株式会社ナビタイムジャパンは、経路探索エンジンの技術を活かした多様なサービスを提供している会社です。その一つである、多店舗チェーン事業者に向けた店舗情報発信クラウド『NAVITIME Location Cloud』においてマーカスをご利用いただき、リード獲得とナーチャリングを目的としたインサイドセールスを行っています。
100店舗以上の大手企業がコアターゲットとなるサービスであり、テレアポなどのアウトバウンドマーケティングを中心に展開してきたという同社。マーカスを活用し、見込客との関係性を構築しながらアポイント獲得数を伸ばすことに成功しています。
抱えていた課題や活用による成果、成功のプロセスなどについて、ロケーションマーケティング事業部長の内門 智弥様にお話を伺いました。
(以下、敬称略)
赤松 圭介(Akamatsu Keisuke)
営業マネージャー/マーケティングコンサルタント
マーケティングコンサル会社・システムコンサル会社にて、大手製造業・サービス業などのマーケティング支援・営業支援・DX支援に携わる。シーラベルでは、クライアント企業の課題整理から施策立案、プロセス設計までのプロジェクトマネージャーを担当。
敷島 禎和(Shikishima Yoshikazu)
インサイドセールスマネージャー
IT関連企業にてコールセンターの新規立ち上げ、教育研修、トークスクリプトや業務フローの改善に携わる。その後、電力小売事業者のJV設立によるコールセンターの新規立ち上げ、KPI管理、業務委託先管理、業務改善に携わる。
テレアポはある程度進むと歩留まりが低くなり費用対効果が合わなくなる
事業紹介・担当業務
(ロケーションマーケティング事業部長 内門 智弥様)
赤松:ナビタイムジャパン様というとルート検索やナビゲーションのアプリを思い浮かべる方が多いと思いますが、今回マーカスで支援させていただいた『NAVITIME Location Cloud』の事業について、あらためてご紹介いただけますか。
内門:『NAVITIME Location Cloud』は、多店舗チェーン展開をされている事業者様向けの店舗情報発信クラウドです。一般に、お店を探す際はGoogleマップや様々なメディアを使って調べると思いますが、メディアによって店舗情報が異なっているということが少なくありません。たとえば、営業時間が最新のものに更新されていないメディアがあり、情報を信じて行ってみたら閉まっていたという経験がある方も多いのではないでしょうか。
こうした課題を解決し、より良い顧客体験を提供することが『NAVITIME Location Cloud』のコンセプトです。GoogleやYahoo!、SNS、地図アプリ、カーナビ、ECサイトなど多様なメディアと連携して店舗情報を一元管理・発信できる仕組みを提供しています。
加えて、Google地図検索で上位表示されるMEO対策や口コミ・投稿の管理ができる機能、各種分析機能なども搭載しており、多店舗チェーン事業者様のマーケティング・プロモーション活動を支援するサービスとなっています。
私は事業責任者として、プロダクト全体を管轄しています。現状のフェーズとして、リード獲得・ナーチャリングを重点的にやらなければいけないという課題があり、マーカスに相談させていただきました。
抱えていた課題
赤松:マーカスにご依頼いただく前に実施してきたマーケティング施策と、どのような課題が浮上していたのかお聞かせいただけますか。
内門:『NAVITIME Location Cloud』がコアターゲットとして想定しているのは、100店舗以上で展開されているような大手企業です。社数がある程度絞られますので、アウトバウンドマーケティングとの相性が良いだろうと考えて、テレアポや紹介などを中心に行ってきました。ですが、テレアポも紹介もある程度進むと、やはり歩留まりが低下して費用対効果が合わなくなってきます。
そこで今後の展開として考えたのが、これまで獲得してきたリードをインサイドセールスでナーチャリングできないかということです。『NAVITIME Location Cloud』ではマーケティング担当のメンバーが少人数体制のため、外部のリソースを活用することが前提でした。
マーカスを選んだ理由
赤松:数あるマーケティング支援会社の中から、マーカスを選んでいただいた理由を教えてください。
内門:インサイドセールスをアウトソーシングする際にもっとも重視したのは、いかに柔軟に対応してもらえるかという点です。以前、他社のテレアポ代行を利用していましたが、どうしても画一的な対応に留まらざるを得ませんでした。
もちろん、テレアポ代行はテンプレ化されたトークを運用するのが一般的なので仕方のないことですが、弊社としては私たちのアイデアをフレキシブルに盛り込んでいただいたりしながら、社内メンバーと同じ目線のパートナーのような形で取り組みたいという思いがありました。
最初の打ち合わせで赤松さんからご提案をいただいた際に、「何を相談しても受け入れてくれそう」という安心感を持ちまして、弊社が求めていた形が実現できそうだと感じました。また、今後はサービスサイトへの流入施策や広告などのインバウンドマーケティング、オフラインの展示会も強化していきたいという中で、マーカスではすべて対応してもらえることが大きな決め手となりました。
実は、シーラベルさんについては以前から、豊富なノウハウをお持ちであることを知っていました。私たちにない知見を活用させていただき、自分たちだけではできなかったことを実現できるという期待もあって依頼させていただきました。
タイミングを見計らったフォローコールでアポイント数が増える
施策内容/インサイドセールス
赤松: マーカスにご依頼いただいたときは展示会の施策をやられていて、獲得したリードに対するフォローコールからのスタートでした。実際に私もコールをしてみて、御社からアイデアを頂戴しながらトークをブラッシュアップしていきました。
その後、過去に追客をあきらめたリストや、Web上の行動履歴から見込度の高そうなリードをピックアップしたインテントデータを使ったリストにもアプローチも始めています。まずは担当者特定→メールアドレス獲得→アポイント獲得というように、順を追って進めていきました。
内門:どのリストにどんなアプローチをすれば効果的なのか、ゼロベースからのチャレンジだったので、ミーティングを重ねながらマーカスの皆様にはいろいろ試行錯誤していただきました。スタートして半年くらいから、安定的にアポイントを獲得できるようになりました。
プロセス/安定的にアポ獲得できるようになるまで
(左:株式会社シーラベル / 赤松 圭介 右:株式会社シーラベル / 敷島 禎和)
敷島:切り返しトークやキラートークの積み上げはもちろん大切にしていますが、もう一つこだわっているのは、コミュニケーション力の高いメンバーを厳選してアサインするということです。
たとえば、コインパーキングを運営されている事業者様にコールするときは「先週、御社のコインパーキングを利用しました、ありがとうございます」というようなコミュニケーションをすると、先方様も即座にシャットアウトしません。大手企業には営業電話が頻繁にかかってくるので、テンプレ的なトークから入ってもすぐに切られてしまうことが多く、こうした工夫が功を奏しているように思います。
内門:定期的にフォローコールをすることで、タイミングがうまく合うケースが増えてアポイントにつながっている場合もありますよね。
敷島:一度お断りされた企業様にも、タイミングを見計らって架電しています。たとえば、ご予算の都合でお断りされた場合は解消されたタイミングでもう一度架電するというように、リストを戦略化してアプローチしている点も成功要因の一つと考えています。
アポイント獲得数を高めていく前段階として、担当者名が判明している数や継続フォロー数などの指標をしっかりクリアすることも大切にしています。大手企業の場合は異動や退職などで担当者不明になるケースが少なくないので、いかに早く後任の担当者を判明させて継続フォローできる関係性を構築できるかが重要になってきます。
また、架電で得られた予算に関する情報や競合情報などは、できる限り詳細に御社にフィードバックできるよう意識して取り組んでいます。
内門:マーカスが蓄積してくれた情報も資産だと思っており、丹念に見ています。
「この企業のアポは難しいだろう」というところもマーカスが獲得
マーカスを活用して得られた成果
赤松:マーカスをご利用いただいて、現在は平均するとアポイント獲得率5%以上となっています。成果についてどのように見ていますか。
内門:一般的なテレアポ代行と比較しても非常に高い数値で、弊社全体のアポイント数のうち、マーカス経由の割合が半数近くになる月もあります。以前に利用していたテレアポ代行に比べると、月によって変動はありますが5〜10倍程度です。アポ単価もどんどん下がっているので、費用対効果の面でも大変ありがたい状況になっています。
「この企業のアポイントは難しいだろう」と思っていたところをマーカスが獲得するケースもあって、驚くことがあります。
赤松:メールは毎月送信、架電は3か月に1回というように継続的に接点を持ち続け、1年かけてアポイントを獲得できる場合もあります。関係性構築には一定の期間を要することが少なくないのですが、長期的な取り組みであることをご理解いただいているので非常に助かっています。
内門:じっくり関係性を構築できた企業ほど大きな案件に膨らむ場合があるので、一緒に育てられていることは弊社にとって大きなメリットだと捉えています。
マーカスへの評価
赤松:マーカスを活用してみての所感をお聞かせいただけますか。
内門:社内メンバーであるかのように対応していただけることは、本当に期待以上でした。いろいろな会社さんとお付き合いがありますが、マーカスの柔軟性の高さはトップレベルです。社内でアイデアが出たときも、相談するとすぐに動いてくれるので非常に助かっています。
インサイドセールスの質の面でいうと、テレアポによく見られるようなグイグイ営業するスタイルではなく、コミュニケーション力で関係性を構築していく感じがあり、弊社が求めていることに合致していました。
敷島:いわゆる焼畑的なコールは目指しておらず、先方様のお悩みをしっかり傾聴することや、今回のコールでなくても3か月先にアポイントが取れるようなコミュニケーションを大切にしています。
関係性を作り上げていくためのトークスクリプトを御社と一緒に作成させていただけたことは非常に大きいと思っております。これを実現するにはコール先の事業内容などを事前に理解しておき、先方様の反応に柔軟に対応できることも重要になるため、コールメンバーも強く意識して取り組みました。こうした動きを評価していただけるのは、大変嬉しいことです。
内門:また、弊社ではマーケティングの担当メンバーが少なかったり、ノウハウがない領域が多かったりして手詰まりになることがあるのですが、マーカスには何でも相談できるので「何をすればいいのかわからない」「リソース不足で実現できない」という状態がなくなりました。
展示会を例に挙げると、造作や人員配置などにもアドバイスをいただけますし、イベントでは終了後のフォローがとても重要になりますが、その点も踏まえた設計をしてくれます。リード情報の整理や架電といった後工程の部分を丸ごとお任せできるので、営業メンバーやマーケティングメンバーはそれぞれ注力すべき業務に専念できるようになりました。
ほかにもランディングページの改善やSEO施策、リスティング広告など様々な施策について幅広くノウハウをお借りできるので、とても助かっています。
今後の取り組み
内門:『NAVITIME Location Cloud』はこれまで100店舗以上の大手企業にフォーカスしてきましたが、今後は100店舗未満の企業様も視野に入れてアプローチしていきたいと考えています。そのため、インバウンドマーケティングを含め、いかに効率的なマーケティング活動を展開できるかが重要になります。
マーカスからとても良いご提案をいただいているので、インサイドセールスに加え、様々な施策においても引き続きご支援いただきたいと思っています。
ナビタイムジャパン様との打ち合わせでは、会社対会社という感じではなく、隣の席のメンバーと相談しているような気さくで話しやすい環境を作ってくださいました。一緒に同じゴールを目指している感覚を常に持つことができて、大変感謝しております。
いろいろな相談をしていただけることも嬉しく思っております。事業の成長に貢献できるよう、より良い提案をしながら今後も全力で取り組んでいきます。
(コンサルタント:赤松 圭介)
インサイドセールスでは、狙い通りにうまくいく場合もあれば、なかなか成果につながらないケースも出てきます。当然ながら成功要因・失敗要因から対策を考えるのですが、ナビタイムジャパン様は一緒になっていろいろなアイデアを出してくださり、そのおかげもあってアポイント獲得数が伸びたと思っています。
コールメンバー共々、引き続きしっかり取り組んでまいります。
(インサイドセールスマネージャー:敷島)
■企業紹介
社名: 株式会社ナビタイムジャパン
事業内容:
- ナビゲーションサイト・アプリの運営・開発(トータルナビ、乗換案内、バス、自動車、自転車、バイク、トラック、ウォーキング、地図、他社との協業など)
- 経路探索エンジンのライセンス事業
- ロケーションマーケティング事業 ほか
NAVITIME Location Cloud