営業ノウハウを仕組化し、新人が短期間で独り立ちできる体制を構築

シンク・ロジスティクス株式会社は、「ビジネスと社会の前進を支えるパートナー」というビジョンのもと、自動車輸出に特化したロジスティクスサービスを展開しています。

同社は、事業拡大に向けて営業の属人化がネックとなっていたため、営業組織として円滑に機能するための仕組みづくりを必要としておりました。そこで営業コンサルティングをシーラベルに依頼。業界特性を考慮したヒアリングやアプローチの「型」を構築し、実践的なロールプレイングを実施したことで、新人が短期間で独り立ちできたといいます。

シーラベルに依頼した経緯や支援の内容・評価について、セールスマーケティング部セールスマーケティング課 マネージャー 新地祐典様と同課 高橋亜美様にお伺いしました。

(以下、敬称略)

課題は営業の属人化。営業組織として機能する仕組みを作りたい

会社紹介・担当業務

新地:当社は中古車輸出に特化したロジスティクス企業です。単に物流の手配を行うのではなく、お客様のご要望やお困りごとをお伺いした上でオーダーメイドのロジスティクスサービスを提供しています。中古車輸出業界のポテンシャルを最大限に引き出すことをミッションに掲げ、世界中から必要とされるロジスティクス企業になることを目指しています。

その中で、私は国内の上位顧客の営業および営業メンバーのマネジメントを担当しています。現在、営業メンバーは私を含めて3名です。

髙橋:私は新卒1年目で、現在10社くらいのお客様を担当しております。お客様のビジネスの最大化に貢献できるような支援を心がけ、日々取り組んでいます。また、顧客管理に導入しているSalesforceの活用推進も行っています。

抱えていた課題

新地:当社の課題は営業が属人化していたことです。もともと、創業者である社長の一木が自らサービス企画や営業を推進して事業を拡大してきたため、営業組織として円滑に機能するためのノウハウや仕組みがありませんでした。

2022年にセールスマーケティング課の前身である営業課を立ち上げたものの、個々でやみくもに活動するような状況が1年ほど続き、思うように成果が出ませんでした。経験が浅いメンバーはヒアリングの引き出しが少ないですし、お客様にどんな質問をすればいいかわからないような状況でしたので、ヒアリング力の強化が必須だと感じました。

また、新人の髙橋の指導を行っていた営業メンバーの退職に伴って、急きょ高橋を独り立ちさせなければならないという難しい状況も発生しました。

そこで、営業の仕組み化やヒアリング力の強化に本腰を入れて取り組もうということになり、数年前から組織づくりやマーケティングなど幅広くサポートいただいているシーラベルさんに支援を依頼しました。

業界特性を考慮した、ヒアリングやアプローチの「型」を構築

新地:具体的な取り組み内容については、シーラベルさんのご提案をもとにディスカッションを重ねながら一緒に詰めていきました。

実際に支援していただいたのは「ヒアリング力の強化」「関係構築の型づくり」「情報集約と共有(Salesforceの活用支援)」の3つです。

支援内容①ヒアリングの強化

新地:まず着手したのは、喫緊の課題であった「ヒアリング力の強化」です。重要な場面でお客様から必要な情報を引き出し、ネクストステップを握りながら商談を進められるよう、

  • ご挨拶からクロージングまで商談全体の流れを言語化した「商談シナリオ」
  • 各ステップで必ず聞くべき項目を一覧化した「ヒアリングシート」
  • 特定の場面での会話の流れや内容をまとめた「トークスクリプト」

を作成していただきました。当社の場合、一般的な営業手法だけを習得しても絶対にうまくいかないので、

  • ハイパフォーマーが実践しているような営業手法
  • 業界特性やビジネスモデルに合わせた内容

をうまくミックスしながらカスタマイズしていただきました。例えば、「月間でどれくらいの台数を出されていますか」「仕向地はどちらですか」「輸出に関してお困りごとはありませんか」など、当社ならではのヒアリング項目を盛り込んでいます。トークスクリプトは、難しい交渉のシーンを想定したものを作成してもらいました。

また、高橋の実践トレーニングとしてロールプレイングを行っていただきました。「初回訪問」「案件ヒアリング」「提案」など、具体的な場面やお客様の人物像を設定し、ポイントを絞った数分のロープレとレビューをくり返しながらスキル向上を図りました。

支援内容②関係構築の型づくり

新地:お客様と関係を深めるために、いつ・どんなアプローチをするかの「型」を一緒に作りました。現在当社は、ターゲット企業を絞った上で、一社一社のお客様とより深く長期的な関係性を築いていこうという営業戦略をとっています。そのため、お客様との接点をできる限り増やし、困ったときに頼りにしてもらえるようなアプローチ手法の構築が必要でした。

従来はそのあたりも個人任せでしたが、お客様にコンタクトやアポイントをとる頻度・タイミングなどをシーラベルさんと共に検討し、「こういうサイクルで関係性を築いていこう」という共通の指針を作ることができました。

支援内容③Salesforceを活用した情報集約と共有

新地:営業の仕組みづくりの一環として、Salesforceの整備も推進していただきました。Salesforceは以前から導入していましたが、一木や私が使いやすい設定にしていたため、新人でも使いこなせる仕様にカスタマイズし直す必要があったのです。

具体的には、今回の取り組みで構築した商談の流れやヒアリングの型をもとに「営業フェーズ」を見直し、

  • 各フェーズのゴール
  • 次フェーズに移行する基準
  • 推奨されるアクション
  • Salesforceへの入力項目

などを明確化しました。それらを各フェーズのガイダンスとしてまとめ、新人でもガイダンスを見ながら営業活動を進められるように設定していただきました。

新人のヒアリング力が向上し、一人で商談を進められるように

シーラベルの評価・取り組みの成果

新地:シーラベルさんとの取り組みを通して、属人化を防ぎながら営業活動を推進できる仕組みを構築できました。途中、当社の事情で色々な状況変化がありながらも、それに合わせて取り組みの優先順位を変えるなど、フレキシブルに対応しながらプロジェクトを推進していただき感謝しています。

一番良かったのは、新人のヒアリング力が向上したことです。一般的なノウハウと当社ならではの要素を織り交ぜて営業を「型化」できたことで、営業未経験でも一人で商談を進められるようになりました。ロールプレイングは「意味があるのかな」と思っていましたが、本人の不得手な部分を改善できたり、難易度の高い交渉のトレーニングもできて自信になったようです。

まだ全部実践できているわけではないですが、お客様から重要な情報を引き出せるようになり、短期間で大きな成長を感じています。

また、中途入社で営業経験のあるメンバーについても、今回作成した資料を読み込むことで業界特性や営業プロセスを理解しやすくなると思います。

 

実践的なトレーニングの積み重ねが「お守り」に。自信をもって本番に挑め、値上げ交渉にも成功

トレーニング後の変化

髙橋:私自身がどこまで成長できたかはわかりませんが、もしシーラベルさんのご支援がないまま一人でお客様先に行っていたかと思うと、ゾッとするような気持ちになります。

配属後、同行訪問させていただいていた先輩が退職したことで、自分がメインで商談等を進めなくてはならなくなり、最初は不安でいっぱいでした。また、まだご挨拶程度しかできていないお客様に対してハードルの高いご提案をしに行かないといけないタイミングでもあったため、「私にはできないんじゃないか」と思っていました。

そのような状況の中で、商談シナリオやロールプレイングで実践的なトレーニングを積めたことが「お守り」となり、自分が「できている」という実感を持った状態で本番に挑むことができました。情報の引き出し方や失礼にならない言い回し、伝わりやすい話し方など、一からひと通り学べたことがすごく良かったです。

髙橋:ロールプレイングでは、オブザーバー役の方にきつめの態度を何度もとっていただきました。本来より厳しい状況下で練習できたことで、実際にお客様から少し厳しい態度をとられても「想定内です」と思うことができ、落ち着いて対処できたと思います。結果的には割とスムーズにお客様のご理解が得られ、難しいと思われた提案にも承諾してくださいました。

また、話し方や文化の違いがある外国人のお客様に対しても最初は不安がありましたが、「ここまでやったから大丈夫」と自信をもって接しやすくなりました。

作成していただいた資料は、聞きもれがないかの振り返りや追加ヒアリングにも役立っています。手元に残る教材として、初期段階のトレーニングだけではなく、今後の自分の成長にも活きていくのではないかと思っています。

今後の展望

新地:お客様と深い関係を構築しながら事業拡大を目指す上で、これからは我々が営業の型をしっかりと運用していく必要があります。今後、営業人員が増えたとしても、シーラベルさんと取り組んだ内容を体現しながら営業組織として機能すれば、おのずと結果はついてくると思います。

Salesforceについては、当社としてもっと活用の余地があると思っています。現在は営業メンバーでの運用が中心ですが、今後は部署全体や福岡の拠点を含めて全社的に活用できるようにしていく必要があります。道のりは長いかもしれませんが、拠点間のスムーズな情報連携を実現するために、着実に推進していきたいと思います。

これから先、当社のビジネスモデルや戦略が変化するようなタイミングがきたら、それに合わせて営業の粒度をさらに高めるべきフェーズがくると思います。その際はまた、シーラベルさんにお力添えいただきたいと思っています。

■企業紹介

社名:シンク・ロジスティクス株式会社 

事業内容:・ワンストップロジスティクス(3PL)
     ・自動車輸出YARD運営(国内ロジスティクス)
     ・自動車輸出利用運送(海外ロジスティクス)

URL:https://www.sync-logi.com/ja/