゲットに刺さらなくなります。作業工数や制作費にも関わるため、動画の長さについても検討しておくとよいでしょう。

【用途・目的別】動画制作の費用相場

動画制作の費用は1本あたり数十万円~数百万円と大きな幅があり、費用相場は用途や目的によって異なります。

BtoBでよく用いられる動画の費用相場(制作会社に依頼した場合)をまとめたので、予算策定時の参考にしてください。

動画の用途・目的 費用相場 費用の変動要素
インタビュー動画 30~100万円 ・インタビューする人数
・撮影場所の数
研修・マニュアル動画 30~150万円 ・動画の構成や演出
・プロの役者の有無
セミナー・イベント動画 50~200万円 ・会場や参加者数の規模
・イベントの長さ
採用動画 50~200万円 ・動画の構成や演出
・撮影日数
・撮影場所の数
商品・サービス紹介動画 50~200万円 ・動画の構成や演出
・撮影日数
・撮影場所の数
・プロの役者の有無
会社紹介動画 100~200万円 ・動画の構成や演出
・撮影日数
・撮影場所の数
ブランディング動画 200~400万円 ・動画の構成や演出
・撮影日数
・撮影場所の数
・特殊な技術の有無
・タレントやモデルの有無

フリーランスに依頼した場合の費用相場

動画制作の費用相場は、制作会社とフリーランスで異なります。上記の費用相場は制作会社の例ですが、個人で仕事を請け負っているフリーランスのほうが安価に依頼することが可能です。例えば、商品紹介動画を10~30万円程度、配信用のセミナー動画を10万円前後で制作できる場合もあります。

ただし、フリーランスが一人で対応できる範囲は限られるため、「YouTube動画の編集のみ依頼する」「簡易的な動画の制作を依頼する」など工数が少ない案件の依頼が一般的です。多くの場合、企画や制作進行は自社で行う必要があるため、リソースやノウハウがない企業は注意が必要です。また、動画のクオリティやコミュニケーション面で信頼できるフリーランスを探すには、それなりの手間やコストがかかります。

予算や動画の目的・規模、自社で対応できる範囲などに応じて、制作会社とフリーランスを使い分けることをおすすめします。

動画制作の費用の内訳

動画制作の費用は、企画・撮影・編集の各工程にかかる費用を積み上げて算出します。

具体的にどのような費用がかかるのか、内訳を見ていきましょう。

企画費

動画制作の指針となる企画業務では、以下のような費用が発生します。

企画構成費 依頼主へのヒアリング内容をもとに企画を立案し、動画のシナリオや絵コンテを作成する費用
プロデュース費 企画から制作、予算管理までプロジェクト全体を統括するプロデューサーの人件費
進行管理費 動画制作全体の進行管理や連絡・調整業務を行うディレクターの人件費

企画費の目安は5~30万円程度で、動画の長さや撮影規模、携わるクリエイターの人数などで変動します。

<費用の例>

  • 短尺(1~3分程度)のシンプルな動画:5~10万円程度
  • 長尺(3分以上)で凝った演出・編集が必要な動画:15~30万円程度

撮影費

映像素材の撮影にかかる費用の主な内訳は以下の通りです。

撮影準備費 撮影場所やキャストの手配など撮影の準備にかかる諸費用
撮影費 カメラマンや照明、音声、アシスタントなど撮影に携わる技術スタッフの人件費
スタジオ費 撮影内容に合わせて手配するスタジオのレンタル費
キャスト費 役者やモデルなどプロのキャストの出演料
機材費 カメラや照明、音声機器など各種撮影機材のレンタル費
車両費 撮影場所に機材を搬入する社用車やレンタカーの費用
交通費・宿泊費 遠方で撮影する際の移動や宿泊にかかる費用
スタイリスト・メイク費 動画の内容や演出によって必要となるスタイリストやメイクアップアーティストの人件費
その他 撮影に使用する小道具の手配や、弁当の費用など

撮影費の目安は5~50万円と幅があり、撮影日数やロケ・下見の有無、撮影が必要な素材の数などで変動します。

<費用の例>

  • 近郊のスタジオやオフィスで半日~1日以内の撮影を行う場合:5~15万円程度
  • ロケを含む複数の場所で2日以上の撮影を行う場合:20~50万円以上

編集費

撮影した映像素材をつなぎ合わせ、テロップやナレーションなどを挿入する編集作業の費用内訳は以下の通りです。

編集費 動画の編集作業を行うスタッフの人件費
音響効果費 BGMや効果音(SE)などの音源を手配・購入する費用
MA費 映像の編集終了後、専用スタジオでナレーション収録や音楽挿入などを行う費用
ナレーション費 ナレーターの人件費(実績や知名度などで変動)
素材費 動画に挿入するイラストやCG素材の購入・制作にかかる費用

編集費も1万円以下~数百万円と幅があり、動画の長さや手配する素材の量、編集の難易度などで大きく変動します。

<費用の例>

  • 短尺のYouTube動画の編集:5,000円~2万円程度
  • 一般的なBtoB向け動画の編集:10~50万円程度
  • 3DCG動画の編集:60万円~300万円程度

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