顧客接点のデジタル化が進む中で、Webサイトはリード獲得やコンバージョンの向上においてますます重要になっています。本記事では「成果を生むWebサイトに改善したい」という方に向けて、進め方とチェックポイント、施策の例、役立つツールまで解説します。ぜひ参考にしてください。
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Webサイト改善の5ステップ
ユーザーのニーズ・行動が多様化している昨今、Webサイトを構築した後も継続的に改善していかなければ、なかなか成果に結びつかないというのが実際です。Webサイトの改善は、次の5つの手順に従って進めていきます。
- 目的の明確化
- 現状分析
- 課題抽出
- 改善計画を策定
- 施策実施・効果検証
一つずつ見ていきましょう。
1.目的の明確化
Webサイトの改善によって何を達成したいのか、目的が明確になっていないケースは意外に多く見られます。目的が不明瞭だと何をどのように変えるべきか判断に迷うだけでなく、「改善したものの思ったような成果を得られない」「コストばかりがかさむ」という結果になってしまうことがあります。
Webサイト改善の目的として挙げられるのは、主に次の3つです。
●アクセス数の向上 ●コンバージョンの向上 ●ユーザビリティの向上 |
関係者間の目線を合わせる上でも、まずは目的を明確にしてから進めるようにしましょう。
2.現状分析
Webサイトの現状を正しく把握するための分析を行います。チェックすべき指標や分析に役立つツールは次項で詳しく解説しますが、以下の点を明らかにすることで課題抽出・改善施策の策定にスムーズにつなげやすくなります。
●どのくらい閲覧されているか ●流入経路の傾向はどのようになっているか ●Webサイトを訪れているユーザーの特徴 ●Webサイト内におけるユーザー行動の特徴 |
経験や勘に頼らずに、現状を数値で把握することがポイントです。
3.課題抽出
課題抽出はWebサイト改善の肝となるステップです。「○○を改善したら○○の成果が上がる」という構造になることを念頭において整理するのがコツです。
しかし、成果を阻害している要因は複数あることが普通で、それぞれが絡み合っているケースも少なくありません。また、競合サイトとの比較によって自社の課題に気づくこともあります。そのため、課題を抽出するときはステップ2で明らかにした現状分析のデータを用いながら、課題の要因について仮説を立てることが必要です。
たとえば、「競合サイトと比較して購入画面のユーザビリティが低いために離脱している可能性がある」という仮説を立てた場合、「課題:購入画面にたどり着いたユーザーの50%が離脱」「要因:購入画面の入力項目が多すぎる」というように、課題・要因の因果関係を整理していきます。
課題を抽出する際の着目点を以下に挙げるので、参考にしてください。
●Webサイトの離脱ポイントはどこか ●ユーザーに期待するアクションを取れていない要因は何か ●CVに寄与しているページ、期待値を大きく下回っているページはどこか ●競合と比較して足りない要素は何か ●商材の魅力やブランドを適切に伝えられていない部分はないか |
4.改善計画を策定
ステップ3で抽出した課題に対してどのような施策をどの順番で行っていくのか、改善計画を立てます。優先度を決める際は「期待する効果」「改善スピード」「必要となるリソース・ノウハウ」「コスト」の観点を踏まえ、自社の状況に照らし合わせながら整理していきます。
●CVへの貢献が高い施策は何か ●売上へのインパクトが大きい施策は何か ●容易に改善できる施策は何か ●速く実行できる施策は何か ●コストをかけずに実行できる施策は何か |
5.施策実施・効果検証
施策を実施したら効果検証を行い、さらに改善を繰り返すPDCAを回します。効果検証は定量的に行うことがポイントです。後述する分析ツールを活用しながら、効率的かつスピーディなPDCAサイクルを実現することが大切です。
●改善前・改善後の数値の変化を一定期間ごとにモニタリングする ●課題抽出時の仮説と異なる結果が出た場合は、要因を見直して施策の軌道修正を検討する |
Webサイト分析でチェックすべき指標
Webサイトの改善点を洗い出すためには、多様な視点から分析する必要があります。以下にWebサイト分析で用いられている主要な指標を整理しました。
項目 | 内容 |
PV(ページビュー)数 | ページが閲覧されている数(表示回数) |
セッション数 | 一定の期間内にWebサイトを訪れたユーザーの訪問数 ※ユーザーが訪問してから離脱するまでが1セッション |
UU(ユニークユーザー)数 | 計測期間内にWebサイトを訪問したユーザー数 ※計測期間内に同じユーザーが何度訪問しても1UU |
CVR | 資料請求、問い合わせ、会員登録、購入などコンバージョンに至った率 |
直帰率 | Webサイトを訪れたユーザーが他のページを見ずに直帰した割合 |
滞在時間 | ユーザーがWebサイトに滞在していた時間 |
離脱率 | ユーザーがどのページで離脱したのか(見るのをやめたのか)の割合を示す数値 |
回遊率 | 1回の訪問(1セッション)でサイト内のページがどれくらい閲覧されているのかを示す指標 ※計算式は「回遊率=PV数/セッション数」 |
流入経路 | 検索エンジン、広告、SNS、他のメディアなど、どこを経由してWebサイトに流入しているのかを示す指標 |
流入キーワード | どのキーワードで検索流入しているのかを示す指標 |
ユーザー属性 | Webサイトを訪れているユーザーの年代・性別、アクセスポイント、アクセス時間帯・曜日、新規・リピートの割合など |
使用デバイス | Webサイトを訪問するユーザーが使用しているデバイス(PC、スマホ、タブレットの割合など) |
表示速度 | Webサイトが表示される速度(読み込み速度) |
Webサイト改善に役立つツール
Webサイトの改善を効率的かつ効果的に進めるには、ツールの活用が必須です。ここでは、Webサイト分析でよく使われている4種類のツールを紹介します。
アクセス解析ツール
アクセス解析ツールとは、Webサイトに訪問したユーザーのアクセスログを解析できるツールのことです。無料・有料ともに多数のツールが提供されており、それぞれに機能や操作性は異なりますが、主に以下の項目を分析することができます。
- 流入数
- 直帰率
- 滞在時間
- 流入経路
- CVR
- ユーザー属性 など
よく知られているのは、Googleが無料で提供しているGoogleアナリティクスです。多様化するユーザー行動に対応できるよう随時バージョンアップされていて、現在提供されているGA4(Googleアナリティクス4プロパティ)では、Webサイトとアプリを横断で計測できる機能などが付加されています。
SEOツール
SEOツールとは、検索エンジンからの流入強化を図るための分析機能を備えたツールのことです。無料・有料ともに多数提供されており機能は提供各社で幅がありますが、主要な機能は次の通りです。
- キーワードの分析(検索ボリューム、類似キーワードなど)
- 検索順位の分析(自社・競合サイト)
- 流入獲得キーワードの分析(自社・競合サイト)
- 被リンク状況の分析 など
Googleが無料で提供しているGoogle Search Console(サーチコンソール)はSEOの分析に多く用いられているツールの一つです。表示回数や検索順位、クリック率、検索キーワード、被リンク状況などを確認できます。
ABテストツール
ABテストツールとは、Aパターン・Bパターンのどちらが良い反応を得られるかを比較できるツールのことです。タイトルやコピー、ファーストビュー、CTA(Call To Action)ボタンなどのクリエイティブを効率的に最適化することが可能です。
エビデンスに基づいてWebサイトを改良できるため、集客力アップやクリック率・コンバージョン率の向上が期待できます。
ヒートマップツール
ヒートマップツールとは、Webページを見ているユーザーがどのような動きをしているのかを色で識別できるツールのことです。マウスの動きやスクロールなどの動きから、ページ内でユーザーが熟読しているエリア、読み飛ばしているエリア、離脱エリア、クリックやタップしているエリアなどを把握できる仕組みになっています。
ユーザーの目線・動きが色や図で可視化されるため、Webサイトの問題点を発見しやすいという利点があります。
【課題別】Webサイトの改善施策の例
課題別に見たWebサイトの改善施策例を見ていきましょう。
アクセス数が少ない
Webサイトへのアクセス数が少ない場合、以下のような要因が考えられます。
- ユーザーが求めるコンテンツが足りない
- コンテンツの内容がターゲットの興味関心を惹きつけていない
- 露出機会が少ない
これらを改善するには、次のような施策があります。
改善施策の例)
●ターゲットニーズに合わせたコンテンツを増強する |
直帰率が高い
直帰率が高い場合、次のような仮説を立てられます。
- トップページのメニューに欲しい情報がない、あるいは探しにくい
- ユーザーがWebサイトを訪れた目的とページの内容に乖離がある
- 情報が読みにくい・わかりにくい
- 表示速度が遅くストレスがある
Webサイトの課題を特定して、次のような施策を検討します。
改善施策の例)
●トップページのグローバルナビを見直す |
滞在時間が短い
滞在時間が短いという課題では、次のような仮説を立てられます。
- 読みたいコンテンツがない
- 求めているコンテンツを探しにくい
上記のような仮説がある場合、以下の施策を検討します。
改善施策の例)
●ユーザーのニーズに合わせてコンテンツのテーマ・構成・内容を見直す |
CVRが低い
直帰率や滞在時間には問題がなくCVRが低いという場合、次のような要因が考えられます。
- ユーザーがアクションを起こす動機付けが不十分
- CTAのハードルが高い(ユーザーの興味関心レベルが低い段階で問い合わせを促すなど)
- CTAボタンの設置場所やデザインがわかりにくい
- 入力フォームが面倒、使いづらい
改善施策の例)
●ユーザーの状態に合わせてCVポイント(資料請求・セミナー申込・無料デモ・問い合わせなど)を提示する |
自社での対応が難しい場合はプロのノウハウを活用しよう
効果を生み出すWebサイトに改善するためには、データに基づいたファクトの分析→課題抽出→施策実施→効果検証を繰り返すPDCAを回していくことが重要になります。昨今は便利なツールが多数提供されているので、ポイントを押さえれば効率的に改善していくことが可能です。
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