サイト改善コンサルが行う施策とは?テクニックとコンサル依頼時の注意点を伝授

BtoBサイトで具体的な成果が上げられない、かつ改善点が分からない場合に選択肢となり得るのが「サイト改善コンサル」の導入です。本記事では、初めてサイト改善コンサルへの依頼を検討している方のために、BtoBサイトの改善コンサルの業務内容や依頼するメリット・デメリット、サイト改善コンサルの選び方のポイントを解説します。

BtoBサイトの改善コンサルとは

BtoBサイトの改善コンサルとは、企業・法人向けの商材を取り扱うBtoBビジネスにおいて、企業サイト(コーポレートサイト)やECサイトの改善の提案を行うコンサルティングです。

具体的には、以下のような提案を行います。

  • サイトへの集客法、マーケティング手法
  • サイトのコンテンツやコピーの見直し
  • サイトのCMSやデザインの見直し

BtoBビジネスは企業同士の取引であるため、BtoCと異なり企業利益を優先としたアプローチを行う必要があります。BtoBサイトの改善コンサルは、依頼主のBtoBの事業内容やターゲットとなる顧客などの特徴を理解した上で、最適な手法を提案するのが特徴です。

BtoBサイトでよく抱える課題

BtoBサイトで抱える課題は、大きく分けてデザインやユーザビリティーに関わる課題と、数字面での成果への課題の二つです。BtoBサイト改善コンサルへの依頼を検討するまえに、自社のサイトにどのような課題が発生しているのかを把握し、その原因を分析することが重要です。BtoBサイトで発生しやすい二つの課題について解説します。

デザインやユーザビリティーに関わる課題

BtoBサイトで抱える主な課題のひとつが、デザインに関する内容です。トライベック・ブランド戦略研究所が行った「BtoBサイト調査結果分析2015」結果によると、サイトユーザーが感じるBtoBサイトの問題点として、デザインに関わる課題が以下の内容で挙げられています。

  • 情報の分類が分かりにくい
  • 文字が小さい
  • 障害に関する情報や対応方法が分からない
  • 検索ツールの使い勝手がよくない
  • スマートフォンでの閲覧に対応していない

中でも「情報の分類が分かりわかりにくい」、「文字が小さい」の課題が挙げられるのは、デザイン力によって適切に分かりやすく伝えることができていないという問題があるからです。適切な情報伝達が行われない場合、ユーザーがページからすぐに離脱する可能性が高まりますし、情報の認識相違が発生することで、自社の商材に対する十分な理解が得られなくなり、結果として商談後の成約につながりにくくなる可能性があります。

もうひとつの主な課題は、BtoBサイトのユーサビリティの課題です。「検索ツールの使い勝手がよくない」、「スマートフォンでの閲覧に対応していない」などのユーサビリティが悪いと、こちらもユーザーの離脱を招きやすくなるでしょう。

BtoBサイトで集客やCV達成の成果を出すためには、自社の事業内容や商材の強みなどユーザーへ伝えたい情報が適切に伝えられるデザインを構成し、離脱者が多くないか検証しながらサイト改善を行うことが重要です。

数字で成果が出ない場合の課題

BtoBサイトが数字面で期待通りの成果を出せない場合、以下のような課題が考えられます。

  • PV数が減っている
  • 問い合わせがこない
  • コンテンツ作成で予算を圧迫している
  • SEO対策を行っていても検索流入が少ない、順位が低い
  • 正しい効果測定と分析ができていない

サイトの効果分析で目標とした数値と成果に解離がある場合、マーケティングやSEO対策の方法が間違っている、問い合わせフォームの場所が分かりにくい、コンテンツが十分に作成できていないといったことが原因として考えられます。また、設定した数値や効果測定、分析そのものが不適切であるためにサイトの成果につなげられない場合もあるでしょう。

各課題への対策

課題に対して適切な改善を施さなければ、成果は得られません。単にサイトの分析結果の数値を見ただけで課題の原因究明や仮説を立てずに対策しても、課題の根本的な原因に対処できず、改善効果を出せる可能性が低くなります。サイト上で発生している問題を特定し、それに基づいた仮説を立てて、改善策を講じることが重要です。

BtoBサイトの代表的な課題への、具体的な対策を解説します。

デザインに関わる課題への対策

デザインに関わる課題を改善するための対策として、主に以下が挙げられます。

  •  ビジュアルや訴求文の刷新
  •  デバイスへの最適化
  •  UI改善(CMSの活用)

例えば、ユーザーが商材に対して正しい理解を得られていないという課題がある場合、その原因の一つとして、訴求文が伝わりにくいことが考えられます。その場合、商材のビジュアルや訴求分を刷新するといった改善策が施策として有効です。

スマートフォンユーザーのサイト離脱が多い場合、「スマートフォンでの閲覧環境が適切でない」「文字サイズが小さい」「サイトの操作性が劣る」といった仮説が考えられます。これらの課題に対処するためには、BtoBサイトをスマートフォンでの閲覧に最適化することが必要です。また、CMSなどのツールを活用してコンテンツの配置を変更することにより、使いやすさを改善することが効果的です。

数字の成果が出ない場合の課題への対策

数字の成果が出ない課題への対策は、以下のとおりです。

  •  アクセス分析ツールを活用したユーザー行動の分析
  •  競合サイトとの比較

KPIをPV数や問い合わせ数などに設定しても、これらの数値が思うように伸びないという課題があるかもしれません。このような場合、アクセス分析ツールを使用して、ユーザーがどのページを閲覧しているか、どこでサイトを離れているかなどの行動データを分析することが有効です。この分析をもとに仮説を立て、改善策を導き出すことが重要です。

数値データだけでは原因が特定できない場合もあります。そうした状況では、競合他社のサイトと比較し、自社との違いを分析することも有効です。他社のサイトには存在するが、自社サイトに欠けているコンテンツ、訴求ポイント、デザインなどを比較することで、課題の特定と原因究明に役立てることができます。

BtoBサイトの効果測定方法やKPIの設定方法については、こちらの記事で詳しく解説していますので参考にしてください。
https://marketing.clabel.jp/article/1220/

https://marketing.clabel.jp/article/1263/

成果を生むBtoBサイトを構築するためには、課題の特定や仮説の立案、改善施策の策定などが必要です。しかし、これらを社内リソースだけで実施するのは困難な場合もあります。もし自社でBtoBサイトの改善策を実行するのが難しい、または改善方法が不明な場合には、専門家であるBtoBサイト改善コンサルタントへの外部委託を検討するのが賢明です。

サイト改善をコンサル会社へ依頼するメリット・デメリット

サイト改善を外部のコンサル会社へ依頼すると多くのメリットが得られる一方、デメリットも存在します。依頼前に知っておくべきメリットとデメリットについて解説します。

メリット①:専門的知識と経験

サイト改善コンサルは、専門的な知識と経験を活かしてサイト改善の提案を行います。自社でノウハウやスキルが不足している場合、適切なサイトの運用や改善が難しくなります。専門的な知識と経験を持つプロにサイト改善を依頼することで、効率的にBtoBサイトの成果を出すことができるでしょう。

メリット②:目標達成のための戦略立案

BtoBサイトでは、コンテンツの作成や集客施策の実行だけでは成果は得られません。サイトの分析、施策の実行、結果の検証、そしてそれを踏まえた改善のPDCAサイクルを効率的に運用することで成果が出せます。BtoBサイト改善コンサルを利用することで、PDCAサイクルを迅速に進行させるための戦略を立案でき、成果につながる具体的な取り組みを早期に実行できるため、サイトの目標達成の確実性が高まります。

メリット③:リソースの節約

BtoBサイトの改善やコンサルを自社内で行う場合、それを担う人材や専門知識が必要です。自社で全てを行うと、既存業務との兼務により本来の事業運営に支障をきたす可能性があります。

BtoBサイト改善コンサルへ委託することで、社内リソースを節約し、スタッフが本来の業務に集中できるようになります。これにより、BtoBサイト改善のリソースを補いつつ、事業運営の効率化が図れるのです。

デメリット①:コスト

外部企業であるコンサルティング会社へBtoBサイト改善を依頼した場合、そのサービスには費用が発生します。最初に予想していた初期費用の範囲内で収まることもありますが、新たな課題が発生したり、問題解決が長期にわたったりすると、追加料金がかかる可能性があります。そのため、自社で専門部隊を組むか、外部に依頼するかの選択は、コスト面でも慎重に考慮する必要があります。

デメリット②:内部知識の欠如

効果的なコンサルティングを受けるためには、コンサルティング会社が自社の商材や業界に関する十分な内部知識を持っていることが重要です。もしコンサルティング会社に十分な理解がない場合、提案される施策が不適切であり、BtoBサイトの改善につながらない可能性があります。そのため、自社のターゲットや商材の強みをコンサルティング会社に理解してもらうために、資料の提供やミーティングを行うなどの対策が必要です。

コンサル会社へ依頼した場合の実行内容とプロセス

コンサル会社へ依頼すると、以下のプロセスでBtoBサイトの改善を実行していきます。

①課題の抽出と仮説の立案
②数値分析とリサーチ
③戦略の立案
④施策実行
⑤検証

プロセスに沿って具体的な実行内容を解説します。

①課題の抽出と仮説の立案

コンサル会社は、提出された資料やヒアリングを基にサイトで発生している課題を特定し、解決のために仮説を立案します。これにはサイトの現状や課題が発生しているプロセスの分析が含まれます。

②数値分析とリサーチ

仮説を検証するために、数値分析とサイトの現状リサーチを行います。この分析にはGoogle Analyticsなど、ユーザー行動を分析できるツールや、ページパフォーマンスとSEO状況を計測するツールが活用されます。特にGA4に対応したツールの使用が重要です。従来のUA(Universal Analytics)はページベースでの計測に重点を置いていましたが、GA4ではユーザー中心の計測を行います。例えば、パソコンとスマートフォンで同一のサイトを訪れた場合でも、GA4ではこれを同一ユーザーとして認識し、より精度の高い分析が可能になります。

例えば、サイトのPVが少ない場合、ツールを活用してユーザーがサイト訪問後にどのような行動をとっているかを分析します。ユーザーが多く離脱するページがある場合、またはトップページでの離脱が多い場合、その原因を分析し、ナビゲーションの不適切さやページの重さなどの原因を特定します。

③戦略の立案

分析結果から原因を特定し、改善すべき課題の優先順位を付けます。その後、優先度の高い課題を解決するための戦略を立案します。

④施策実行

立案した戦略に基づき、具体的な施策を実行します。

⑤検証

施策実施後には効果測定と検証を行い、具体的な成果を可視化します。改善された点のほか、改善に至っていない点についてもフィードバックを行います。検証結果に基づき、次の改善サイクルの計画を立て、PDCAサイクルを回してBtoBサイトの成果につなげます。

サイト改善コンサル会社を選ぶ際の重要ポイント

成果の出るBtoBサイトを構築するには、自社のBtoBサイトが抱えている課題を正確に抽出し、改善のための適切な施策を立案できるコンサル会社へ依頼することが重要です。以下に、選定の際に覚えておきたい主要なポイントを解説します。

専門知識とサービスの領域

コンサル会社によって強みや得意とする分野は異なります。BtoB分野の専門知識やノウハウを有し、BtoBサイト改善を得意とするコンサル会社を選ぶようにしましょう。

また、コンサル会社によって提供するサービスの範囲も異なります。「提案だけでなく施策の実践まで依頼したい」「広告施策に関するコンサルも受けたい」など、自社のニーズに合ったサービスを提供しているかどうかも確認しましょう。

長期的なビジョンと戦略的なアプローチを持っているか

コンサル会社を選ぶ際は、個々のビジネスニーズに特化した長期的なビジョンを持っているか、戦略的なアプローチができるのかを確認しましょう。BtoBサイトで成果を出すためには、PDCAサイクルを適切に運用することが欠かせません。自社のビジネスニーズに沿った戦略と改善案を提案できるコンサル会社を選べば、成果を最大化できるBtoBサイト改善と運用につながります。

実績と評判

コンサル会社の実績と評判をチェックしておきましょう。特に、自社の業種や業界と近い実績があるかを確認するかが重要です。自社と類似した業種や業界での改善実績があれば、自社のサイト改善にも適切なコンサルや業界知識を活かしたアドバイスを受けられる可能性が高いでしょう。

コンサル会社の実績や評判は、ホームページの成功事例やお客様の声、クライアントのレビューなどで確認できます。高い実績を持つコンサル会社を選べば、成果を出せるBtoBサイトへの改善が実現できるでしょう。

シーラベルでは、以下のように幅広いBtoB企業様のマーケティングコンサル、Webコンサルを行った実績があります。

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まとめ

BtoBサイトで発生しやすい課題と改善策、BtoBサイト改善をコンサル会社へ依頼するメリット・デメリットを解説しました。BtoBサイト改善は、漠然とした施策を講じるのではなく、サイトの現状をきちんと分析し、原因を特定した上で仮説を立て、綿密な分析と改善を行うことが課題解決の鍵となります。自社でBtoBサイトの改善が困難な場合は、プロのコンサル会社への依頼がおすすめです。

シーラベルでは、GA4を活用したサイトの現状把握と分析を行い、適切な改善策の提案が可能です。すでに施策を講じていてもBtoBサイトの成果が出ていない場合は、お気軽にご相談ください。

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