リードナーチャリングにスコアリングは有効!重要性やメリット、3つの方法を紹介

「スコアリング」の用語を耳にしたことはあるものの、何を意味するのかわからない…と頭を抱えるマーケティング担当者や営業担当者は少なくありません。スコアリングは、リードナーチャリングの領域において、会社の売り上げ向上や、契約数の向上のためにも欠かせない取り組みを意味します。しかし、具体的にどのような施策を進めればいいのかは悩みやすい部分です。本記事では、リードナーチャリングにおけるスコアリングの概要や重要性、実施するメリットなどについてご紹介します。

リードナーチャリングにおける「スコアリング」とは

リードナーチャリングにおけるスコアリングとは、見込み顧客や、既存顧客の状態を数値化することを指します。現実問題として、見込み顧客や既存顧客の興味関心や、製品への理解度などを、企業の担当者が把握することは難しいのが現状です。しかし、それぞれを数値化できれば、「何に興味を持っているのか」「どの程度の関心を寄せているのか」などがわかりやすくなります。

マーケティングや営業のシーンにおいて、見込み顧客や既存顧客への理解を深めることは重要であり、そのための方法としてスコアリングは有効であると言えます。

スコアリングが重要な理由

現代で、スコアリングが必要といわれる理由は、獲得したリードが増えていくにつれて、すべてのリードをフォローしきれなくなるのを防ぐことにあります。様々な手法で獲得したリードは貴重な見込み顧客であり、施策を通じて購買意欲を高めていかなければなりません。

しかし、リードが増えていくと、人手の問題や時間の都合などに伴い、徐々に対応しきれなくなっていくことが多い傾向にあります。せっかく得たリードをうまく活用できなければ、営業の生産性の低下や、収益機会を逃すことになるかもしれません。

貴重なリードをきちんと活用するためにも、スコアリングできちんと見込み顧客や既存顧客について数値で把握し、提供すべき情報の最適化やマーケティング施策考案などを効率的に行うことが重要です。

スコアリングを実施するメリット

スコアリングを実施するメリットには、見込み顧客の可視化が可能な点が挙げられます。スコアリングの実施によって、属性や行動のほか、顧客のステージなどに点数をつけて具体的な数字で表すことが可能です。

見込み顧客をスコア化することは、「誰にアプローチすればいいのか」「どのタイミングで施策を行えば良いのか」などの明確化につながります。結果的にマーケティングや営業の効率化を期待できるのが大きなメリットです。

スコアリングにおける3つの項目

リードナーチャリングにおけるスコアリングには、3つの項目があります。項目について正しく理解しておかないと、いざスコアリングしようにも、何に点数をつけて数値化すれば良いのか分からない…と悩むことになりかねません。スコアリングが初めての方は、以下の3つの項目をおさえておきましょう。

属性

スコアリングにおける属性は、文字通りリードに該当する属性を指します。具体的には役職者・企業の規模・業種・競合商品の利用経験、などが挙げられるでしょう。点数をつける方法は企業の方向性によって異なるものの、「顧客が決定権を持つ役職者であれば+5点」「自社サービスに関わる業種であれば+5点」「競合商品の利用経験があれば-3点」といったように、自社サービスとの相性を見ながら点数をつけていきます。

属性の点数を明確にすることは、自社の製品とのマッチング性の高さを明らかにすることでもあるので、適切に進めていくことが大切です。

興味関心

リードナーチャリングのスコアリングでは興味関心の項目があります。顧客の行動をもとに、興味関心を引き出すことが可能で、自社製品の購入に結び付きやすいか否かを数値化することにつながります。

たとえば、自社コンテンツを閲覧している・メルマガを開封している・自社のセミナーやウェビナーに参加している・問い合わせ歴がある、などは興味関心が高く加点対象と言えます。逆に、自社との接点がなく数値化できないようであれば、自社製品への関心が低く商談に結びつきにくいと考えられるでしょう。

行動

スコアリングにおける行動とは、顧客の活性度を知るための項目です。どのような行動を、どのタイミングで行ったのかを調べて点数をつけていきます。

たとえば、「短期間で自社コンテンツを10ページ以上閲覧している」「資料ダウンロードを複数回行っている」などの場合は、自社製品への興味関心が高く加点対象です。一方「5か月以上問い合わせや連絡などがない」などの状態であれば、自社製品への関心がない、もしくは関心があったものの時間とともに購入意欲が薄れた、などと判断できるため減点対象と考えられます。

顧客の行動について理解を深めることで、関心が高く購買意欲が高い層に優先的にアプローチする判断ができるので、効率的な営業・マーケティング施策を実施しやすくなるでしょう。

スコアリングの4つの方法

スコアリングに必要な項目がわかったものの、ではどのように実施すればいいのか疑問を感じている方は多いのではないでしょうか。本項からは、初めてでもスムーズにスコアリングができるよう、4つの方法をご紹介していきます。

営業担当者から情報収集

リードナーチャリングのスコアリングを実施する際には、営業担当者から情報収集する方法があります。自社の商品を実際に購入・利用している方がどのような方なのかは、スコアリングで数値化させるうえでの重要なデータです。たとえば、自社の製品を知ったきっかけや、なぜ商談を検討したのか、購入に至った理由や経緯などについて把握できれば、前項の3つの項目において「どの程度の加点・減点をすればいいのか」を想像しやすくなります。

もし、商談につながった顧客の多くが自社コンテンツを読んだ方であれば、「自社コンテンツの閲覧」に対して高い加点を与える判断もできるでしょう。営業担当者へのヒアリングは、スコアリングの精度を高めることも期待できるので、積極的に情報収集をしましょう。

コンバージョンポイントを確認

スコアリングを行う際には、コンバージョンのポイントを確認してみましょう。コンバージョンとは、商談・購買に繋がりやすい顧客のアクションのことです。一般的には、資料請求やお問い合わせなどがコンバージョンとして設定されています。コンバージョン数が多いのはどこの箇所なのかを調べることで、スコアリングの際の加点・減点基準を考える際のヒントとなります。

コンバージョンとして設定した問い合わせを経て、そのまま商談につながりやすいのであれば「問い合わせ歴がある」といった評価項目の加点数を上げる判断ができるでしょう。逆に、資料請求から商談につながるケースが少ないのであれば「資料請求歴がある」の加点は少なくする判断もできます。

コンバージョンポイントは、スコアリングの点数の基準を考えるうえで必要なデータが多いので、よく調べることをおすすめします。

商談につながったことのある顧客を分析

スコアリングを行う方法のひとつが、商談に至ったことのある顧客及び見込み顧客の分析です。商談に至るまでに顧客や見込み顧客はどのようなアクションをしていたのかを調べてみると、何らかの法則があるケースが珍しくありません。具体的には、資料請求前に製品の詳細ページをチェックしていたり、問い合わせ前に自社のオウンドメディアを閲覧していたりするなどの行動がわかります。

商談に至るまでの法則がわかれば、スコアリングの際に加点を高くすべき興味関心や行動の項目が明確になるので、効率的に数値化しやすくなるでしょう。

導入事例を参考にする

初めてのスコアリングでは、自社製品の導入事例を参考にしてみることをおすすめします。企業や職場の環境によっては、営業担当者から情報収集をすることが難しい場合がありますし、時間を割けないこともあるでしょう。自社製品の導入事例には、実際に契約・購入に至った顧客の情報が掲載されているため、スコアリングで役立てられます。

導入事例では、導入先の企業情報や製品の導入前にあった課題、導入したことで改善できた部分などが紹介されていることが多いです。スコアリングの際に「どのような業種による導入が多いのか」「どのような課題を抱えている企業からニーズがあるのか」などがわかれば、加点・減点基準のヒントになります。

スコアリングのコツ

スコアリングの精度を高めるためにも、いくつかコツをおさえて実施することが大切です。本項からは、スコアリングが初めての方に向けて、コツをご紹介していきます。

スコアリング内容や基準を定期的に見直す

リードナーチャリングにおけるスコアリングは、定期的に内容・基準を見直すことが重要です。設定したまま手つかずで活用していると、ニーズが変わったことに気が付けないまま従来のデータを基準に営業やマーケティング施策を実行するリスクがあります。

また、一度スコアリングを設定したものの、実際の見込み顧客・顧客の情報にギャップがあり、思っていたような成果を得られない可能性があるので、結果を見ながら適宜修正していくことをおすすめします。

KPIを設定する

スコアリングで重要なのが、KPIの設定です。進むべき目標が漠然としている中でスコアリングを設定すると精度が低くなりやすく、アプローチをかけるべき相手やタイミングなどを見誤ることが考えられます。そのため、営業やマーケティングにおけるKPIを設定する、もしくは企業のKPIを確認したうえで、スコアリングを設定することが重要です。

リードナーチャリングでは、以下のようなKPIが設定されていることが多いので参考にしてみてください。

  • テレマーケティング(過電数・通話時間・過電から商談の実績)
  • メールマーケティング(メール内のリンククリック数・メールの開封率)
  • セミナー(参加人数・実施後のアンケート回答率・SNSでのシェア数)

上記は一例なので、自社の製品や状況に合わせてKPIを設定しましょう。

リードに提供しているコンテンツを定期的に見直す

スコアリングでは、リードへ提供しているコンテンツを見直すことがおすすめです。スコアリングは、リードの興味関心や状態などを可視化するため、求められている情報をコンテンツに落とし込みやすくなります。メルマガやオウンドメディアなど、提供コンテンツは企業によって様々ですが、いずれにせよ見込み顧客などの興味関心に沿ったコンテンツの提供が必要です。

コンテンツの質が高く、リードの関心に沿った内容であれば、自社製品への購買意欲を高めることができ、営業やマーケティングの効率化を実現できるでしょう。

テストしてみる

スコアリングのコツは、まずはテストしてみることです。最初から完璧にスコアリングを設定しようとするのではなく、一度実際に数値化してみて、様子を見ながら配点や目標などを調整していくほうが効率的です。実際にスコアリングしたうえで活用してみないと見えない情報は多いでしょう。設定したスコアリングに問題がありそうなら、微調整しながら制度の高い数値化を目指していくことをおすすめします。

スコアリングの注意点

スコアリングを設定するにあたって、あらかじめ知っておくべき注意点があります。具体的にどのような注意点があるのか、以下から見ていきましょう。

スコアの高さだけを判断材料にしない

スコアリングを設定した後は、スコアの高さだけで判断することは避けましょう。スコアリングはあくまでも「商談につながりそうか」「購入に至れそうか」を見極めるための情報源です。スコアの高さだけを理由にアプローチをかけても、想定していたような結果が得られないことも多いため注意しなければなりません。

とくに、スコアリングで減点のルールが漠然としていたり、そもそも減点を設けていない場合には、スコアは実際の顧客の状態よりも高くなる場合があります。スコアリングの結果だけで判断するのは避け、その他の判断材料も加味しながらアプローチを検討しましょう。

KPIの設定は適切であることが大前提

スコアリングは、KPIの設定が不適切では本来得られるはずだった効果が下がる可能性があるので注意しましょう。KPIに基づいてスコアリングを管理していかないと、企業が把握するスコアと実際のリードの興味関心や行動などでギャップが生じてしまうリスクがあります。スコアリングの効果が実感できない場合は、KPI設定に問題が生じている可能性もあります。スコアリングだけではなく、KPIの見直しも視野に入れて対策するなど、必要に応じてそれぞれの修正も進めていきましょう。

あらゆる行動の数値化は不要

スコアリングでは、あらゆる行動を数値化する必要はありません。リードの行動を数値化することは営業やマーケティングの施策を考えたり、アプローチのタイミングを見極めたりするうえで重要なヒントとなります。しかし、あれもこれもと多くの行動を数値化しても、実際に営業やマーケティングの場で必要となるリードの行動スコアは限定的であるケースが少なくありません。

あらゆる行動の数値化は非効率なスコアリングとなってしまうため、最初は最小限のスコアリングから実施することがおすすめです。必要な場合に追加や修正を行い、スコアリングの精度を高めていきましょう。

まとめ

スコアリングは営業やマーケティングを効率的かつ効果的に進めるためにも重要な施策のひとつです。しかし、スコアリングが初めてでは、何から手をつけたらいいのか分からない方も少なくありません。

本記事では、リードナーチャリングにおけるスコアリングに興味のある方へ向けて、概要や導入のメリット、具体的な方法などについて触れました。ぜひ、スコアリングに興味のある方は、参考にしながら自社独自にリードの数値化を図っていきましょう。とは言え、スコアリングは必ずしも効果が出る施策ではありません。また、スコアリングで数値化・可視化することに向いていない製品も存在します。

例えばHubSpot社の場合、スコアリングに合わない製品があるので、スコアリングを活用せずにリードナーチャリングを実施しています。スコアリングが自社製品に向いているのかどうかの判断や、スコアリングを実施した場合にどこまでスコアの高さを判断材料にするのかの見極めが重要となります。いざ、スコアリングを進めようにも、何から始めたらいいのか分からない方や、やはり難しそうとハードルの高さを感じた方は、ぜひシーラベルにご相談ください。

シーラベルでは、BtoBに精通した実績豊富な専門スタッフが、企業担当者に代わって正確なスコアリングを実施していきます。

ぜひ、一度お気軽にシーラベルへお問い合わせください。
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