メールマーケティングとは|種類とやり方、最新トレンドまで解説

メールマーケティングとは、メール配信を通じてリード育成や販売促進などを行うことです。近年はSNSが普及していますが、メール利用者は依然として多く、BtoB・BtoCともに有効な手法となっています。本記事では、メールマーケティングの基礎知識と種類、メリット・デメリット、最新トレンドまで解説します。

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メールマーケティングとは

メールマーケティングとは、メール配信によって顧客とコミュニケーションを図るマーケティング手法の一つです。継続的な情報提供によって顧客と良好な関係を構築することがメールマーケティングの主たる役割で、見込客の育成をはじめ、リピート購入の促進、セミナーやイベントの集客など様々な目的で実施されています。

メール利用率は依然として高い

近年はSNSがコミュニケーション手段として台頭していることから、「メールは古いのでは?」と思われることがありますが、実際にはメール利用は依然として高いことがわかっています。

総務省情報通信政策研究所が行った「令和3年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」によると、全年代のSNS行為者率(平日)は50.0%、メールは47.9%となっています。若年層を中心にSNSは行為者率・利用時間ともに高い水準にあるものの、40代以降ではSNSよりもメールのほうが行為者率・利用時間ともに上回るという結果でした。

この結果からもわかるように、メールはSNSと並んで顧客接点を持ちやすいメディアであり、BtoB・BtoCともにマーケティング施策において重要な役割を果たすといえます。

メールマーケティングのメリット・デメリット

メールマーケティングを行うメリットとデメリットについて見ていきましょう。

メールマーケティングのメリット

低コストで実施できる

メールマーケティングに必要となるコストは、メール配信や効果測定を行うためのツール導入費用、コンテンツ制作にかかる人件費が主なものです。ツールの費用は提供各社や搭載されている機能によって幅がありますが、月に数千円程度から始めることが可能です。

広告出稿や紙のDMなど他のマーケティング施策と比較しても、低コストから運用できる点はメールマーケティングの大きなメリットです。

ユーザーに合わせたアプローチができる

メールマーケティングでは、ユーザーの属性や行動履歴などに合わせてコンテンツ内容、配信のタイミング、配信頻度などを変えながら個々のユーザーに最適なアプローチをします。パーソナライズ化されたコミュニケーションがしやすいため、コンバージョンや顧客エンゲージメントの向上が期待できます。

効果測定がしやすい

効果検証ができるツールを導入すれば、到達率・開封率・クリック率(CTR)・コンバージョン率(CVR)などの効果測定が容易にできます。より良いリアクションを得るためのPDCAを回しやすい点も、メールマーケティングのメリットです。

メールマーケティングのデメリット

人的リソースが必要

メールマーケティングは継続的に情報を発信していくことが大切な手法のため、コンテンツ制作や運用・管理に人的リソースが必要です。一定の手間を取られる点はデメリットといえるでしょう。

コンテンツ制作のノウハウが必要

コンテンツの質を維持できないとメルマガ解除につながるため、ユーザーが興味関心を抱くコンテンツや有用と思ってもらえるコンテンツを制作することが重要になります。しかし、質の高いコンテンツ制作にはノウハウが必要です。自社にノウハウがない場合、担当者の負荷が高まったり、効果的な運用ができなかったりする可能性があります。

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中長期的に取り組む必要がある

メールマーケティングは、継続的に情報を提供していくことで成果につなげる手法のため、中長期的に運用しなければ期待した効果を得られない点に注意が必要です。社内の運用体制を整えて取り組む必要があります。

メールマーケティングの種類

メールマーケティングの種類は大きく次の5つです。

・メルマガ
・ターゲティングメール(セグメントメール)
・ステップメール
・リターゲティングメール
・休眠顧客発掘メール

一つずつ見ていきましょう。

メルマガ

メルマガとは、メール配信リストを使って定期的に情報を一斉配信する手法のことです。メルマガの会員登録をしている全ユーザーが対象となるため、誰にとっても有用な情報を届けることが重要になります。

適しているのは、次のようなコンテンツです。

  • 新商品や新サービスの案内
  • キャンペーン情報
  • 業界の最新情報

ターゲティングメール(セグメントメール)

ターゲティングメール(セグメントメール)とは、特定の条件に合致する対象者に絞り込んで配信するメールのことです。対象ユーザーのニーズに合致するコンテンツを配信できるため、開封率やCV率を高めやすいというメリットがあります。

セグメントの方法は様々ありますが、以下に代表的な例を挙げます。

  • ユーザーの属性(性別・年代・居住地、企業の業種・規模・役職など)
  • ユーザーの行動履歴(新製品の紹介ページを閲覧した、資料をDLした、商品Aを購入したなど)

属性によるセグメントでは、たとえば居住地にある店舗のクーポン配布や誕生日のクーポンを進呈して利用促進を図るという方法があります。行動履歴をもとにセグメントした例では、新製品の紹介ページを閲覧した人に向けて無料トライアルの案内をして成約につなげるなどです。個々のユーザーに適したアプローチができるというメリットがあります。

ステップメール

ステップメールとは、ユーザーがとったアクションに応じて段階的に配信するメールのことです。あらかじめ配信スケジュールと内容を設定しておき、自動配信します。例を見てみましょう。

例)ユーザーが新製品の資料をダウンロードした

  • ステップメール1通目:お礼のメールを配信
  • ステップメール2通目:新商品の導入事例を配信
  • ステップメール3通目:キャンペーンの案内を配信
  • ステップメール4通目:新製品導入相談会の案内を配信

上記例のように、ステップメールではユーザーの検討フェーズに沿って最適なコンテンツを提供しながら、徐々に関心度合いや活用イメージを高めていくことができます。

リターゲティングメール

リターゲティングメールとは、特定のアクションをとったユーザーを追跡して次の行動へと導くようにするメールのことです。何らかのアクションをとっているユーザーが対象となるため、適切なアプローチができればCVにつながることが期待できます。

以下のようなケースは、リターゲティングメールに含まれます。

  • 商品ページを見たユーザーにクーポンを配信する
  • ユーザーが閲覧した商品に関連する、おすすめ商品の案内を配信する
  • 製品ページを見たユーザーに他社製品との比較情報を配信する
  • ウェビナー参加者に特別特典付プランを配信する

休眠顧客発掘メール

休眠顧客発掘メールとは、以前は取引があった、またはホットリードだったものの一定期間反応がなく休眠している顧客に向けて再アプローチするメールのことです。メールで定期的に接点を持ち続けることで、戻ってくる可能性があります。ただし、何らかの理由があって休眠していることを踏まえ、コンテンツの内容や配信頻度を検討する必要があります。

メールマーケティングのやり方

メールマーケティングの基本的な進め方を5つのステップに分けて見ていきます。

1.目標とKPIを設定

メールマーケティングは中長期的な取り組みとなるため、目標(KGI)とKPIをしっかり設定した上で運用することが大切です。売上や資料ダウンロード数、商談化数といった目標を決めたら、それに応じてKPIを定めます。

メールマーケティングで多く用いられているのは以下のKPIです。

  • メール到達率
  • 開封率
  • CTR(クリック率)
  • CVR(コンバージョン率)
  • 購読解除率

自社の状況に合わせて設定しましょう。

2.配信リストを準備

メールを配信するためのリストを準備します。配信数が少ないとメールマーケティングの成果を上げにくくなるので、メルマガ登録を促進する施策も同時に検討する必要があります。リストの収集方法としては、SEOコンテンツからの資料ダウンロード、アンケート、ウェビナー参加者、営業や展示会などで名刺を集めるなどの施策があります。

3.メール作成

どのユーザーに、どのような内容のメールを配信するのかを検討した上でメールコンテンツを作成します。ターゲット像が不明瞭な場合は、事前にペルソナやカスタマージャーニーマップを作成した上で内容を検討するとスムーズです。

コンテンツの質を高める上で、とくに留意したいのは以下の点です。

  • メールのタイトル(件名)はユーザーへの訴求力があるか
  • ファーストビュー(初めに目にする部分)でユーザーを惹きつけているか
  • 要点がわかりにくくなっていないか

上記を踏まえて、ユーザーが有用と感じるコンテンツになっているかを強く意識して作成することが重要です。

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4.メール配信

大量のメールを一斉配信する場合は、メール配信ツールまたはMA(マーケティングオートメーション)の利用をおすすめします。配信ミスや工数を削減できるほか、効果測定機能が充実しているものであれば運用のスピード・精度を高めることが可能です。

5.効果測定と改善

メールを配信したら、あらかじめ設定した目標とKPIが達成できているか、効果を検証して改善すべき点を洗い出します。

●開封率が低い場合の改善例

・タイトルを見直す
・セグメントを見直す
・配信する曜日・時間帯を変える

●CTR(クリック率)が低い場合の改善例

・CTA(Call To Action)ボタンの位置を変える
・ファーストビューを見直す
・コピーを変える

また、メールマーケティングではクリエイティブにおいて何を改善すべきか、複数の仮説が出てくることがよくあります。そうした場合は、A/Bテストで検証する方法がおすすめです。タイトルや画像・ボタンの位置など、より高い効果を示すパターンを特定することができます。

このように検証と改善を繰り返すPDCAを回していくことで、自社にとって成果につながりやすいメールマーケティングの形が見えてくるはずです。

メールマーケティングの最新トレンド【2023年】

メールマーケティングは歴史のある手法ですが、常に進化を続けています。ここでは、注目したい最新トレンドを紹介します。

より高度なパーソナライゼーション

ユーザーが「自分に向けられたメール」と感じられるようにすることは、リアクション率を高める上で重要なポイントです。これまでもメールに名前を入れるなどパーソナライズの施策は用いられてきましたが、現在はより高度なパーソナライゼーションが進んでいます。

たとえば、以下のような例です。

  • 誕生日の特別優待メール
  • カートに入れたままの商品のリマインドメール
  • 実店舗への来店時におすすめ商品を通知

One to Oneを進化させることで競合他社との差別化を図れる、顧客エンゲージメントを高められるというメリットが期待できます。ただし、こうした施策を実践するには、ユーザーの属性や好み、行動履歴、購入履歴といったデータを収集・蓄積し、より細分化されたセグメントが必要になります。

昨今はプライバシーの観点からデータ収集が難しくなっている面もありますが、情報提供によって得られる体験が満足できるものであればユーザーにとってもメリットがあるため、顧客体験の向上施策と合わせて検討する必要があるといえるでしょう。

UGCの活用

UGC(User Generated Contents)とは、SNSやレビュー、動画などユーザーが投稿しているコンテンツのことです。ユーザー生成コンテンツと訳されます。

メールコンテンツにUGCを活用するという手法が直近のトレンドとして目立っています。SNSやレビューが売上にダイレクトに影響することからわかる通り、ユーザーの声や評価、よく購入されている商品、実際に利用している画像・動画などをメールコンテンツに活用することで、購入意欲や信頼感の醸成が期待できます。

UGCの活用は今後さらに伸びていくと見ることができるでしょう。

AIの活用

様々な分野でAIの活用が進んでいますが、メールマーケティングにおいてもトレンドの一つとなっています。たとえば、以下のようなAI活用例があります。

  • 行動履歴の分析・セグメンテーション
  • メール配信リストのクリーニング
  • ユーザーに合致するタイトルを予測
  • タイトル・本文のアイデア出し
  • 誤字脱字のチェック

2022年11月に公開された「ChatGPT」が話題となっていますが、メルマガ作成の効率性アップを図れる点でも期待が寄せられています。ただし、ネット上で利用するツールとなるため、情報漏えいが懸念される機密情報や個人情報は送信しないなど注意しなければならないこともあります。AIは加速度的に進化を続けているため、今後も注目したい技術です。

成果を生み出す質の高いコンテンツ制作が成功の鍵

メールマーケティングは、BtoB・BtoCともに顧客との関係性を向上させる上で有効な手法です。現在は高度な機能を備えたツールも提供されているため、より精度の高いメールマーケティングが容易にできるようになっています。とはいえ、成果を生み出す質の高いコンテンツを提供し続けることに悩んでいる担当者も多いのではないでしょうか。

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