展示会でのリード獲得を成功させる方法は?事前・当日にすべきことを解説

展示会は、BtoB企業が一度に大量のリードを獲得できるチャンスの一つです。リードとは、マーケティング用語で「見込み客」を指します。できるだけ多くのリードを獲得し、積極的にアプローチすることが重要です。

この記事では、展示会でリードを獲得するメリット・デメリットや、できるだけ多くのリードを獲得する方法を、展示会前・展示会当日に分けて解説します。展示会でのリード獲得を成功させるコツや獲得したリードのフォローの仕方なども紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

展示会でリードを獲得するメリット・デメリット

まずは、展示会に出展し、リードを獲得するメリット・デメリットを確認しておきましょう。

メリット

展示会に出展してリードを獲得するもっとも大きなメリットは、展示会には多くの顧客が足を運ぶので、数日で大量のリードの獲得が期待できることです。しかも展示会に自ら足を運ぶ顧客は、顕在度が比較的高い優良な見込み客である可能性が高いと考えられます。これまで接点がなかった顕在層に認知を獲得できれば、比較・検討の棚に上げてもらえる可能性が高くなるでしょう。

展示会でリードを獲得するもう一つのメリットは、オンライン施策と異なり、対面で顧客に直接製品やサービスの魅力を伝えられることです。顧客の声を直接聞ければ、今後のマーケティング戦略にも役立てていけるでしょう。

またオンライン施策はどうしてもプル型の「待ち」の姿勢になりがちで、リード獲得後にアポを取りやっと商談に進めます。その点展示会ではプッシュ型の「攻め」のマーケティングを実施してリードを獲得することで、そのまま商談へと進めることもメリットです。

デメリット

展示会でリードを獲得するデメリットは、オンライン施策と比べてコストがかかることです。出展料はもちろん、ブースの設営や当日のスタッフの人件費なども見込んでおかなければなりません。

また展示会は、自社製品に興味関心がある人だけでなく、他社製品を目的とした人や、なんとなく立ち寄る人も多く訪れます。そのため必ずしも有望なリードを獲得できるとは限らず、商談につながりにくいこともデメリットです。

優良なリードをできるだけ多く集めるためには、獲得するリードの母数を増やさなければなりません。次章からは、かけたコストに見合うだけのリード数を獲得するためにできることを、「展示会前」と「展示会当日」に分けて紹介していきます。

多くのリード獲得するために展示会前にできること

展示会に出展し、できるだけ多くのリードを獲得するために、事前にできることを紹介します。

目標を設定しておく

展示会に出展するときには、具体的な目標を設定しておくことが大切です。リード獲得を目的とする展示会での目標は、名刺を交換した数になるのが一般的です。

何枚の名刺獲得を目標にするのかは、展示会の見込み来場者数や、過去に出展した展示会での「スタッフ1人当たりの名刺獲得枚数」「ブース1小間当たりの名刺獲得数」などを参考に決めるとよいでしょう。

自社サービスにマッチする展示会を選ぶ

出展する展示会が、自社サービスと相性が良いかも重要です。業種やテーマが、自社の事業に直結したものかを確認しましょう。ほかに参加する企業はどこなのか、競合は参加するのかなどから判断が可能です。

展示会の規模も、リードの獲得数に大きな影響を及ぼします。参加企業者数や、同じ展示会の過去の実績、SNSやニュースでの反響などをチェックしましょう。

人通りが多いブース位置を確保する

ブースの位置も、リードの獲得数に影響します。展示会の全体のレイアウトを確認し、主要な入口や出口、レストエリア付近など、人々が多く集まると考えられる場所のブースを選びましょう。多くの展示会ではブースの大きさで場所が決まっているため、少し大きなブース小間数を契約すると、よい場所を確保しやすくなります。

なおブースの位置は早い者勝ちとされるケースも多いので、競合に良い場所を取られる前に、早めに予約することも大切です。

顧客を引きつけるブースレイアウトを設計する

ブースのレイアウトは、顧客を引きつけるようなデザインにし、さらに自由に出入りしやすい開放的な設計にします。予算にもよりますが、大きなブースを確保できれば視認性が高くなり、より多くの顧客を引きつけられる可能性が高まります。

またブースには、自社の事業内容や提供しているサービスが端的に伝わるキャッチコピーを「大きな文字・少ない文字数」で提示することも重要です。顧客は視線を高くして入るブースを探すことを考慮し、高く目立つ場所にメッセージを掲げましょう。

トークスクリプトを用意する

大規模な展示会では、他部署から応援を呼ぶ場合もあります。そのようなケースでは、トークスクリプトを用意しておくと当日スムーズに接客できます。可能であれば、当日を想定してロールプレイングしておくとよいでしょう。

また当日、混雑しているときには接客したスタッフが顧客対応を続ける場合もあります。顧客から質問されたときにすぐに答えられるよう、FAQも用意しておき、当日の参加者に事前学習しておいてもらうと安心です。

展示会当日にできるリード獲得戦略

展示会当日に、効率的にリードを獲得するためにできることを紹介します。

名刺は早めに交換する

展示会でできるだけ多くのリードを獲得するには、名刺交換のタイミングが重要です。声を掛け、あるいは話しかけられて会話をスタートしても、タイミングがつかめず名刺を交換できなければ、リード獲得とはなりません。そのため会話をスタートしたら、できるだけ早くこちらから名刺を差し出し、相手の名刺をいただきましょう。

またそのタイミングで、通路からブース内に誘導すると、通行の邪魔にならずに会話を続けやすくなり、さらにブース内がにぎわって見えるのでおすすめです。

ノベルティを配布する

ノベルティの配布も、展示会でリードを獲得するには効果的です。

ノベルティの種類は、顧客が持ち帰ったあとに、自社のブランドやサービスを長く目にすることになるものを選ぶのがおすすめです。たとえばIT企業ならUSBメモリにロゴや社名を入れたものを用意すると、顧客は使用するたびに目にするため想起されやすくなります。メモ用紙や付箋のように、使ってなくなることもありません。

ただしノベルティの制作には一定のコストがかかります。予算があまりない場合は、ドリンクやお菓子など、気軽に手に取ってもらえるものを選んでもよいでしょう。

デモやアンケートをおこなう

多くの人がいるブースは、ほかの人の関心もひきやすくなります。そのため人が集まりやすい工夫をすることも大切です。

たとえばブースの入口付近で製品のデモをおこなう、アンケートを取るなどすると人が立ち止まるため、「あそこで何かやっている」と思ってもらいやすくなります。アンケートは、少しクオリティの高いノベルティをセットにすると回答率を高められ、今後のマーケティング戦略にも役立ちます。

ミニセミナーを実施する

展示会場でミニセミナーを開くのも、リード獲得には効果的です。たとえば業界のトレンドについてのセミナーは、自社の専門知識を示す絶好の機会となり得ます。また自社の新商品の特徴や有用性をわかりやすく紹介するセミナーも、展示会では人気です。

セミナーの時間は、ほかのブースも気になる顧客が集中できる、15分程度にとどめておくとよいでしょう。最後にセミナー講師と話せる時間を設けておくと、具体的な商談へとつながりやすくなります。

商談スペースを用意しておく

自社ブースには、営業担当が顧客と話せるスペースを設けておくと、顕在度が高い顧客と商談を進めやすくなります。商談スペースは、落ち着いて話ができるよう、通路から離れた奥まった場所で、座って落ち着いて話せるようになっていると理想的です。

商談スペースには自社製品を置き、実際に触ったり試したりできるよう準備しておきましょう。

展示会中も改善を続ける

展示会は数日にわたって開催されるケースが多いため、開催期間中の状況に応じ、改善を続けることが大切です。

たとえば実際に展示会が始まってから、設計したとおりに人が流れないようであれば、パンフレットの置き場所やデモ機の位置を変えてみるとよいでしょう。トークへの反応が悪ければ、競合他社がどのように接客しているのか観察し、参考にするのもおすすめです。

工夫により人が増えれば、今後展示会を開くときに必ず役に立つでしょう。

獲得したリードの展示会後のフォロー

展示会は、出展してリードを獲得して終わりではなく、そこからのフォローが重要です。具体的に、どのようなことをおこなうのか解説します。

お礼メールを送る

展示会が終了したら、名刺交換した顧客に速やかにお礼メールを送信します。

お礼メールは同じ展示会に出展した多くの企業から届くと予想されるため、他社に埋もれない工夫が必要です。たとえばブースに掲げていたキャッチコピーや、ブース・ノベルティの写真が表示されるようにしておくと、「あの企業か」と思いだしてもらいやすくなります。

メールはメール配信システムやMAツール(マーケティングオートメーションツール=マーケティング活動を自動化・効率化するツール)を使って送り、開封したか、リンクをクリックしたかなどがわかるようにしておくと、顧客の関心度合いを確認できるのでおすすめです。

興味・関心の度合いに応じて分類する

展示会では多くのリードを獲得するため、すべてに同じ熱量で対応するのは効率的ではありません。そのため顧客の興味・関心の度合いにより「今すぐ顧客」「検討中の顧客」「関心が低い客」に分類し、「今すぐ顧客」から優先的に、手厚くフォローする必要があります。

振り分けは、以下のようにおこなうとよいでしょう。

顧客の種類 判断基準
今すぐ顧客 打ち合わせやデモを希望している、追加資料を請求された
検討中の顧客 お礼メールを開封・クリックした
関心が低い顧客 お礼メールに反応しなかった

なお展示会中に可能な範囲で、もらった名刺やアンケート用紙にA、B、Cなど印をつけておくと、より精度を高められます。

分類した内容に応じてフォローする

顧客を分類したら、それぞれに応じたフォローを開始します。

顧客の種類 対応
今すぐ顧客
  • インサイドセールスに引き継ぐ
  • 打ち合わせやデモのアポを取る
検討中の顧客
  • 導入事例のホワイトペーパーを配信する
  • セミナーに招待する
関心が低い顧客
  • ステップメールを送る
  • 業界のお役立ちメルマガを配信する

獲得したリードが多く、人手が足りない場合は、今すぐ客から順番に対応していきましょう。

展示会で優良なリード獲得するコツ

展示会には多くの顧客が来場し、ブースにやってくる顧客の興味・関心の度合いはそれぞれ異なります。そのなかからできるだけ優良なリードを獲得するには、自社製品の強みを明確にしたうえで、短い時間で訴求することが大切です。そのうえで、ブースに掲げるキャッチコピーやトークスクリプトを考えなければなりません。

しかしこれまで展示会に出展したことがない場合には、どのように顧客に訴求し、優良なリード獲得につなげればよいのかわからない方もいるのではないでしょうか。

そのような場合は、展示会での集客成功をサポートしてくれるサービスを利用するのもおすすめです。たとえばシーラベルでは、BtoBマーケティングに精通したコンサルタントが、製品・サービスを分析し、訴求すべきポイントの洗い出しをお手伝いいたします。自社の経験も踏まえ、展示会での優良リード獲得をトータルでサポートしますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

まとめ

展示会は多くのリードを獲得できるチャンスです。そのためには、展示会の選定やブースの位置・レイアウトを熟考し、当日も状況に応じて柔軟に対応しなければなりません。また優良なリードを集めるためには、短い接客時間中に、端的に自社の強みを訴求する必要があります。

展示会が初めてで不安、自社の訴求ポイントを客観的に知りたいといったときには、展示会の成功をサポートするサービスを利用するのもおすすめです。シーラベルでも、自社の経験に基づいたサポートが可能ですので、まずはお問い合わせしてみてください。