メールマーケティングの手法とは|戦略を成功に導くポイントをわかりやすく解説

メールマーケティングとは、メールを用いた顧客接点の継続によってリードナーチャリングやコンバージョン向上、ファン化を目指すデジタルマーケティング手法の一つです。本記事ではメールマーケティングの代表的な手法と期待できる効果、運用のポイント、コンテンツ例をまとめました。戦略のポイントについても解説します。

メールマーケティングの手法4つ|効果・運用ポイント・コンテンツ例

メールマーケティングは、顧客との継続的なコミュニケーションを比較的容易に行えることから、BtoC・BtoBともに多く活用されている手法です。顧客が商品・サービスに興味を持ち、購入・ファン化に至る各フェーズにおいて最適なアプローチを展開できます。

メールマーケティングの代表的な手法は次の4つです。

  • メルマガ
  • ターゲティングメール・セグメントメール
  • ステップメール
  • リターゲティングメール

期待できる効果・運用のポイント・コンテンツ例とともに一つずつ見ていきます。

メルマガ

メルマガ(メールマガジン)とは、事前にメルマガ配信の許諾をとった対象者に向けて一斉配信するメールのことです。細かな設定をしなくても始められるため、メールマーケティングの第一歩としておすすめです。メール配信ツールを活用すれば、宛名を入れるなどの簡単なパーソナライズ化もできます。

配信の頻度やタイミングは自社で設定して運用しますが、継続的に顧客との関係性を構築するには定期的に配信するのが望ましいでしょう。

期待できる効果
  • 多くの見込客と定期的に接点を持ち、商品・サービスへの理解、関心を高めていくリードナーチャリング
  • キャンペーンなどのお知らせによる販売促進
  • ウェビナーやイベント参加者の獲得
運用のポイント
  • 多くのユーザーに一斉配信するため、誰にとっても有益な情報を意識してコンテンツをつくる
コンテンツの例
  • 商品・サービスの案内
  • 商品・サービスの活用事例
  • ウェビナー・イベントの案内
  • キャンペーン情報
  • 業界動向やニュース

ターゲティングメール(セグメントメール)

ターゲティングメール(セグメントメール)とは、特定の条件でセグメントした対象者に向けてメール配信する手法のことです。見込客の属性や興味関心の対象に合わせたコンテンツを提供できるため、開封率やクリック率アップなどの効果が見込めます。

また、顧客側からすると「欲しい情報が届く」という印象が強くなるため、信頼関係の向上につながるというメリットもあります。

セグメントの方法には、次のようなものがあります。

  • 属性(性別・年齢・居住地/企業の業種・部署・役職)
  • 行動履歴(閲覧・DL・購入)
期待できる効果
  • ターゲットの属性・興味関心の対象に合わせたメール配信による開封率やコンバージョンの向上、見込客のナーチャリング
運用のポイント
  • メールの目的に応じて適切なセグメント条件を設定する
  • セグメント条件に合ったコンテンツをつくる
  • 各セグメントに必要なコンテンツを複数用意しておくとスムーズに運用できる
コンテンツの例
  • 業種・部署・役職などに合わせた商品・サービスの案内やセミナー・イベントの案内
  • 誕生日クーポン・店舗割引クーポン
  • 製品ページを閲覧した顧客向け:活用事例の紹介
  • 資料をDLした顧客向け:無料トライアルの案内

ステップメール

ステップメールとは、ユーザーが起こしたアクションをトリガーに、事前に準備しておいたコンテンツを自動配信する手法のことです。たとえばユーザーが資料をDLした場合、直後にお礼メール、3日後に活用事例の紹介、1週間後に無料トライアルの案内、1カ月後にウェビナーの案内というように、ユーザーの検討フェーズに合わせたコンテンツを最適なタイミングで自動配信します。

一度にいろいろなことを伝えようとしても、一気に態度変容を起こすのは容易ではありません。ステップメールを活用することで、段階的にユーザーの関心度合いや活用イメージを高めていくことができます。

期待できる効果
  • ターゲットのフェーズに合わせた段階的なアプローチによる見込客のナーチャリング、コンバージョンの向上
  • 購入者フォローによる継続利用の促進
運用のポイント
  • 目的・ゴールを明確にした上でシナリオを作る(資料DL数を増やす、契約更新を増やすなど)
  • カスタマージャーニーを作り、ユーザーの行動・心理に即したシナリオ・コンテンツを作成する
コンテンツの例
  • 見込客が製品資料をDL
    • ステップメール1通目:お礼のメールを配信
    • ステップメール2通目:製品の導入事例を配信
    • ステップメール3通目:キャンペーンの案内を配信
    • ステップメール4通目:導入相談会の案内を配信
  • 顧客が製品を購入
    • ステップメール1通目:お礼のメールを配信
    • ステップメール2通目:製品の使い方・ノウハウを配信
    • ステップメール2通目:製品の活用事例を配信
    • ステップメール3通目:関連商品の案内を配信

リターゲティングメール

リターゲティングメールとは、特定の行動をとったユーザーに対し、次の行動へと導くコンテンツを配信する手法のことです。「自社商品を複数回閲覧」「導入事例を閲覧」など、何らかの能動的なアクションがある見込客の背中を押すメールを最適なタイミングで届けることができます。

また、「長期間アクションがない」「解約ページを見ている」など、離脱の可能性が高いユーザーへのフォローアップとしても用いられています。

期待できる効果
  • ユーザーの行動に合わせたメール配信による見込客のナーチャリング、コンバージョンの向上
  • 解約の抑止
運用のポイント
  • 見込客の興味関心が薄れない、最適なタイミングで配慮する
  • 過度なメールは行動を監視されているように感じる場合があるため要注意
コンテンツの例
  • 製品ページを見たユーザーにキャンペーンの案内
  • 導入事例を見たユーザーに他社との比較ポイントを紹介
  • 閲覧した商品に関連する商品を紹介
  • ウェビナー参加者に特別優待プランを案内
  • 契約の継続特典を案内

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メールマーケティング戦略を成功に導くポイント4つ

メールマーケティングの効果を高める上で、留意したいポイントを以下に整理しました。

中長期的なシナリオ設計

メールマーケティングは単発的なメール配信で完了するものではなく、顧客接点を持ち続けることでリードナーチャリングやコンバージョンの向上、ファン化といった効果を生み出すものです。そのため、中長期的に取り組む必要があります。

とくにメルマガではネタ切れに苦慮するケースが多く見られますが、事前に年間の配信スケジュールを決めてコンテンツのテーマ・内容を整理しておけば、段取りよく進めやすくなります。以下の点を明確にしてシナリオを設計し、目的に合致した戦略的なメール配信ができるようにしましょう。

何を目的に・いつ・誰に・どのような内容を届けるのか

読者に期待するアクションは何か

顧客にとって有益なコンテンツを作成

顧客が「自分に関係がない」「興味がない」と感じるメールを配信しても、当然ながら成果につながりません。顧客にとって有益なコンテンツを強く意識することは、メールマーケティングを成功に導く基本です。

顧客にマッチするコンテンツを検討する際は、以下のOATHの法則をもとに整理すると便利です。

顧客の状態 適しているコンテンツの例
Oblivious:無知
(課題を認識していない状態)
課題に気づいてもらうための情報

例)同業種の身近な例

取り組みのトレンド など

Apathetic:無関心
(課題に気づいているものの、今すぐ解決の意識が薄い状態)
課題解決の必要性やメリットに気づいてもらうための情報

例)
知らずにいるデメリット・リスク
成長企業は○○をやっている など

Thinking:関心
(問題意識が高まり解決方法を模索している状態)
課題解決の具体的な方法を提供

例)
○○を解決する方法
○○の活用事例 など

Hurting:困っている
(何らかの不利益・不便があり、今すぐ解決したいと考えている状態)
商材の活用方法や比較、行動を起こすきっかけとなる情報を提供

例)
○○の選び方・サービス比較
トライアル・キャンペーンのご案内 など

A/Bテストで仮説を検証

メールマーケティングは効果検証と改善を繰り返すPDCAを回すことで、より高い成果を生み出します。何をどのように改善すべきか、複数の仮説がある場合におすすめしたいのがA/Bテストです。A/Bの異なる2パターンを実際に試してみて、どちらが高い効果を得られるのかをテストします。

以下にA/Bテストの例を挙げます。

テスト項目 目的
件名・タイトル 開封率を検証
配信の曜日・時間帯 開封率を検証
差出人(個人名・会社名) 開封率を検証
件名に顧客の名前の有無 開封率を検証
ファーストビュー クリック率を検証
CTAの位置 クリック率を検証
CTAの文言 クリック率を検証
CTAの色・デザイン クリック率を検証

たとえば、「件名・タイトルに限定感を入れたほうが開封率が上がるのでは?」といった仮説をA/Bテストで検証します。仮説を持たないままテストしてもノウハウを蓄積できず、結果を次に活かせなくなるため注意しましょう。

ツール活用で運用負荷を軽減

メールマーケティングは中長期的に取り組む必要があり、運用負荷が高くなりがちという側面があります。効率的かつ効果的な運用を目指す上で、ツールの活用は必須です。

メールマーケティングに用いられる代表的なツールは、メール配信システムとMA(マーケティングオートメーション)の2つです。それぞれの特徴を理解した上で、自社に適したツールを活用しましょう。

メール配信システム

メール配信・作成機能に特化したツールです。メール到達率の高さを誇るタイプや、メルマガの効率的な運用にこだわるタイプなど多様なものが提供されています。各社で機能は異なりますが、主要な基本機能は以下の通りです。

  • メール配信機能
    • 一斉配信
    • 予約配信
    • ターゲティングメール
    • ステップメール
  • メール作成機能
    • HTMLメール作成
    • 相手先の名前差し込み
  • 効果測定機能
    • 開封率
    • クリック率
    • A/Bテスト

メール配信システムは比較的低コストで導入できるタイプが多く、手軽にメールマーケティングを始めたい場合に適しています。

MA(マーケティングオートメーション)

MAはメールマーケティングを含めたマーケティング活動の自動化を実現する機能を備えているツールです。メール配信システムで提供されている機能に加え、多彩な機能が搭載されています。代表的な機能を以下に挙げます。

  • 見込客の一元管理
  • 見込客のスコアリング機能
  • シナリオ作成機能
  • メール作成・配信機能
  • ランディングページ・フォーム作成機能
  • 効果測定・分析

上記に加え、SFA(営業支援システム)やCRM(顧客管理システム)との連携性に優れたMAも多数提供されています。メールを含めた多角的なアプローチでリード獲得・育成に取り組みたい場合は、MAを選択するとよいでしょう。

メールマーケティングのノウハウ・リソース不足でお悩みなら「シーラベル」へ

メール利用者は依然として多く、メールマーケティングは顧客と継続的に接点を持つ上で有効な手法です。一方で、メールマーケティングのトレンドはどんどん進化しており、開封率やクリック率を高めるためのクリエイティブや、パーソナライゼーション対応におけるノウハウ・リソース不足が課題となっているケースが少なくありません。

「メルマガのノウハウがない」「制作のリソースが足りない」という場合は、BtoBマーケティングにおいて豊富な事例・経験をもつシーラベルのBtoBマーケティングコンサルティング「マーカス」をぜひご活用ください。

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